近代スピリチュアリズムの歴史 新版 心霊研究から超心理学へ

  • 国書刊行会 (2022年6月29日発売)
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本 ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784336073549

作品紹介・あらすじ

芥川賞作家にして心霊研究家の三浦清宏が繙く、スピリチュアリズムの歴史の決定版!

コナン・ドイルがとりこになった!
ポルターガイスト、降霊会、エクトプラズム、心霊写真、念写……。
ハイズヴィル事件からはじまり英国ヴィクトリア期に黄金時代を迎え、アメリカの超心理学へ――驚異の霊媒と科学的分析の相克に、新たな可能性の扉が開く!

湯浅泰雄賞受賞作(2008年講談社刊)に、フォックス姉妹、D.D.ホーム、エヴァ・C、マージェリ―、ユーサピア・パラディーノ、ウィリアム・ホープら霊媒たちの、驚異の超常現象など図版140余点を増補。さらに貴重な英国物理霊媒コリン・フライの来日降霊会レポートを50頁以上併録する充実の新版!

「この本を書こうと思った第一の理由は、これから心霊について勉強しようと思う人に、今まで歴史的にどういうことがあったのか、またどういう研究が行われてきたのかを知っていただきたいと思ったからです。これは私自身の体験からですが、はじめて心霊のことを勉強しようと思ったときに、そういうことを教えてくれる日本語のいい参考書がまったくなかったので、手探りと試行錯誤でやらなければならなかったからです。……
これは19世紀の半ばに英国人を中心としてアメリカ人やヨーロッパの人たちが抱いた一つの夢と、その成り行きを書いたものです。科学の揺籃期にあったヴィクトリア朝の人でなければ考えつかないような、突拍子もない夢想を実現しようとした歴史上の物語です。それは英国以外のいろいろな地域に伝播しながら、まだ見果てぬ夢として今も続いています」(本書「まえがき」より)

【目次】
はじめに 
第一章 ハイズヴィル事件とその波紋 
第二章 ハイズヴィルに至る道のり
第三章 心霊研究の黄金時代 I――霊能者の活躍 
第四章 心霊研究の黄金時代 II――霊能者たちVS.研究者たち
第五章 心霊研究後期――英国以外の研究者たちとその成果 
第六章 スピリチュアリズムの発展と挫折 
第七章 超心理学の時代  
第八章 日本の事情  
 *付録 降霊会レポート 
 索引/スピリチュアリズム略年譜/主要参考文献

感想・レビュー・書評

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  • 心霊現象に興味を持つ方にはぜひおすすめしたいガイドブック。歴史的に重要な事件を具に取り上げ、貴重な図版も惜しみ無く紹介されています。世に溢れる無数のオカルト本は出典もなく怪しいものが多いですがこの書は間違いなく信頼に足る一冊です。

    子どもの頃から驚きと興味で見聞きしていた数々のスピリチュアリズム、心霊研究、超心理学がこの本のお陰で一つの線となった気持ちがします。400pに迫る本ですが一気に読み進める事が出来ました。歴史を述べる部分もですが第六章における「スピリチュアリズム再考」は特に興味深い。

    筆者は心霊の世界を「ある」ものと捉える立場です。その上で歴史を丹念に追い、批判的思考に基づき執筆しています。わたしもこの立場に賛成です。まだまだ我々には未知の世界が多数あり、その一つが心霊なのかもしれません。「よく分からないが何かある」そんな世界を今後も学んでいきたいです。

  • どのような超能力者がいるのか、また医学/生物学を含む複数の学問分野でそれらの超能力を解明するためにどのような研究や実験がなされてきたのか時系列で説明されている。電磁波などの現象も当然ある想定の上で、超能力はそれらと区別されて存在すると考えられている模様。
    但し、10年前の本ではあるものの、超能力をどのようにコントロールするのか無くせるのかと言った方面での研究については説明がない。

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著者プロフィール

小説家、心霊研究者。元明治大学教授。現在、日本心霊科学協会理事。東京大学文学部英文学科を中退し渡米、サンノゼ州立大学卒業後、アイオワ大学ポエトリー・ワークショップ修了。1978年から1年間、英国でスピリチュアリズムを研究。本書はその時の記録である。1988年、『長男の出家』で第98回芥川賞受賞。2006年、『海洞』で第24回日本文芸大賞受賞。『近代スピリチュアリズムの歴史』『見えない世界と繫がる――我が天人感応』『カリフォルニアの歌』など、著書多数。1930年、北海道生まれ。

「2022年 『イギリスの霧の中へ 心霊体験紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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