ロマン

  • 国書刊行会 (2023年2月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (808ページ) / ISBN・EAN: 9784336074614

作品紹介・あらすじ

【国書刊行会 創業50周年記念復刊】
《現代ロシア文学のモンスター》ソローキンの傑作長編が復活!!

〈彼女が目を上げ、二人の目は出会った。「どうか教えて下さい」彼女の視線に胸の内に熱い波がわきたち、思わず身が震えるのを感じながら、ロマンは言った。「教えて……」彼が繰り返すと、彼女はすべてを悟ってまた目を外した。その頬がさっと赤く染まった。「ああ、なんと早く!」ロマンの頭にそんな思いがよぎった……〉

優秀な弁護士としての首都での暮らしにピリオドをうった青年ロマンは、画家として第二の人生を歩むために、故郷の村クルトイ・ヤールへと戻ることにした。旧知の友や親類に囲まれた素晴らしく愉快な日々。都会では忘れていた人間としての生活に、彼は大きな喜びを感じる。そして、やがて彼は運命の女性にめぐり会う……

「現代文学のモンスター」の異名をとる作者が、ツルゲーネフ、チェーホフ、ゴーゴリといった十九世紀ロシア文学の精髄を戯画化しながら描く、衝撃のスプラッター・ノヴェル。



「創造的破壊とはこのことか。
文学界きってのデストロイヤーが小説《ロマン》をぶっ壊し、フィクションの未来を切り拓く衝撃的な大傑作」
――豊崎由美(書評家)


◎装幀=松本久木(松本工房)

Роман, 1994

*本書は、1998年に小社より刊行した『ロマン』Ⅰ・Ⅱを合本し、若干の改訂を行った上で、新装版として刊行したものです。

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優さんの本を読んでロシア文学に興味を持ち「カラマーゾフの兄弟」などを経て「ロマン」に辿り着きました。
    いやービックリしましまね。
    賛否両論あるでしょうが、こんなにも印象に残る本は初めてでした。
    恐ろして破壊的な小説、このインパクトに星5つです。
    これからもロシア文学を楽しみたいと思います!

  • 『創造的破壊とはこのことか』

    全体の4/5くらい(600ページ以上)、ロシアの風習や自然の美しさや人々のやり取りを、丹念に描いていて、残りの1/5で、それを暴虐的な勢いで全く不条理に壊し尽くすという、とんでもない小説。

    作者の当時のロシアに対する想いがいかほどか類推できるほど著作や解説書を読んでいるわけではないですが、解説を読まずに得た感覚としては、ロシア、ロシア的価値観を無に帰す、死んでいるということを表現したのでは……とか。

    とはいっても、スプラッターだかスカトロやグロが好きなだけだろ!と言われても他作品を小耳にはさむ限り、言われてもしょうがない気も。
    ポップ・アートの先駆者、アンディ・ウォーホルなどに感銘を受けていたそうなので、
    どんなに高尚めいた文でも、文字は文字。クソみたいな文章と変わらないよということを示したかったのか。
    はたまた、高尚と低俗の合わせ技、ミックスすることでみえる新境地を切り出したかったのか。
    そこら辺は、解説を読んでも、最終的な答えは分かりませんが、とにかくすごいものをみた……という感覚は確かでした。

  • ロシア文学の長たちが創り出した世界を下敷きに、前半の牧歌的で親しみのある世界観から一転、後半の即物的で主観性の廃された珍奇な文章とインモラルへの底知れぬ沈殿を味わえる実験的長編小説。
    前衛的一般的問わず、すべての作品に求めるものは鑑賞者に対して与える「効果」だと思ってる身として、『ロマン』は自分の趣向によく応えてくれた小説でだいぶ楽しめました。
    ソローキン他にも掘ります。

  • ソローキン『ロマン』読了。
    ロシア文学の怪物と呼ぶにふさわしい一冊。
    前半では19世紀ロシアの理想世界を丁寧に再現しながら、後半でその理性と信仰を自ら破壊していく。
    スプラッター描写と反復が延々と続き、言葉も感情もパターン化していく過程はまるで読者自身の神経を削るよう。
    理想的人間が刺激に反応するマシーンへと変わっていく文体の変容が恐ろしいのに笑える
    ソローキンもっと読みたい❗️

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著者プロフィール

1955年ロシア生まれ。83年『行列』でデビュー。「現代ロシアのモンスター」と呼ばれる。2010年『氷』でゴーリキー賞受賞。主な著書に『青い脂』『マリーナの三十番目の恋』『氷三部作』『テルリア』など。

「2023年 『吹雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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