縄文人に相談だ (縄文ZINE Books)

著者 :
  • 国書刊行会
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本棚登録 : 91
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336062390

作品紹介・あらすじ

お金ってなんですか? どんぐりのことですか?

お金が貯まらない、恋人ができない、部下がついてこない、将来が不安――。あれやこれやと悩みのつきない現代人。でも悩みなんて、全部まとめて貝塚にポイ! 話題沸騰のフリーペーパー「縄文ZINE」編集長がおくる縄文的お悩み相談。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は現代人の(現代的な)悩みに、縄文人(のふりをした現代人)が縄文的に答える本です。悩みは82もあって、おそらく誰かしら幾つかは、自分に当てはまるものがあると思う。しかし、特徴が二つある。

    (1)あくまでも、縄文人が回答するのであるから、現代の価値観を無視することがある。ところで、悩みは主に筆者の周りから「採取」していて、現代編集人生活の実態が分かる副産物もある。
    (2)下に律儀に書きなぐっている(注)含めて、縄文トリビア満載。いわば、軽い縄文時代入門編となっている。

    どちらの視点で読むかは、あなた次第。

    と言うわけで、(2)の視点から参考になった処を羅列する。
    ・縄文人の寿命は「15歳まで生きた縄文人の平均余命は16年」
    ・ある統計では3割ぐらいしか大人になれなかった。5人出産しないと村を維持できなかった。
    ・長野県南佐久郡佐久穂町高野町の北沢大石棒のある風景が美しい。
    ・縄文時代には、お金の流通はありませんでしたが、物々交換や贈与という行為を考えると、「尊敬」「好意」「連帯」をやりとりしていたのではないか。
    ・北海道鷲ノ木遺跡、縄文後期のイカ形土製品の形状は凄い。
    ・加曽利E式土器形式。なぜE式かと言うと、加曽利貝塚のE地点から見つかったから。
    ・鼻曲がり土面。(1)神がかり状態のシャーマンの顔説(2)世界的には鼻の曲がった土面は悪霊を意味する。土面は全国で100以上発見。そのうち鼻曲がりは5つ。すべて北東方。一つだけ右に曲がっている。
    ・ハケ(台地のヘリの部分)に、縄文人は好んで住んでいる。
    ・チビーナス。二頭身。山梨県諏訪原遺跡の土偶の愛称。
    ・トリカブト。縄文時代から自生。縄文人も狩の鏃とかに使いこなしていた可能性。
    ・アスファルト。秋田や山形、新潟が産地だった。修復に使ったり、鏃などの接着に使った。
    ・縄文土器の派手な装飾。意味や機能はわかってはいない。でも、それが正式な食器であり、調理器具だったことが大切。
    ・土偶は個性的で一つとして同じ顔がない。と筆者は言う。
    ・足形・手形付き土製品。現在北海道・北東北を中心に23遺跡から67点が見つかっている。土製品は10ー20cm。主に0-3歳までの乳幼児の足形や手形が押し付けられている。紐通し穴が開けられたものが多く、ぶら下げられていたと考えられている。なんだか、縄文時代も今もやっていることは同じ。北海道垣ノ島A遺跡、縄文早期。
    2018年3月読了

  • お悩み相談室といっても
    質問も回答も独特のゆるさでいっぱいです
    現代の価値観についていけないのか
    時々(けっこう)的外れな回答になったり
    しかし お悩み相談室というのは
    本来「悩んでもしょうがない」と
    思わせるものだとすると
    これは かなり的確だということでしょうか・・

  • お金が貯まらない、恋人ができない、部下がついてこない、将来が不安――。あれやこれやと悩みのつきない現代人。でも悩みなんて、全部まとめて貝塚にポイ!話題沸騰のフリーペーパー「縄文ZINE」編集長がおくる縄文的お悩み相談。
    ゆるいペースでなごむ。答えになっていないようなところが逆に良い。世の中いろんな悩むことや困ったことがあるけど、それはきっとどんな世代でも変わらないんだろうなと肩の力を抜いて読める。縄文時代にはさして興味もなかったけど、知識抜きに楽しめる面白い企画だなあ。これにお悩み相談する人、ホントに悩んでるの?大丈夫?ってちょっと思ってしまうが、まあいっか。笑

