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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784336050212
感想・レビュー・書評
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装丁も素晴らしい贅沢な本。
せっかくの珠玉作品集なので、
半端なところでブツ切りにするのはもったいないから、
必ず1編ずつ読み切って本を閉じようと最初に自分内ルールを決めた。
短距離を息継ぎなしで泳ぎ、一息入れてはまた泳ぐといった感覚だった(笑)
それはさておき、
澁澤龍彦による幻想文学新人賞選評「もっと幾何学的精神を」
および「ふたたび幾何学的精神を」に、
明確な線や輪郭で、細部をくっきりと描かなければ幻想にはならない【*】
あいまいな、もやもやした雰囲気の中を、
ただ男や女がうろうろと歩きまわるだけの話をいくら書いたって、
そんなものは幻想でも何でもありやしない。【**】
という手厳しい言葉があるが、なるほどなぁ。
その点、山尾作品は明晰な文体を駆使して
見事に解像度の高い別世界の映像を見せてくれるから好きだ。
【*】澁澤龍彦『都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト』(学研M文庫)p.152
【**】同p.156詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
鉱物に例えられることの多い山尾悠子の文章。言葉の端々まで意識を行き届かせながら自身の影をチラリとも見せないその様子は、まるではじめから完成した作品そのものが見えていたかのようで、すでにある世界の断片をすいと掬い上げただけといった趣すらあるが、別の機会に見かけた手書き原稿に残る多くの修正の跡に、それが全くの勘違いだと気付かされる。
推敲を重ね、丹念に磨き上げることで、この硬質で豊かな世界は生まれたのだろう。例えば魅惑的な文章をうっとりと味わうような心持ちとして陶酔・陶然といった言葉があるが、山尾悠子の作品にはもう少し距離を置いた、輪郭のくっきりした表現が似合うように思う。ゆらゆらと酔うのではなく、シラフのまま、一点を見据えながら酔い続けるような。ふと快い感触を覚え手を開くと、そこにはあのヒヤリとした重さを持つ、しんと輝く鉱物がある。 -
幻想的な世界。萩尾望都の挿絵とか合いそう。宗教、神話、音楽etc.
色々な知識があればもっと深く楽しめそう。 -
仮面物語に衝撃を受けて以来のファン。
私の理想とするものはここにあるのかもしれない。
硬質で、艶のある独特の文体。
そっと舐めてみたくなる。
はぐらかすような、わざとこちらを煙に巻く書き方だけれど、がっかりしない。
そんなの彼女だけなのです。 -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00591765
バロックなイメージが渦巻く15の幻想小説。「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」「美神の通過」「水源地まで」「影盗みの話」「夜の宮殿と輝くまひるの塔」「ドロテアの首と銀の皿」ほか。(出版社HPより) -
世界観が独特でよくわからないところも多々ありましたが、世界観が好きだったので読み終わりました。
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歪み真珠、つまり、バロックとはまた直球な(笑)
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後書によると多くの短編が「幻想文学」が初出の由だが、面白くない."幻想"だからそれで良いのかもしれないが、実態がつかめない話が延々と続くのには閉口した.たぶん元になる話、例えばギリシャ神話、などがベースになっていると推測したが、その方面の知識がないので、文字を追うだけの読書になった.
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短編集。
独特の言い回しと世界観。
表現が面白い。 -
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短編種15編
「歪み真珠」というタイトルはこの作品集のすべてを言い表している.
「マスクとベルがマスク」「ドロテアの首と銀の皿」が良かった. -
武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000124886
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この方の作品は、浸るのにはもってこい。
読んでいる間ずっと、不思議な世界に入っていられる。
夜に読むのがいいな。
心地よかった。 -
「作品集成」と比較すると、さすがに短めで読みやすいものが多い。
しかし、それぞれがそれぞれに濃い味。
手許に本がないのでアバウトだが、
「アンヌンツィアツィオーネ」の
「生まれてくる御子は半陰陽。御子は世界を滅ぼすでしょう」
……痺れる……。
一文一文がぴしっと決まっている、まさに散文詩。
「ドロテアの首と銀の皿」に出てくる「冬眠者」という素敵なモチーフが、「ラピスラズリ」にも通底しているそうな。楽しみ。
この作者の保有している語彙は、どれだけ煌びやかなんだろう。
ゴルゴンゾーラ大王あるいは草の冠
美神の通過
娼婦たち、人魚でいっぱいの海
美しい背中のアタランテ
マスクとベルガマスク
聖アントワーヌの憂鬱
水源地まで
向日性について
ドロテアの首と銀の皿
影盗みの話
火の発見
アンヌツィアツィオーネ
夜の宮殿の観光、女王との謁見つき
夜の宮殿と輝くまひるの塔
紫禁城の後宮で、ひとりの女が -
この人の不思議な世界観が大好きです。
カエルの王国や影の王国。
女神を見るため砂漠へ出向く乙女達。
個人的には『ラピスラズリ』の落穂拾いのようなお話しがあったので嬉しかった。寒くなるとついつい冬寝室を思い描く。
『遠近法』も好きなので『火の発見』も面白かったです。 -
山尾悠子の描く世界は明確な説明など一切放擲しているにも関わらず、流れる空気の重さや眼下に広がる光景が湛然たるイメージをもって刻印してくる。ここにしたためられたいくつもの掌編それぞれが、まるで宝石をかざして映し見る残像のように静かに燦く。この宝石箱をときどき開けては一粒ずつ眺め愛でることだろう。静謐で作為ある造本も美しい。
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奇怪な情景をいかにもっともらしく描くか。そしてその情景がどれだけ有り得なくて、しかも美しいか。私たちを異世界へ連れて行ってくれるか。著者の世界に入りきれたとは言えないが、まずまず楽しむことはできた。最初の3編がよかった。
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『ゴルゴンゾーラ大王或いは草の冠』、『水源地まで』が特に好き。
山尾悠子の、過剰に装飾された文章よりも、どちらかといえば簡潔なものの方が好きという方には、この歪み真珠はオススメ。
『水源地まで』は読者になんの説明もなく話が淡々と進んでいくが、何回読んでも飽きさせない不思議な魅力がある。水源地の穴。 -
ステキ!!!
もっとこの世界観に浸りたい
著者プロフィール
山尾悠子の作品
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