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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784336054104
作品紹介・あらすじ
1923年初刊以来、アメリカの若き芸術家のあいだで熱狂的に読み継がれてきた芸術指南書のロングセラー、その名も『アート・スピリット』。 デイヴィッド・リンチやキース・へリングも影響を受けた名著を詳細な解説(滝本誠)と共に本邦初訳でお届けする。著者のロバート・ヘンライ(1865~1929)は、20世紀初頭のアメリカ・モダニズムアートシーンで活躍した画家。彼は長年美術学校で教鞭をとり、その講義録が本書と元となっている。日本ではもちろん、アメリカでも知名度の低い画家の講義録がなぜ80数年にもわたって現役の芸術書として読み継がれているのか? その秘密は一読して分かる……つまり本書は「美術家志望の若者にとって体中を電気が走るような体験をもたらす書物」であり、「冷静ではいられなくなるような、親身なアジテーションの書」だからだ。「画家本人が自分のアート観、現場での実践的な教えなどを披歴した書物は少なくないが、美術書としてだけでなく、青春の書、人生の書として読み継がれてきたものはほとんどない。当の書き手の画家としての名声がほとんど沈んで以降も書物は残った。そうした意味で『アート・スピリット』は例のない稀有な存在感を示す」(以上カッコ内は解説[滝本誠]より) 今までなぜか邦訳されていなかった<幻の名著>だが、必ずや日本の若き芸術家たちの魂に響く言葉があるにちがいない。
感想・レビュー・書評
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ヘンライ先生白熱教室。
著者はアメリカ19~20世紀の画家、教師。
多くの有名アーチストに影響を与え、アメリカでは今だに読み続けられているバイブルのような本らしい。
内容は具象絵画に関してではあるが、とても具体的、かつ本質的。今でも通用することが多い。
伝えたいことを持っているかどうか、それを表現するための画面構成が重要であることを繰り返し述べているのが印象的。
また、自分自身の表現を徹底して追求せよとも。
アートを学ぼうと思う人にはおススメ。
先生が叱咤激励してくれる。
ただ、このようにな勉強をすれば、アートで食べていけるようになるという話ではなく、先生自身が副業を勧めているのにちょっと笑えた。
彼が今生きていたら、現在のアートの流れをどう思うだろう?案外面白がるかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デイビッドリンチの本「大きい魚をつかまえよう」にこの本が出てきて、とても影響を受けたとのことで読んだ。
本人が書いた本ではなく、授業を受けていた生徒とかが書き留めていた彼の言葉集
なので、具体的に「色彩とは〜」「背景とは〜」と話している時もあるし、一文だけの名言のようなのが並べてあるところもある。
「あらゆる人間の中に芸術家がいる」ことがもっと広まるべきである/よき絵は良い人生からとれる果実のようなものである/画家が感じ、思っていることは何らかの形で絵筆にあらわれる。世界の何者もそれを妨げられない/独創性は絶対にあるものであり、むしろ振り払おうと思ってもできない/芸術の源流や動機は個人の思想
⇧のような彼の思想はとても励まされるし、とても共感する。
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すごく読み応えのある良著でした。何度も読み返していきたい本です。
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およそ100年前の人が書いたものだが、現代でも通じる問題提起。
教育のこと、アートへの向き合い方。
ところどころ詩のように感じる文体もあり、読んでいて心地よい。 -
美術の先生からの手紙
原著は90年前です。
「社会的に評価される成功は、人が十分に生き、たっぷりと遊び、自らの能力を十分に発揮したことから必然的に導かれるものである」
いかにアイデアが降りてくる状態を作るか、芸術家としてどのように生きるべきかが語られています。
専門的な絵画の話もありますが、美術以外の分野の人にも、とても有意義な本です。 -
なぜ一世紀近くも翻訳されなかったのか。ヘンライ氏の文章はまるで読む絵画である。「自分らしさにおいては誰もが巨匠」と説き、表現への情熱が芸術を生む。塊(マッス)という構図において形体や線、色すべては表現欲求を満たすために疎かにされるものではないと力強く語りかける。
プレゼンの参考のために読んだが、技術を身に付けると表現が巧くなるのではなく、表現したいものがあるからこそ技術を習得するのだ、という言葉はなるほどと思わされた。当たり前だが忘れがちなのはソフトを使いこなしても本当に伝えたいものでなければ何の意味もないということ。
なお本書はヘンライ氏の手紙や講義を集めたもので、全体を通して多少散漫な感を受けてしまうのが惜しい。 -
美術家を志す人の為の自己啓発本。
すごい、すごいです。私が美術大学浪人時代1年悩み続けた絵画と私のありかたの問題とその答えが、本書では最初の方のほんの数行でまとめられてたりしました。
