ジゴマ (下) (ベル・エポック怪人叢書)

  • 国書刊行会 (2022年7月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784336073563

作品紹介・あらすじ

〈ベル・エポック怪人叢書〉創刊!
エッフェル塔が建ち、地下鉄が走る黄金期フランス――ベルエポックの世に、怪人たちが跋扈する!
強盗、殺人お手のものの悪のアイコンを集成。ベストセラー、ダークヒーロー犯罪小説群!

覆面姿の怪人ジゴマ!!
パリ黄金期のベル・エポックに国際的犯罪組織Z団降臨!
血の海に短刀一閃、発見されしはモントルイユ銀行家。
残されたるは金庫の血痕Z……
ジゴマ率いるZ団vs.ポーラン・ブロケ刑事の全面抗争の火蓋が切られた!

明治末から大正初年の本邦映画公開時に空前の“ジゴマ・ブーム”を巻き起こしたフランス新聞連載小説の伝説的大ヒット作。江戸川乱歩の怪人二十面相に影響を与えしダークヒーロー、久生十蘭の抄訳から幾星霜、ついに待望の完訳!

【ストーリー】
パリを震撼させたル・ペルティエ通りの惨劇――短刀一閃! モントルイユ銀行家が血の海に重傷で発見された。駆けつけたるは敏腕ポーラン・ブロケ刑事長、その金庫の血痕にZのサインを読み取った(Zは怪人ジゴマの印である!)。ここにジゴマ率いるZ団vs.ポーラン・ブロケ刑事の全面抗争の火蓋が切って落とされた! 銀行家はド・ラ・ゲリニエール伯爵を犯人として告発。しかし対質した途端供述を翻し、こと切れる。悲嘆に暮れる息子たち……父の変節の謎を追え! 剣による果し合い、恐ろしき拷問機械、ペスト菌を宿した蚊による殺人トリック、お針子リリーとのロマンス……。Z団のメンバーすらその覆面姿の奥の素顔を知らぬジゴマとはいったい誰なのか?

「美しい時代」の怪しいヒーローたち――――小倉孝誠
ベル・エポックとは「美しい時代」という意味で、1900年の万博に象徴されるように、フランスの19世紀末から20世紀初頭を指す。当時のフランスには、世界でも破格の100万部前後の発行部数を誇る新聞が四紙もあり、その紙面を飾ったのがしばしば犯罪をテーマとする連載小説である。美しい時代は、犯罪者や悪党がうごめく不安な時代でもあった。〈ベル・エポック怪人叢書〉は、この時代を代表する作品を収めた魅力的なシリーズ。同時期のルブランが創造した怪盗ルパン以上に裏社会で暗躍する恐るべき、時として悲劇的な、そしてつねにカッコいいダークヒーローが登場して、息もつかせぬ物語が展開する。大衆文学とあなどるなかれ! 作者は当時最新の科学、医学、テクノロジーの知を駆使して、社会の闇と民衆の秘めた欲望をあぶりだす。現代人でもあっと驚くような技術や、状況の反転が利用される(詳細は読んでのお楽しみ!)。そしてこれらの作品は、誕生してまもない映画の題材にもなった。時代の感性と鋭敏に共鳴し、その後の大衆小説の流れに大きく影響した作品群の邦訳は、まさしく快挙である。

*第2回配本
ガストン・ルルー『シェリ=ビビの最初の冒険』(宮川朗子訳)
*第3回配本
P.スヴェストル、М.アラン『ファントマと囚われの王』(赤塚敬子訳)

感想・レビュー・書評

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  • サトウダイコンは佐藤大根だと思っていたら砂糖大根だった。他のシリーズにもハヤマキ、オオサカ=イッチョなる登場人物もいるらしい。パンチライン過ぎ。

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著者プロフィール

Léon Sazie(1862-1939)
仏領アルジェリア・オラン生まれのフランス人作家。演劇の脚本書きで大成せずも小説家になり、新聞連載小説『ジゴマ』で大ヒットを飛ばす。以降シリーズ化され、『ジゴマ』(1909-10 年)、『赤銅色がかったブロンド髪の女』(1910 年)、『ウナギの皮』(1912 年)、『ドイツに与するジゴマ』(1916年)、『歪んだ口』(1917年)、『ジゴマ対ジゴマ』(1924 年)、『ジゴマの新たな悪事』(1938年)の全7作を執筆。小説としては75篇を書いた。1911 年、日本で映画『ジゴマ、強盗の王』が公開されると少年たちにジゴマごっこが大流行、ついに上映禁止となる爆発的人気となった。抄訳に久生十蘭訳『ジゴマ』。

「2022年 『ジゴマ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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