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本 ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784336055279

作品紹介・あらすじ

バベルの図書館シリーズ、アメリカ編。ホーソーン、ポー、ロンドン、ジェイムズ、メルヴィル収録。アメリカ発の幻想物語20編。

感想・レビュー・書評

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  • 遂に始めました。バベルの図書館シリーズ
    第一弾はアメリカ編。
    どの作者、作品、もれなく面白い。いかにもボルヘスが好きそうなオチと硬い男っぽい?文体と構成。
    場面や人物の描写がシンプルなのに的確に描写されている作品ばかりで、短編だけどひとつ読みおわるごとに満足感もある。
    特にPOEの作品が好きだったかな。
    それぞれの作者、作品のイメージが読者に明確になるように(わざとかどうかは分からんけど)、選ばれているのも助かる。POEとジャックロンドン以外は読んだことない作者やったけど、なんとなくイメージが湧いた。
    ジワジワくる恐怖や心理くすぐられるので、スラスラと読める作品たちではない。なので、短編ってとこがほんまに助かる。これ長編なら途中でわたし、疲れてしまいそう。
    とにかく良い短編集です。かなり前の作品ばかりだけど全く色褪せてない。

  • アメリカ編。一日に一編、じっくり咀嚼し味わいながら読んだ。ポー以外は初読の作家である。本の重さは内容に比例、重厚であればあるほど似つかわしい。がむしゃらにページを捲るような書物ではない。ホーソン、ポー、ロンドン、ヘンリー・ジェイムズ、メルヴィル、それぞれ多様でありながらどれもが厳かで崇高な孤独に打ち拉がれた。密やかに、そしてずっしりと。早くも次のイギリス編に心が騒ぐ。

  • 絶版のバベルの図書館シリーズが全6巻で復刊。
    本屋で確認したんだがかなり分厚いです。
    作家ごとの版の何冊かは入手不能だったので興味はあるんだけど、さすがに重複しちゃうから集められないな。一応登録だけ。
    作家ごとの版は、形・手触り・内容にあった表紙と装丁が魅力的なんですが、こちらはまとめて同じ表紙なのが残念。

  • 世界の古典が気軽に楽しめる、奇妙な話を集めたアンソロジー、アメリカ編。

  • ナサニエル・ホーソーンの『人面の大岩』のみ読了。ボルヘスの解説の通り、カフカ的寓話世界。

  •  現代文学の巨匠J.L.ボルヘスが編集・序文を付した『バベルの図書館(全30巻)』を合本にし、全6巻で新たに発刊。
     第1巻の本書は、アメリカ編で全20編が所収。
     このように国別で纏められているので、そういう意味では大変読みやすい。

     が、個人的に、やはり惜しむらくは、その装幀。
     『バベルの図書館』は、A4変形型のイタリア・オリジナル装幀で発行。あのおどろおどろしくもあり美しくもあった、一種奇異なる独創性が、当時十代前半であった私には、抗いがたい大変な魅力であったのだが…。

  • かのボルヘスが編集した文学全集。この新編では国別全6巻になっている。
    収録されているのはほとんど短編。肩肘はらず、寝る前に1つずつ読んで…なんて贅沢な読書ができるのが良い。

  • 未読了。別にこれで読まなくても良い気がするけど、装丁はなによりかっこいい。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、2階開架 請求記号:908.3//B65//1

  • かつては作家別の分冊という形式で同出版社から刊行された「バベルの図書館」シリーズを、数人の作家を出身国別にまとめたものである。新編を名乗ると同時に、以前はペイパーバックの体裁であったものが、上質の紙に余白を充分とった角背ハードカバー、函入りの堅牢な造本となり、書架に蔵するに足る体裁となったのは何よりである。

    一冊にまとめるにあたり紙数の制限もあって、どの作家も短篇が多くなるのは当然のことだが、そこには編者の好みがはたらいていることは否めない。しかし、そこはボルヘス、作家、作品を選ぶ鑑識眼はたしかなものだ。厖大な書庫の中から、有名無名を問わず、これといった名品、佳篇を取り揃えてくれている。

    何よりうれしいことには一人ひとりの作家について付された序文が簡潔でいて要を得ていることだ。一つの作品につき一行足らずでその本質をつく妙技にはうならされる。序文を読んでから作品に触れると、その作品のどこが評価されるべきかが今更ながらあらためて理解できる。

    幽霊譚はもとより、異次元旅行、夢のお告げ、怪談、奇譚に事欠かないが、単なるホラー、怪奇譚のアンソロジーとは趣きを異にする。ボルヘス偏愛の作家、作品を厳選したものである。同じ分身を主題にしたものであっても、料理する作家が異なれば自ずとちがった味わいに仕上がるのも道理。世界中から集められた珍味佳肴の饗宴。その風味をじっくりと味わいたいものである。

    第一巻はアメリカ編、ホーソーン、ポー、ロンドン、ジェイムズ、メルヴィルを収める。ポーなどは、「盗まれた手紙」や「群集の人」といった代表作が数篇採られているが、メルヴィルからは「代書人バートルビー」一篇が選ばれている。昨今エンリーケ・ビラ=マタスの『バートルビーと仲間たち』が世評に上り、注目を集めているが、メルヴィルが『白鯨』だけの作家でないことを知るだけでもこの一巻を手にとる値打ちがあるというもの。

    続刊として、イギリス編1・2、フランス編、ドイツ・イタリア・スペイン・ロシア編、ラテンアメリカ・中国・アラビア編の全六巻構成である。高尚な文学理論など振りかざすことなく、読書の愉しみを味わい尽くすことだけを考えたような編集方針である。現代においても一向に古びることのない奇想の数々、是非手にとって思うさま堪能されたい。

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著者プロフィール

1899年ブエノスアイレスに生まれる。教養豊かな家庭に育ち、年少よりヨーロッパ諸国を移り住んだ。六歳の頃から早くも作家を志望し、驚くべき早熟ぶりを示す。アルゼンチンに帰国後、精力的な文学活動を開始。一九六一年国際出版社賞を受賞。その後、著作は全世界で翻訳されている。20世紀を代表する作家の一人。
驚異的な博識に裏打ちされた、迷宮・鏡・円環といったテーマをめぐって展開されるその幻想的な文学世界は、日本でも多くの愛読者を持ち、全作品のほとんどが翻訳出版されている。一九八六年スイスにて死去。
小説に『伝奇集』『ブロディーの報告書』『創造者』『汚辱の世界史』(以上岩波書店)『エル・アレフ』(平凡社)『砂の本』(集英社)、評論に『続審問』『七つの夜』(以上岩波書店)『エバリスト・カリエゴ』『論議』『ボルヘスのイギリス文学史』『ボルヘスの北アメリカ文学史』『ボルヘスの「神曲」講義』(以上国書刊行会)『永遠の歴史』(筑摩書房)、詩に『永遠の薔薇・鉄の貨幣』(国書刊行会)『ブエノスアイレスの熱狂』(水声社)、アンソロジーに『夢の本』(国書刊行会)『天国・地獄百科』(水声社)などがある。

「2021年 『記憶の図書館 ボルヘス対話集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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