リタ・ヘイワースの背信

制作 : Manuel Puig  内田 吉彦 
  • 国書刊行会
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336055491

作品紹介・あらすじ

1930年代から40年代にかけてのアルゼンチンの田舎町バジェホス。ありあまる倦怠と空虚と貧苦を、もっぱら映画の神話で満たそうとする人々の非情な生。そして映画に憑かれたひとりの少年の孤独。バルガス=リョサらと並ぶラテンアメリカ文学の巨匠が、口語・俗語・卑語を徹底的に駆使しつつ、会話・内的独白・日記・作文・投書・ノート・手紙等のコラージュともいうべき特異な構成によって描き上げた、異色の処女作にして必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • プイグのデビュー作にふさわしく、とても密度が濃い小説でため息が出た。地方の人々のたわいのない細々としたお喋り、思い詰めた気持ち、日常の不満、エゴイズム、欲望、夢がリズムよく語られる。特に女性のパートの部分の的確さリアルさに感心した。無邪気なトートをプイグの分身として読んでいた。しかし誰もが心のうちに背信にあい傷つき悲しみ悩みながら前へ進もうともがいていた。その姿に映画の夢破れたプイグの欠片が散りばめられていて魅了された。

  • 豊崎由美さんが「プイグの『リタ・ヘイワースの背信』、昔の装幀で出し直したのか。わたしは、プイグの中で実はこの処女作が一番好き」と書いていたので読んでみた。パッとしない町の落伍者みたいな人ばかりが出てきて、独白のように一人称で語る。みんな貧乏で挫折だらけでだらしない人生を送っているのに、さりげなく語るささやかな夢や密かな楽しみや愛や信仰がとても美しくて感動した。

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著者プロフィール

1932-1990年。アルゼンチンの作家。ブエノスアイレスの大学を卒業後、イタリアへ留学し、映画監督・脚本家を目指すが挫折。ニューヨークで書きあげた長篇『リタ・ヘイワースの背信』を1968年に出版、帰国後発表した『赤い唇』(69)はベストセラーとなるが、『ブエノスアイレス事件』(73)は発禁処分、極右勢力の脅迫もあってメキシコへ亡命。世界各地を転々としながら、『蜘蛛女のキス』(76)、『天使の恥部』(79)などの話題作を発表。巧妙なプロットと流麗な語り、現代的な主題で幅広い人気を博した。

「2017年 『天使の恥部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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