どろろ (手塚治虫トレジャー・ボックス)

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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784336054753

作品紹介・あらすじ

手塚マンガの中でも絶大な人気を誇る3作のオリジナル版を美麗函に入れて完全復刻。最終回配本は異色時代劇〈どろろ〉だ!

感想・レビュー・書評

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  • 父の野望と引き換えに48の魔神達に体の48ケ所を奪われそれを取り戻す為妖怪退治の旅を続ける百鬼丸と大盗賊の忘れ形見どろろの物語。

    両腕に仕込まれた刀、足から発射される焼水と物語もさる事ながらこの百鬼丸の体のからくりというかギミックがカッコ良くて一気にこの作品のトリコになってしまった。

    手塚漫画のメジャー系作品でベスト3を選べと言われたら自分はマグマ大使、バンパイヤ、そしてこの どろろを迷う事なく選ぶ。(因みにマイナー系ならナンバー7、白いパイロット、サンダーマスク)

    「どろろ草子縁起絵巻」という本で原作は少年サンデー版と冒険王版の2タイプがあり単行本はその2つを合わせたリミックス版である事を知りオリジナルを読んでみたいと思い続け、ようやく今回のトレジャーボックスシリーズで願いが叶った。(実は何年か前にファンの手による自費出版のやつを目にした事はあるんだけど)

    違いとしては冒険王版にはどろろは百鬼丸の奪われた48ヶ所の部位で作られておりどろろを斬れば一気に体を取り戻せるという設定が付け加えられた。
    設定だけをみればこれはもう冒険王版の方が凝っているのだが単行本ではサンデー版をベースにしている為冒険王版の設定はオミットされている。
    作中で気絶したどろろを目の前にして一度は斬ろうとしながらも出来ず思い悩む百鬼丸のシーンがあるだけに正直オミットは勿体ないとは思うのだが、冒険王版はテレビアニメ放映に合わせての連載で第1話はサンデー版の再編集(一部加筆有り)となっているので設定よりもストーリー性を重視してサンデー版をベースにしたのだろう。

    ストーリー性ではサンデー版。
    設定では冒険王版。
    とそれぞれが特色を持っている「どろろ」ではあるが作品の完成度で言うと実はどちらもそれほど高いとはいえない。
    当時は妖怪ブームでそれに合わせて手塚治虫が執筆を始めたらしいが内容の暗さにそれほど人気が得られずサンデー版は「無情岬の巻」で冒険王版はアニメ終了に合わせて打ち切りになっており、どちらも中途半端なイメージは拭えない。
    そういった意味では、不必要と判断されカットされたシーン、それに伴うセリフの変更があるにしろ48体の魔神像がどうなったか(百鬼丸は体を取り戻せたか)を示すラストの描き下ろし(1P)がある分、単行本の方が完成度は高いといえるかも知れない。(ストーリーの流れもスムーズだし)

    後、読んで気になったのは「無惨帳の巻」で百鬼丸は左目を取り戻すのだが「ばんもんの巻」では右目は本物で左目は入れ目と言ったり(サンデー版)
    48体の魔神もしくは(体の)48ヵ所が46になってたり(冒険王版)とストーリー・設定に関する誤植がある事。
    又サンデー版の扉の殆どが「どろろ」と大きく書いてあるだけだったり(たまにどろろ本人が小さく描かれてたりするが)
    両誌共通で明らかにペンタッチがアシスタントの井上智の物がある事。
    でもそれは手塚治虫が手を抜いてた訳ではなく多忙だった為そこまで手が回らなかった(チェック出来なかった)って事なんだろうけど、こうした所も読めるってのもトレジャーボックスシリーズの魅力の一つ。
    このシリーズが無かったらサンデー版・冒険王版2つの「どろろ」は読める事など出来たどうか。

    \18900とかなり高額ではあるけど手塚ファン…というより「どろろ」ファンなら買って損はない筈。
    サンデーコミックス版と読み比べてみるのもいいかも。

    尚、手塚作品の「鉄の旋律」の主人公、両手を失い念動力で動く鉄の義手を持ったダン・タクヤと手足、内臓が肉体の無い状態で生まれ、ブラックジャックによって肉体を与えられたピノコの2人は間違いなく百鬼丸の設定のアレンジと思える。
    百鬼丸自身も何度かブラックジャックに登場しているし実は手塚治虫は百鬼丸がお気に入りだったんじゃないだろうか?
    だとすれば、やはりキチンとした形で百鬼丸が体を全て取り戻すのを描いて欲しかった。
    でも、それは叶わぬ夢なんだよな……

  • かつて柴咲コウちゃんが「どろろ」を演じた実写版がヒドすぎたのです。
    安っぽいCGに当時の日本映画の限界を見たのだ。
    ついでに言うと、コウちゃんがかなりヒドかったってのもある。

    また、相方の百鬼丸役がコウちゃんと色々あった妻夫木聡くんで、おそらくそのあたりの事情で実写版の続編の話がいつの間にやら消えていて、余計「なんだかな~…」って感じだったのです。

    なので、映画で面白くないだろうと勝手に決めつけて原作を読まずにいたのですが、原作はかなり面白かった!
    作られた時代を考慮してではあるけれども、原作にはとても味がありました。
    手塚作品で一番好きな世界観かも?!

    ただ、原作は途中で打ち切りのようだったのが残念でした。
    もっとこの世界観を見たかったな。
    百鬼丸がカラダをすべて妖怪から取り戻すところや、女の子であるどろろとの関係、自分を犠牲にした父親との関係、最後まで見たかったです。

    このシリーズは、本の大きさから、次回予告から、しっかりと当時の連載のイメージを感じさせてくれたので、それも貴重でした。
    ふろくもちゃんとついています♪

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著者プロフィール

手塚治虫(てづか おさむ)
1928年11月3日 - 1989年2月9日
大阪府生まれ、兵庫県宝塚市出身の漫画家、アニメーター、アニメーション監督。その功績から、「漫画の神様」とも評された。1946年デビュー以後、漫画を表現とストーリーでもって魅力的な媒体に仕立てる。『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『どろろ』『ブラック・ジャック』『アドルフに告ぐ』など、世に知られる多くの代表作があり、アニメ化・実写化された作品も数知れない。

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