悪の誘惑

  • 国書刊行会 (2012年8月24日発売)
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感想 : 3
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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336055354

作品紹介・あらすじ

カフカやブランショの先駆をなすとも評価される最も優れたゴシック小説のひとつ。宗教的狂言、兄弟の憎悪劇、分身などを主題として人間の悪魔性を真正面から描き出した幻の傑作。見事な幻想譚をも収録したこの忘れられたスコットランドの畸人作家の初紹介。

感想・レビュー・書評

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  • めまいがするほどの傑作。
    第二部の手記の、ページをめくるごとに狂気が増してくる感じ、善と悪の境がぼやけて宙に浮いたような気持ち悪さ、読んでいたら本当に熱が出てきた。
    人間の存在を主題にしている点で極めて今日的。

  • 後味が悪いを通り越して胸糞悪い(汗)。読んでいてこれほど嫌悪感と気味の悪さから吐き気を催すことは、めったにない。何より、その状態においてなおページをめくらずにいられない吸引力の強さが一番問題だ。
    宗教的な観念の相違がもたらした夫婦の離別と、兄弟間の悲劇は、不気味な影を引きずったまま幕を閉じるのだが、編者が語る「第一部」と当事者が記した「第二部」はそれぞれの目線でしたためられた同一事件であるがゆえに、読者は植えつけられたおぞましい先入観を払拭できないまま第二部を読み終えることになり、待ち構えている「第三部」でさらに立ちくらむはめになる。
    けっこうしんどい思いをするが、おすすめではある。

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