ネクロフィリア

制作 : 野呂 康+安井 亜希子 
  • 国書刊行会 (2009年5月22日発売)
4.23
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  • 本棚登録 :158
  • レビュー :20
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336051097

作品紹介

サドから、バタイユ、ジュネ、マンディアルグの系譜に連なるフランス・エロティシズム文学の秘められた傑作、20世紀最後の禁断の書物。衝撃の"黒い文学"。

ネクロフィリアの感想・レビュー・書評

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  • 死体とセックスすることに淡々と勤しむ主人公に激しく興奮する。
    フランスのお耽美な世界を堪能できる一方で、
    日記としての記述はまるでレポートを読むような気分。
    嗅覚や触覚を刺激してくる生々しさと、無感情で距離を感じる思考回路のバランスがたまらない。

    挿絵や装丁も含めて本当に綺麗な一冊。
    何がなんでも手元に残したくなること間違い無し。

  • 題名も、題材も、冒頭の一行目も、何一つ私の好みに引っかからないのに、何となく気になって手に取ってしまう作品に出会うことが時々あります。
    本作がまさにそれでした。

    読んでる最中ただただ不快を感じるようなテーマの筈なのに、何となく仄暗い疼きを掻き立てられるこの感触は何と呼ぶのでしょう。痒いところを掻いても掻いても収まらないあの感じに近いかな。

  • ほーっと溜息。物言わぬ死者達に纏わる静謐。触れれば触れる程に夢のようにほろほろと崩れゆく身体。贈り物の包み紙を解く様に、秘密の園へと分け入る様に、甘い陶酔に身体ごと浸っていれば、いつしか麝香や蚕の薫りも強烈な腐臭になってゆく。それでも抗えない、束の間の静寂の美。青年の日記に綴られる、死せる恋人達との誰も知らない甘美な日々。儚い夢の後、死者達は羊水のような河を漂い、海の生物達に愛され食され、循環していったのだろうか。甘い腐液を養分に育つ、妖しい花のような青年の恍惚ももはや爛熟。やがて根腐れ、崩れゆくだろう。

  • 他の性的偏向については、おおよそ想像力の及ぶ範疇にあると思うのだが、ネクロフィリアとなると、もはやその限界の外に存在すると言わざるを得ない。しかも、本書で初めて知ったのだが(あるいは、それはこの小説の主人公リュシアンの特殊性なのかも知れないが)、死体愛好者たる彼には老若男女の区別がないことに、あらためて驚く。しかも、発覚するという怖れは持っても、腐乱を恐れないというのは、さらなる驚きだ。カイコ蛾の芳しい死の香と、体温を喪失した死者の身体―生々しいリアリティに満ちた現代ゴシック小説というべきか。

  • 屍体愛好家の独白を日記風に落とし込んで描かれる。
    フランス発祥のこの本は、まるで黒くて少々粘性を持つ液体のたゆたうような趣を感じさせる。
    猟奇的なものではなく、至って純粋な屍体への愛を綴っている。

  • おどろおどろしい内容ではあるが手記が冷静であるため静謐な印象。
    母の死(の瞬間の射精)への固着によって性を決定づけられた古物商が、夜な夜な、死体を漁り愛し捨てる。それだけ。
    (人形愛へも一脈通ずるものがある。)
    愛した死体の思い出ばかり。

    それにしても美しい装丁。

  • 飛ばし読み

  • 僕にとっては、この上なく甘美な時間を貰えた本。
    日記なのだけれど、死体を愛していることが伝わってきて、溜め息が出る。
    淡々と書いているので、彼の感情の起伏などは感じられないのだが、沁みるような愛情を感じる。
    真っ黒な姿も魅力的な本。

  • 内容は
    ネクロフィリアの男の日記調。
    墓から屍体を掘り起こしては
    自分の部屋に連れ帰り、愛でる。
    腐敗がどうしようもなくなってきたら
    川に流してお別れする。
    文字も大きめ、行数少なめで読みやすい。

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