曹操墓の真相

  • 科学出版社東京 (2011年9月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784336054173

作品紹介・あらすじ

2009年12月、曹操の墓が発見されたとの知らせが世界を驚かせた。
そしてその後に巻き起こった真偽論争――。

河南省文物局考古隊による発掘の詳細な経緯、盗掘者との闘い、60歳代男性の頭骨や「魏武王」の文字が刻まれた副葬品の発見など、魅力的なエピソードと、カラーを含む多数の墓室内写真、出土品の写真を交えながら「世紀の発見」の謎に迫り、中国でベストセラーとなった考古学ドキュメンタリーの傑作、ついに邦訳。

感想・レビュー・書評

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  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90245352

  • 西高穴2号墓は曹操の墓だと断定したけど、日本側の監修の渡邉義浩氏は夏侯惇の墓かもしれないという。まだ1号墓の発掘は終わってないのでどうなることやら。

  • 奸賊の代表のように考えられてきた曹操。2007年にその墓が発見されたとして騒がれたが、事実なのか、考古学的に、そして当時の文献から検証していく。魏王として死去し、諡号として「武帝」が追尊されたことが、強力なヒントになるようだ。曹操が地味な埋葬を希望し、金・玉を副葬することを曹丕に対して禁じたということは好感が持てる。発見された60歳代の男性の頭蓋骨が曹操その人であることを論証する筆は説得力がある。そして副葬された2人の女性の謎の追究も興味深いところ。それにしても盗掘者の存在は疎ましい。しかもそれが昔起こったのではなく、ごく近年に起こったとのこと。何とかならなかったのか!
    後半は三国志演義などで曹操がなぜ奸賊にされてしまったかを、南北朝時代の文献などから振り返る。毛沢東でなくともその名誉回復が図られて欲しい。人材登用、国家の管理システムの導入、寛容な心での敵の受け入れなど、非常に優れた人物であったようなのだ。

  • 発見の報から大分たって、そういえばどうなったかなと思った矢先に本を見つけたので読んでみた。

    墓の発見のきっかけから発掘調査に至る経緯、発掘が始まってからの発見からの墓主の推察と、曹操の墓であると認定されるまでのことが遺跡や出土物の写真や図入りで解説されているので、大変わかりやすく読める。

    解説でも触れられているけれども、曹操以外の墓である可能性の否定、という部分で少しひっかかる部分もあり、いまだ遺跡の半分までしか調査が終わっていないことを考えると、全体像が見えるまで最終的な判断はまだ少し先になりそうではある。

  • 中国は安陽で発見された曹操の墓と目される西高穴二号墓に関する2011年時点での整理。一章では発見から発掘までを追い、二章からは出土した文物、現存する書物から曹操の墓であるという推論を進める。
    専門用語はあるものの比較的さらっと読めた。推論の不備不足については訳者あとがきにもあるように今後の調査を待ちたいと思う。

  • 中国・三国時代の英雄として知られる曹操の墓の発見にともなう書。テーマとして面白かったので購入して読みました。2600円と高価なだけあり、前半はカラーページだが、残念ながら写真点数は少なく、中国河南省文物考古研究所・編著ということもあり、なかなか日本の初心者には分かりにくいところも豊富でした。

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