誰がスティーヴィ・クライを造ったのか? (ドーキー・アーカイヴ)

  • 国書刊行会 (2017年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784336060624

作品紹介・あらすじ

悪魔にとり憑かれたタイプライターが彼女の人生を狂わせる……スティーヴン・キング非推薦!?の錯乱必至メタ・ホラー・エンターテインメント!

〈モダン・ホラーの卓越したパロディ、複雑な構造を備えたメタ・フィクションにして、リアルな南部小説――しかも、読者を底知れぬ恐怖に陥れるという驚異の離れ業〉 横山茂雄

アメリカ南部ジョージアの小さな町に住むスティーヴィ・クライは数年前夫を亡くし二人の子どもを養うためフリーランスライターとして生計をたてていた。ある日愛用する電動タイプライターが故障し、修理から戻ってくると、なんとひとりでに文章を打ち始めた! 妄想か、現実か? その文章はスティーヴィの不安と悪夢、欲望と恐怖を活写したものだった。それを読むうちに彼女は――そして読者も――現実と虚構の区別がつかなくなり……ネビュラ賞作家ビショップによる異形のモダン・ホラーにして怒濤のメタ・ホラー・エンターテインメント! 巻末に〈30年後の作者あとがき〉を収録。(1984年作)


〈ドーキー・アーカイヴ〉全10巻 責任編集=若島正+横山茂雄
知られざる傑作、埋もれた異色作を幻想怪奇・ホラー・ミステリ・SF・自伝・エンターテイメント等ジャンル問わず年代問わず、本邦初訳作品を中心に紹介する新海外文学シリーズ

虚構の男 L.P.Davies The Artificial Man  L・P・デイヴィス/矢口誠訳 定価:本体2200円+税
人形つくり Sarban The Doll Maker サーバン/館野浩美訳 
鳥の巣 Shirley Jackson The Bird’s Nest  シャーリイ・ジャクスン/北川依子訳 定価:本体2400円+税
誰がスティーヴィ・クライを造ったのか?  Michael Bishop Who Made Stevie Crye?  マイクル・ビショップ/小野田和子訳 定価:本体2600円+税
さらば、シェヘラザード Donald E. Westlake Adios, Scheherazade ドナルド・E・ウェストレイク/矢口誠訳【次回配本】
アフター・クロード Iris Owens After Claude  アイリス・オーウェンズ/渡辺佐智江訳
煙をあげる脚 John Metcalf Selected Stories  ジョン・メトカーフ/横山茂雄他訳
イワシの缶詰の謎 Stefan Themerson The Mystery of the Sardine ステファン・テメルソン/大久保譲訳
救出の試み Robert Aickman The Attempted Rescue  ロバート・エイクマン/今本渉訳
ライオンの場所 Charles Williams The Place of the Lion チャールズ・ウィリアムズ/横山茂雄訳

感想・レビュー・書評

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  • ジャンル不明の奇妙な物語。
    ホラー。SF?ファンタジー?
    夢と現実、さらには作中作まで入り乱れ、読んでいて不安な気持ちになった。その点ではやはりホラーかも。
    いくつかの作品や作家のパロディになっているらしい。
    結末のジョークの意味だけは理解できた。
    ストーリー的には突飛だが、文章自体は読みやすく、続きが気になる展開が多くて、意外とスイスイ読める。
    変な作品が好きな人にオススメ。

  •  フリーランスのライターをしながら二人のこどもを育てているスティーヴィ・クライという名の未亡人が主人公。故障した電動タイプライターが修理に戻って来てからというもの、タイプライターが自我を持ったかのように動き出し、スティーヴィを翻弄させるような文章を勝手に打ち始める。
     スティーヴィの悪夢をなぞったような醜悪な文章を打ったかと思うと、この小説の章まるごとを打ち始め、メタ小説的な様相を呈し始めるところまでは面白かった。タイプライターの攻撃や不気味に登場する猿にスティーヴィの神経が参り始め、虚構と現実が入り交じったところで、まったく予想外の現実的な因縁が唐突に明かされ、中途半端なまま終わってしまった。
     シングルマザーのスティーヴィが育児や仕事に奮闘する様子や悩みはよく書けていると思ったが、冗長な描写に途中から疲れてきた。不気味な猿が登場するホラー小説としてはジョージ・R・R・マーティンの短篇『モンキー療法』を思い出したが、この作品では猿の怖さが表面的で道具の扱いのまま終わってしまっている。

     結局、タイプライターの謎はよくわからず、とってつけたように現実的な生臭い話で種明かしをしたりして、特に後半は収拾がつかなくなってくる。最後のくだりは作者本人は気に入っているのだろうが、ひどくがっかりしたラストだった。あとがきを読むと、当時流行っていたホラー小説全般を茶化そうと思ったことが執筆の動機らしいが、そのような心構えでは中途半端な出来になったのもわかる。
     やたらと長いあとがきを読むと、自分の作品の成り立ちを詳しく解説せずにはいられない自己主張の強い人間で、あまり読者のことを考えていない作家であることがわかる。普通は訳者あとがきでもう少し作者のことをフォローするものだが、訳者あとがき自体が無いのは訳者も訳していて辟易したからだろうか。

