- Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336049865
作品紹介・あらすじ
セント・アガサ女学校に通う、ダイアナ、シーラ、クレア。大戦によって引き裂かれ、女学校という不思議の国を出た3人が、オールド・ガールズとなって再会した、その目的とは-。20世紀を代表する女性作家ボウエンが描きだす、少女たちの無垢と棘。
感想・レビュー・書評
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リトル・ガールズ (ボウエン・コレクション)
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2014年神保町ブックフェスティバルで購入。
国書刊行会の『ボウエン・コレクション』の1冊。
3人の少女たちの青春と、長じてからの再会を描く。
数人の女性が織りなす会話劇というのが好きなので(日本の作家だと恩田陸に幾つかあるね)、本作も楽しく読んだ。正確には『会話劇』とは言い切れないのだが、再会してからの、緊張感に満ちた会話のシーンは矢張りいい。
英国の小説らしく、自然の描写が溢れているのも読みどころ。 -
翻訳本の中でも、私にとっては特に読みずらい小説だった。
「彼らは並んで廊下を下り、突き当たりでまぶしく光っているガラスのドアから中庭を出ると、中庭の扉を通って庭に入り、初霜が降りた朝特有の、報復するような、きらめく美しさに包み込まれていた。」
この文章表現にグッと来た。
英国の由緒ある学校の原風景みたいなものに憧れがあるので、一度読んでも理解でききれなかった本書を、もう少しすれば再読してみようと思う。
私の大好きなイアン・マキューアン著の『贖罪』にエリザベス・ボウエンの名前が出ていたが、私はそのことを知らずに、エリザベス・ボウエンの『愛の世界』を購入してみた。
これも出会いの一つなので、ボウエン・コレクションを全て集めてみようと思った。