瞼の母 (長谷川伸傑作選)

著者 :
  • 国書刊行会
3.80
  • (1)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336050236

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 長谷川伸 「瞼の母」「一本刀土俵入」「沓掛時次郎」など 無法者の義理人情を描いた大衆演劇の戯曲集。


    人生の道を誤っても、義理人情さえあれば、最後は報われるという人間観に基づき書かれている。この人間観は「男はつらいよ」の寅さんへ繋がっているように思う


    物語は 無法者の人生の悲哀と一宿一飯の恩義は必ず返す義理人情によって成立している


    瞼の母に挿入された船頭歌が アウトローの悲哀を物語る「春は世に出る、草木もあるに、わたしゃ枯れ野のきりぎりす〜降ろうが照ろうが、風吹くままよ、東行こうと、西行こうと」




    瞼の母
    思い出の母としか生きられない無法者の人生の悲哀

    「母を尋ねあてたとき、向こうに迷惑をかけない、ひとりで世の中を渡って行ける人間になっていることが必要だ」

    一本刀土俵入
    一宿一飯の恩義は 必ず返す

    「思い出されないのは、かえって仕合わせでござんす、あ奴かとわかっては面目ねえ」

    沓掛時次郎
    アウトローなヒーロー〜西部劇「シェーン」に近い

  • 「日本人のメンタリティを知る教科書です。」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=072633

  • 吉野、足利などを舞台とした作品です。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1884年、神奈川県横浜市生まれ。1963年、没。小学校を中退後、様々な職を転々とし、20歳の時に横浜新聞社に入社、その後都新聞社に転じ記者のかたわら創作を開始する。1928年に発表した「沓掛時次郎」が話題となり、いわゆる〈股旅〉ものの流行作家となる。代表作「瞼の母」「一本刀俵入」は今に至るまで繰り返し上演・映画化されている。著書に『荒木又右衛門』『日本捕虜志』など多数。

「2018年 『日本敵討ち集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長谷川伸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×