SFの気恥ずかしさ

  • 国書刊行会 (2022年12月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (444ページ) / ISBN・EAN: 9784336058195

作品紹介・あらすじ

『歌の翼に』『いさましいちびのトースター』の奇才トマス・M・ディッシュのSF評論集、ついに登場!

SFの限界と可能性を論じた名講演「SFの気恥ずかしさ」をはじめ、新世代SF作家を批判してジョージ・R・R・マーティンに反論された伝説的評論「レイバー・デイ・グループ」、書評家として燃やすべき本について舌鋒鋭く語った「聖ブラッドベリ祭」、ディック作品に対する愛にあふれる『偶然世界』序文、そしてエイリアンに誘拐された体験記の書評が奇想天外な展開を見せる「ヴィレッジ・エイリアン」など、技巧とユーモアに満ちた書評・エッセイを集成。『歌の翼に』『アジアの岸辺』で知られるSF作家ディッシュの卓越した批評家としての面を堪能できる傑作SF評論集。〈ディッシュの文章には磨かれた知性があり、ユーモアがある〉若島 正(本書解説より)

*本書で取り上げられている作品(一部)
A・E・ヴァン・ヴォークト『非Aの世界』/ノーマン・スピンラッド『鉄の夢』/ウェルズ『モロー博士の島』/ポー「ベレニス」/ジーン・ウルフ〈新しい太陽の書〉四部作/ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』/バラード「夏の人食い人種たち」/オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』/レイ・ブラッドベリ「黒い観覧車」/アーサー・C・クラーク『楽園の泉』/アーサー・C・クラーク『2010年宇宙の旅』/アイザック・アシモフ『ファウンデーションの彼方へ』/カート・ヴォネガット『ガラパゴスの箱舟』/スティーヴン・キング『恐怖の四季』/スティーヴン・キング『ペット・セマタリー』/フィリップ・K・ディック『ヴァリス』/ルーディ・ラッカー『ホワイト・ライト』/グレゴリイ・ベンフォード『タイムスケープ』/フィリップ・K・ディック『ゴールデン・マン』/ヴォンダ・マッキンタイア「霧と草と砂と」/ロバート・A・ハインライン『フライデイ』/『夜のエンジン』/L・ロン・ハバード『バトルフィールド・アース』/フィリップ・K・ディック『ティモシー・アーチャーの転生』/ジョン・クロウリー『エヂプト』/ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』/ジーン・ウルフ『ジーン・ウルフの記念日の本』/ウィリアム・ギブスン『モナリザ・オーヴァドライヴ』/ウィリアム・ギブスン『ヴァーチャル・ライト』/ウィリアム・ギブスン+ブルース・スターリング『ディファレンス・エンジン』/フィリップ・K・ディック『偶然世界』/フィリップ・K・ディック『最後から二番目の真実』/ホイットリー・ストリーバー『コミュニオン――異星人遭遇全記録』/ピーター・ワシントン『神秘主義への扉――現代オカルティズムはどこから来たか』/ロバート・A・ハインライン『自由未来』/『未知との遭遇』/ホイットリー・ストリーバー『宇宙からの啓示――異星人遭遇記録』/ピーター・アクロイド『原初の光』/ジョン・バース『船乗りサムボディ最後の船旅』/ウィリアム・S・バロウズ『シティーズ・オブ・ザ・レッド・ナイト』

感想・レビュー・書評

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  • SF作家であり、評論家でもあるディッシュの評論を集成した本。自身が持つSF観と、SFに対する愛憎入り混じる感情がさく裂しています。
    表題の評論「SFの気恥ずかしさ」は一番最初に収録されており、様々なSF作品の特徴を論じつつ、SFの”文学性の低さ”なんかについて書かれていました。ディッシュは論じる際に「文体」について意識が向くことが多いようで、しょっちゅう話を文体に持っていくなあと思いつつ、その分析は明晰かつ精細、切れ味鋭い評論となっていて読み応えがあります。
    以降、数多くのSFに関連する評論が収録されており、サイバーパンクについてや、SF映画について、A・E・ヴァン・ヴォークトについてなどなど多方面にわたって切り込んでいきます。そしてだいたいの評論が辛口なのも特徴。おそらくユーモアとアイロニーが著者の持ち味なんでしょうね。忖度なんぞ知らんというようなズバズバとした論調は読んでて胸がすくようでした。ちなみに本書が本国で出版されたのは2005年で、収録されている評論は1960年代~1990年代くらいのものが多いです。ディッシュの基本スタンスが「SF読者のモデルは子ども」ということもあり、読んでいて古くさく感じたり、反感を覚える可能性もあるけれど、やはり文章それ自体が面白いし、その上で「とかなんとか言ってあなたもSF好きじゃない」という気持ちになるので、SFが好きな方なら手に取って損はないかと。
    きっとディッシュは自身がSF作家であることを誇りに思うがゆえに、ジャンル全体をさらなる高みへ押し上げるたくて、こんな挑発的な文章を書いたんじゃないかな。そう考えるとどの文章も妙な味わい深さを覚えます。

  • トマス・M・ディッシュ(1940-2008)のSF評論集。原著「ON SF」は2005年刊行。

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著者プロフィール

1930年生。英米文学翻訳家。大阪外国語大学卒。主訳書にヴォネガット『タイタンの妖女』、ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ラファティ『九百人のお祖母さん』、ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』(以上ハヤカワ文庫SF)、著書に『ぼくがカンガルーに出会ったころ』(国書刊行会)。2010年没。

「2022年 『SFの気恥ずかしさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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