もっと早く出会いたかったですが当時の私が本書の言いたいことをどれだけ理解できたかは難しいと思ったり。
あとがきの話の中にデヴィット・リンチのことが少しだけ入っててそれだけでも一人で大喜びしてしまいました。
少しでも巨匠と同じものに触れたい気持ちでしょうね。 -
パンチラインのツルベ打ち。
美術の本だけど、もっと普遍的な見方をすれば
今でも十分通用する。下手な自己啓発よりも濃厚。 -
絵画を描くにあたっての、方法や技術を導入として、
絵画という表現を、
いかにしてモデルやモチーフを目で見てとり、
いかにして表現すべき線や球体や色彩を駆使して、
いかにして自分という媒体を通じて表現するのか、
技術はもとより、自分の魂や本性さえも
表現の手段や前提であると気付かされた。
自分の起こす表現や、そもそもの生き方や
常日頃の考え方に、何かしらのきっかけが必ず見つかると思う。
美術や芸術を志す人だけでなく、あらゆる人に読んでほしい。 -
たくさんのアーティストを育てたというロバート・ヘンライの言葉を集めた本。本を読むとき心に響いた箇所に付箋を貼り、あとで書きとめたりしているのだが、今回は早々に断念した。付箋を貼る箇所が多すぎる。
力強い数々の言葉は揺れ動いている若い魂の栄養となり、そのあとの人生をずっと支え続けた事だろう。
この人から直接教えを受けられた人々は幸運だと思う。けれどこの世には本というものがあり、見ぬ世の人を師とすることも出来るのだ。まことにありがたい。 -
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アメリカのアート学生のバイブルとされる本だが、絵画についての構図と構成の重要性、「部分は構成の一部として捉えるべき」といったアドバイスは、アート以外の自分の仕事にも当てはまりそうで興味深く読んだ。
長らく名著とされているが、それだけメッセージの熱さに普遍的に刺さるものがあるということだろう。
シンプルな装丁も素晴らしく、まさしく書棚に飾っておきたい1冊。 -
「美術館のある国が、すなわち芸術的な国というわけではない。だが、芸術の魂があれば、美術館には貴重な作品があふれるだろう。さらによいのは、創作の喜びが生まれることだ。芸術は均衡、秩序、相対的な価値観、成長の法則、簡潔な生活に向かおうとする──それは関係するすべての人びとにとって幸せなことである。 芸術を学ぼうとする人びとの苦労は並大抵のものではない。それに向きあう勇気とスタミナをもつ人はめったにいない。いろいろな意味で、孤立することを覚悟しなければいけない。人は共感を求め、仲間をほしがるものである。一人でいるよりも、仲間といるほうがずっと楽だ。だが、一人になって初めて、人は自分をよく知り、成長できる。大勢に囲まれていたら、成長が止まってしまう。これには犠牲がともなう。成功を手に入れたとしても、人は生涯その成功を楽しむと同時に、何かを失わなければならないのかもしれない。」
—『アート・スピリット』ロバート・ヘンライ著
「われわれがここにいるのは、誰かがすでになしとげたことをなぞるためではない。 私は自分の知識をきみたちに伝授しようとは思わない。むしろ、きみたちのほうが知っていることをぜひ私に話したいという気持ちになってほしい。私の仕事場で心がけるのは、環境をなるべく改善することだけだ。 ルネサンスの巨匠たちの技術を学びなさい。彼らの絵がどのようにしてできているのかを知ること。ただし、彼らが築いた伝統に囚われてはいけない。それらの慣習は、彼らにとっては正しかったし、巨匠たちはたしかにすばらしい。彼らは自分なりの表現法を生みだした。きみたちにも自分だけの表現がある。巨匠たちは手助けしてくれる。過去のすべてが手がかりになるだろう。 芸術を学ぶ者は最初から巨匠であるべきだ。つまり、自分らしくあるという点で誰よりも抜きんでていなければならない。いま現在、自分らしさを保っていられれば、将来かならず巨匠になれるだろう。」
—『アート・スピリット』ロバート・ヘンライ著
「拒絶を恐れるな。すぐれたものをもつ人間はみな拒絶を通過してきた。作品がすぐに「歓迎」されなくても気にしないことだ。作品がすぐれているほど、あるいは個性的なほど、世間には受け入れられないものである。ただし、このことは覚えておいてほしい。絵を描く目的は、展覧会に出すことだけではない。作品が展覧会場に並ぶのは歓迎すべきことではあるが、絵を描くのは自分自身のためであって審査員のためではない。私は何年も拒絶されつづけた。 大傑作をめざせ! よくできた風景画を描いたりするな。きみ自身が興味を引かれた風景をキャンバスに描きだせ──それを目にしたときの自分の快感を描くのだ。頭を使え。 きれいな色彩、快い色調、バランスのとれた形体で風景を描ける人びとは大勢いる。そのすべてが、大胆かつ知的な筆さばきで表現されている。 クールベの作品はどれも、彼の人間性をあらわしている。彼がどんな頭脳とどんな心をもっていたかが読みとれる。」
—『アート・スピリット』ロバート・ヘンライ著
