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Amazon.co.jp ・本 (340ページ) / ISBN・EAN: 9784336071026
作品紹介・あらすじ
〈ボウエン・コレクション2〉全3巻 第1回配本!
20世紀英国文壇を代表する作家エリザベス・ボウエン。
1920-30年代という戦間期の不安と焦燥を背景に、
ボウエンならではの気配と示唆に浮かぶ男女の機微―—。
本邦初訳の初期小説三冊を集成した待望のコレクション。
イタリア・リヴィエラ海岸のホテルはホリデー客でにぎわっている。医者になりたいシドニー・ウォレンは受験の疲れを癒しに、束の間ここにきている。彼女は倦怠感を漂わせる未亡人ミセス・カーに心惹かれる。ミセス・カーには20歳の息子ロナルドがいて、ドイツからここにやってくるという。ミルトン牧師、ロレンス三姉妹、第一次大戦の後遺症に悩む青年アメリングをまじえ恋がもちあがり……。イギリスの風習喜劇の雰囲気と1920年代戦間期の不安な心理を、地中海の陽光まぶしいひと夏に鮮やかに浮かび上がらせたボウエンの手腕、長篇デビュー作。
豊﨑由美氏推薦!
「ボウエンは会話だけでなく、描写によってそこで何が起きているのかを示す。登場人物の行動、いる場所、そばにある物、聞こえている音、すべての描写を総動員させて、ボウエンは登場人物の発する言葉の背後にある気持ちや意味、それが発せられた理由となる過去を匂わせる。
だから、一行たりとも読み飛ばせない。丁寧に文章を追っていく読者だけが、ボウエンがそこここに仕掛けている小説の技巧に舌を巻き、物語全体の絵柄が浮かび上がってきた時の喜びを得ることができるのだ」(パンフレットより抜粋)
太田良子(訳者)
「エリザベス・ボウエンは1899年にアイルランドのダブリンで生まれ、1973年にイングランドのロンドンで死去した。文字どおり20世紀と共に生きたボウエンは、二つの祖国を持ち、300年間イングランドの植民地だったアイルランドの宿命的な独立戦争、世界を荒廃させた二度の世界大戦に関わって創作活動の根底に置き、長篇小説10篇と短篇小説約100篇を書いた。今回の〈ボウエン・コレクション2〉に入った『ホテル』は彼女の初めての長編小説で、先行の〈ボウエン・コレクション〉の『エヴァ・トラウト』はボウエンが完成させた最後の小説であり、ボウエンの小説全10冊が国内ですべて刊行されることになった。ボウエンの作品は21世紀の今、文学や歴史や世界観の新しい潮流を検証する意味であらためて評価が進む一方、ボウエンは緑の国アイルランドのホスピタリティと、美しい庭園を持つ荘園屋敷を受け継ぐイングランドの文化を愛して作品に籠め、移り替わる自然を、春夏秋冬、忘れられない美しいシーンにして数多く描き出している。白いモスリンのドレスの少女、断髪にして短いスカートでロンドンを闊歩する女は、それぞれに時代を表わし、ヒロインが運転するダイムラーやジャガーは、時代の先端を行く高級車である。小説や短篇のヒロインを通してフィクションが見せる広い世界の可能性を切り開いた点から見ても、エリザベス・ボウエンは他の追随を許さぬ作家である」(パンフレットより)
感想・レビュー・書評
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哲学書でも読んでるのかと思うくらい表現が難解で何言ってるのかよく解らない。のに、とても面白かった。
寝逃げみたいな物語?
非現実の中に閉じこもる英国の有閑階級の人たち。別れの際、初めてミルトンが本物の牧師に見えた時、これは胸が痛くなるような喜劇だったのかなと思わずにいられなかった。風に揺れるオリーブの木々のざわめきが追ってくるよう。
あとがきに詳しい時代背景を知ると、色々な意味で凍りついた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは装丁で買ったと言って差し支えない本で
中身も非常に香り高いような気がしたんだけれど、
個人的にはうまく読めなかった。
イタリアのホテルにバカンスに来た人々の
交差する人間模様と行ったところ。
僕が恋愛のさやあて的なものに興味が持ちにくいうえに、
上流階級らしいっちゃらしいんだけど、ほのめかしの多用で
登場人物の関係が分かったかと思ったら肩すかされてしまったりしてしまう。
とはいえ、訳者あとがきを読むとある程度納得のいくものであった。
これが書かれた1927年というのは戦間期であり、
(第一次世界大戦が1914ー1918、第二次世界大戦が1939ー1945)
何か厭世的なところや陰鬱な空気が晴れないところはむしろ
そのような空気を意図的に描いているということだろう。
だから、恋愛ドラマは補助線として引かれているだけで
この小説はそのために描かれたわけではない。
そうでもなければ、どれもこれもドラマが起こる直前で
ご破産になってしまうような作りにはしないだろう。
実際、バカンスのホテルという設定も
なにか宙ぶらりんになっていることを露わにしている。
とはいえ、本当に読めなかったので
ちょっと久しぶりに出た登場人物なんかがいると
毎回巻頭に戻って「誰?」とか確認しながらの読書でありました。
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シドニーは、おそらく二十二歳で、明るい顔色と整った目鼻立ちをしており、表情が豊か過ぎて顔のしわがしょっちゅう伸びたりちぢんだりしている。言われたりほのめかされたりすることに大袈裟に反応し、眉が悲劇的に吊り上がったり、瞳を凝らしたり、口元をすぼめると一本の線になり、それは大人の口元になる前触れだった。(p.22-23)
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ヒロインは快活な女性として描かれている。
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「あなたは人を惹きつけられるわ」ミセス・カーが言った。「でも、あえて言えば、楽しませたい欲望を理解しない仲間には無関心なのが、実際には一番の安全策ねーーあちらに行ってテニスしないの?」(p.23)
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しかし、どうもスッキリとしない大人たちの物言いがかぶさってくる。
思えばこの辺のところで主題ははっきりしていたんだろう。 -
近年、ここまでの悪訳は経験無し。章立てが短いスケッチ集みたいでなんとか読み進めたが、そうでなければ挫折必至。
プログレッシブ・ゲームを立ち上げた、って何??ミルトンなんて注入れるより、他にやることが。 -
Amznのレビューでは翻訳について悪評が多く、どんなもんかなと思って手に取ったが確かに意味がわからない。それほど翻訳とは難しいものであり、しかし英語をかじったので本当にそのまま訳しているんだなと言う事がわかる。これ、、誰か他の人が翻訳してくれないかな。
何だか英国らしく少し封建的でしかも自分の好きな地中海の太陽推しで読めるかなと思ったけどこれは時間の無駄かもしれないので済みませんが最初の数章で読むのやめます。
ちなみにこれ読んで「自分の読解力がダメなのか」と感じる人がいると思いますが、全くそんなことはありませんので安心してください。
中学生の時に背伸びして初めてドイツ哲学の本を呼んだ時ぐらい内容が入ってきません。
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