  • 現代人の悩み相談に縄文人が答える形で、縄文時代の魅力を語る本。相談は創作かと思いきや、ところどころ実在の有名人もいたりして(カラテカ矢部、しまおまほなど)全部創作でもないみたい。
    紹介される縄文土器や土偶などどれも良くて、「縄文展」に行くべきだったと激しく後悔。特にちいちゃん(細浦上ノ山貝塚出土)が可愛い。
    縄文セーターもいい。私は称名寺式がいいな。
    第2章の回答者の縄文人コンビが面白くて笑った。弥生人を目の敵にし「この弥生野郎!脱穀でもしやがれ!」とか、「はい、貝塚(解決の意味)」とか。
    もちろん真面目な部分もあって、土器に具象が少ない、土偶がリアルな人とは異なる理由は、「絵の力を信じていたからこそ絵を描くことに畏れを感じ、極端に慎重になっていたのではないでしょうか。」(P189)。なるほど。
    縄文が好きというだけでフリーペーパーを年三回も発行するなんて、ホントに好きなんだなあ。
    その縄文愛が伝わってくるいい本でした。
    チラッと出てくるスーパー・ササダンゴ・マシンとか三角絞めとか、知らなかったけど、ググったら、凄く面白い。読んで良かった。

  • 縄文展を見に行く予習に。この手の話をできる人ってすごいなあ。マガジンってすごい。楽しい。

  • なんていうか、馬鹿馬鹿しいというか(褒め言葉)、企画力の勝利という感じがしました。
    たまに行くカフェのお姉さんが「その本なんですか?」と興味を持っておられたのがおかしかったです。

  • いわゆる「身の上相談」に縄文人(のふりした人)が答えるという。
    普段ならケッ!と言いつつスルーするジャンルだが、縄文人(風?)の答えが気になって読んでみた。
    予想以上に普通だった。
    というか、自分の考え方が縄文人に近いと気づいて、困ったほうが良いのかどうか悩んでいる。

  • 縄文人に相談するなよ。
    縄談、いや冗談みたいな本です。

  •  経験は貝塚のように積み重なり、毎日少しずつ成長していきます。それには絶対に時間が必要なんです。もしスモールさんが友達から取り残されていると感じているなら、それは勘違いです。お給料なんて使えば使うほどなくなっちゃいますが、経験は使えば使うほど増えていくんですよ。やばくないですか、経験。(p.21)

     不規則な生活に陥りやすい、その理由ははっきりしています。現代人が夜の恐怖を克服してしまったからです。「苦手」や「怖い」ものをなんでも克服しようとするのは、現代人の悪いクセ。そのせいで本来克服すべきでない「夜」までも乗り越えてしまいました。(中略)縄文時代の夜の森では、昼間は息を潜めていた動物たちがぞろぞろ出てくるせいで、夜、目がきかないヒトは、行動が大きく制限されました。狩の帰り道、暗くなる空の恐怖感ったらなかった!(中略)もうひとついえるのは、行動が制限される夜に縄文人は別の意味を考えていたのではないでしょうか。それは「再生」。新しい朝を迎えるために夜は大切な時間でした。(p.54)

     約束を守れなかったら、次の約束もできないわけですから、彼らはこれからもう二度と会えないかもしれません。たった一回約束を破っただけで取り返しのつかない事態になったかもしれません。だからこそ、約束は「守るべきもの」とされていたのです。今みたいにメールやLINEで「ちょっと遅れる!」とか「ごめん、来週の予定だけどさ、リスケできない?」とか「場所を原宿のGAP前に変更ね」なんて簡単に連絡できませんからね。(pp.135-136)

     何があっても何もなくても、人生は切れ目なく続いているわけですから、良きところで儀式という句読点を打つことはとても大切です。(p.207)

  • ネットではやっていたので、ポチった。
    縄文人が人生相談に応えてくれるという趣向だが、ほぼ出落ちである。たまに仮想通貨など時事ネタも突っ込んでくる。
    縄文的なものが好きな人ならおすすめ。

    ところで、お悩み相談というスタイルはいつ頃からあるんだろう。

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著者プロフィール

1972年、弥生の遺跡である登呂遺跡で有名な静岡県生まれ。株式会社ニルソンデザイン事務所代表/縄文ZINE編集長。2015年からフリーペーパー『縄文ZINE』を発行。著書に『縄文人に相談だ』(国書刊行会)がある。

「2018年 『縄文力で生き残れ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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