「まず手がかりとなるのは、強い印象である。モデルを前にして、心の底からわきあがる興味、そして深く感じとれるもの。筆をおくまで、その印象を保たなければいけない。それ以外のことに目を向ける必要はない。気をそらせてはいけない。モデルの特徴も、それにふさわしいものだけを抽出する。そうすれば生き生きとした作品になるだろう。絵画を構成する要素はすべて、一つのアイデアを伝え、感情を表現するものであるべきだ。絵画のあらゆる要素は美しくなければいけない。個々の要素が全体のなかにしっくり収まってこそ、部分が生命をもつからだ。それによって、生きた線、生きた形体、生きた色彩が生まれる。部分の正しい関係性を把握することによってのみ、自由が得られる。」
—『アート・スピリット』ロバート・ヘンライ著
「他の部分との関連性なしに目鼻立ちを描いてはいけない。顔の造作を描くにあたっては、関連性がなにより大切だ。目鼻立ちを描く線は、体の動きと連動する。素描でも油彩画でも、髪の毛を描くときは、この動きの関連性がなによりも肝心である。髪はそれだけでも美しいものだ。それを忘れないでほしい。だが、そのことは肖像画を描くにあたって、重視すべき問題ではない。髪は、頭部の──あるいは脳の──優美さと高貴さを描きだすためにある。髪の毛にあたる光は、構図を強調するものでなければいけない。動きを視覚化し、強調し、持続するのだ。顔をとりまく髪の毛の輪郭は、額やこめかみを表現するための要素である。それと同時に、肩や体全体の動きを伝えるものでもある。髪の表現は、素描の一種と見なすべきである。髪の毛らしく描かなければいけないが、実物を模倣するだけではだめだ。これについては、よく考えてほしい。とても大事なことだからだ。」
—『アート・スピリット』ロバート・ヘンライ著
「物の関連性を正しく読みとれれば、それらを使ってどんなことでもできる。物を使って画面を構築しながら、物自体を損なわずにすむ。それができれば、個々の品物は意味を強めながら、おたがいの絆が結ばれる。 美術の勉強とは、物体の関係性に含まれた価値を学ぶことである。美術作品における関係性の価値を正しく理解できなければ、その作品を構成する要素もわからない。不安定な美術作品と同じく、正しい価値判断ができないときに不安定な政府が生まれる。 人の顔や風景を見るとき、最も大切な印象はほんの一瞬で消えてしまう。作品は記憶から生まれるものだ。記憶とはその大切な一瞬をよみがえらせることである。その記憶がつづくあいだ、視界にあったさまざまな要素は関連性を保っている。だが、その関連性は持続しない。気分が移り変わるにつれて、多かれ少なかれ、新しい配置がそれにとってかわる。その特別な秩序を記憶のなかで保たなければいけない──その特別な見方、その表現である秩序そのもの。記憶はそれを保たなければいけない。そこから先の、モデルをもとになされるすべての作業は、もはやデータ収集でしかない。モデルの気分はすでに変わっている。すでに新たな関連性ができあがっている。見ているほうは混乱するかもしれない。画家は自分の特別な見方を記憶として保たなければいけない。ところが、「対象」はいまやすっかり自分らしさを失い、味気ないマネキンでしかない。絵画は、さまざまな気分を適当につぎはぎしたパッチワークになってはいけない。最初の強い印象を保つことが大事だ。」
—『アート・スピリット』ロバート・ヘンライ著
「絵のなかには、すばらしい技術を発揮しながら、自然界に存在するちぐはぐな表現から借りた要素をまとめただけのものがある。そんな作品の見本はさまざまな流派からいくつもあげることができるし、有名な作品のなかにもあるが、多様なコンセプトをつぎはぎしただけ──関連性のない複数の要素を、手際よく組み合わせただけ──の作品には、生命のうねりがない。真の有機的構造の特徴である一体感がない。 作品に有機的構造を与えたいと思うなら、創作意欲の源になった発想をしっかりと持続し、作品のあらゆる細部に至るまで、その有機的な構造を確実かつ偽りのないものにできるよう保っておかなければならない。」
—『アート・スピリット』ロバート・ヘンライ著
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私は、アートのこころがないからなのか?流し読みになってしまった。
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畢竟するに表現者にとっての表現はそれ以上の意味を持つ。つまるところレーゾン(デ)ゲートルではないか?滝本誠氏の解説は筆力強めで必読。
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背ラベル:704-ヘ
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人生とは芸術だ
芸術とは意志だ -
美術
これを読む -
共感できる。逆に共感しかなくて新しい発見はなかった。20代で読んでいたら感銘を受けたかもしれない。
これを読んでから美学や哲学や科学の本を読むとよりモチベーションが高まりそう。 -
自分と語り合い、自分がより求めるものを明らかにする自己教育の古典。20世紀初頭にNYで高名だった美術教育者のクリエイティブに生き続ける姿勢を説く。
著者プロフィール
野中邦子の作品
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