  • メタ・ホラーとは言うものの今まで読んだ事ない話し且つ展開や語彙、映画ネタも嬉しく楽しい。

  • 2019/7/29購入

  • 読んでいて
    だんだんキングっぽい
    ただ最後はすんなりで
    グロさはなかった
    おもしろかったよ

  • 南部に住むシングルマザー、執筆業、ある日タイプライターが壊れる。修理に出した所彼女の見た夢、起こる出来事、深層心理が勝手にタイプされる。こ、これは一体何なのか。自分でやっていて忘れてるのか、だったら治すべきは自分の頭でないのか、という話だな。やっぱドーキーアーカイブの変さは群を抜いてヘンテコ。世の中にすり寄るような、ねえこれ位でいいよね?という匂わせるような位置にはいなくて、物置の上に付いてる小さい面積の引戸の戸がピッタリ閉まらなくて気になってしょうがない、みたいな。実はそこが一番まがまがしかったりする。

  • Original title:WHO MADE STEVIE CRYE?
    Author:Michael Bishop.
    読書日:2018年10月20日-11月1日.

    horrorに分類されている物語ですが、
    私はhorrorであるとは感じませんでした。
    唯非常に濃密な一週間で、もう一週間解決が伸びたら
    その途中で狂ってしまうと感じました。
    機械故に自らの意思は有さないのが当たり前なのですが
    機械が人に操作されずに、
    自動でTypeする様が不思議でした。
    だから機械が犯人ではなく、
    誰がこの様に設定を組みたてたのかが最後まで解らず
    もどかしかったです。

  • マイクル・ビショップがこんなのを書いていたっていうのは面白いが、30年もたってから唐突に翻訳刊行されたのも面白い。さすが国書刊行会さん。やることがいちいち変。
    修理したはずのタイプライターが勝手に文章を打ちはじめる…
    タイプライターだよ?S・キングとの類似にも解説等で言及されているけど、アレだってワープロよ?でもそれ以外にはあまり30年も前の作品って感はない。シングルマザーの苦境とか、親の不倫でトラウマを得た少年とか、現代でも十分通用する題材。

  • きやぁ~

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    悪魔にとり憑かれたタイプライターが彼女の人生を狂わせる……スティーヴン・キング非推薦!?の錯乱必至メタ・ホラー・エンターテインメント!

    〈モダン・ホラーの卓越したパロディ、複雑な構造を備えたメタ・フィクションにして、リアルな南部小説――しかも、読者を底知れぬ恐怖に陥れるという驚異の離れ業〉 横山茂雄

    アメリカ南部ジョージアの小さな町に住むスティーヴィ・クライは数年前夫を亡くし二人の子どもを養うためフリーランスライターとして生計をたてていた。ある日愛用する電動タイプライターが故障し、修理から戻ってくると、なんとひとりでに文章を打ち始めた! 妄想か、現実か? その文章はスティーヴィの不安と悪夢、欲望と恐怖を活写したものだった。それを読むうちに彼女は――そして読者も――現実と虚構の区別がつかなくなり……ネビュラ賞作家ビショップによる異形のモダン・ホラーにして怒濤のメタ・ホラー・エンターテインメント! 巻末に〈30年後の作者あとがき〉を収録。(1984年作)
    http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336060624/

  • ドーキーアーカイヴの4冊目。なんとも気味の悪い作品。ホラー+メタフィクションということなんだろうけれど、技巧的でありながらしっかりとした読み応えがあるのは人物がよく書けているからだと思う。

  • ドーキー・アーカイヴの第4巻。
    いっぷう変わった小説を邦訳しているドーキー・アーカイヴだが、本書はその中でも異彩を放っている。
    ジェットコースター的なホラー小説ではあるが、本当はコイツが主人公なんじゃないの? と言いたくなるようなタイプライターの存在感、何処までが夢で、何処までが現実なのか、ストーリーが進むに従ってどんどんと曖昧になり、そしてなかなかぞっとするラストへと繋がる。解説やあとがきも読み応えがあった。
    これまでに刊行されたドーキー・アーカイヴ既刊の中では、一番取っつきやすい1冊ではないだろうか。
    著者の作品は何冊か邦訳があるようだが、長編に関しては70年代で途絶えている模様。これをきっかけに復刊か新訳が出て欲しいが、難しいかなぁ……。

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著者プロフィール

1945年ネブラスカ州リンカーン生まれ。ジョージア大学卒業後、空軍士官学校で英文学を教えながら70年短篇“Piñon Fall”でデビュー、75年に処女長篇A Funeral for the Eyes of Fireを刊行。81年「胎動」で、82年にはNo Enemy But Timeでネビュラ賞を受賞。79年作『樹海伝説』は異星文化人類学SFの傑作として名高い。SF以外にもポール・ディ・フィリポとの共作でミステリを執筆するなど、幅広いジャンルで活躍している。

「2017年 『誰がスティーヴィ・クライを造ったのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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