- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336076502
作品紹介・あらすじ
テレビ創成期に伝説的なスター・俳優たちと数々の名作ドラマを手がけた元フジテレビプロデューサー・演出家が語る、名優たちの素顔とドラマ制作の舞台裏。
秘蔵の未公開写真・資料・エピソードを収録!
●元フジテレビプロデューサー・演出家、嶋田親一(1931-2022)の貴重な写真と膨大な証言を収録。テレビ創成期(1950~60年代)のドラマの多くはテレビ局にも記録が残されていない。放送史を知るうえで必須の文献。
●スター・名優たちの貴重な写真資料を多数収録。往時の姿も鮮やかな写真を見るだけでも楽しめる。
●昭和の放送史を彩ったスターたちの列伝読み物として、テレビドラマ・名画・演劇ファンに大推薦。
【内容】
監督、脚本家、プロデューサー、カメラマン、録音・撮影技師、美術家、俳優、評論家など、映画人の評伝やインタビュー集はこれまで数多く出版されてきた。それに比べて放送人の記録は少ない。映画より放送が「格下」に扱われてきた点もさることながら、手がかりとなる放送音源と映像が満足に残されていないことも大きい。とくにテレビの本放送が始まった1950年代から70年代にかけては、映像の多くが失われ、資料も散逸した。
当時を知る関係者の多くが亡くなるなか、フジテレビの元プロデューサー・演出家の嶋田親一に取材。嶋田は得がたい放送史の「語り部」であり、数多くの貴重な資料(台本、写真、番組企画書など)を保存していた。本書は生前最後となった嶋田氏の証言と資料に基づき、俳優やスタッフたちの姿を通して戦後の放送史を描く。
【主な登場人物・作品】
島田正吾、辰巳柳太郎、佐々木孝丸、森雅之、左卜全、池内淳子、有島一郎、杉村春子、石原裕次郎、高峰三枝子、美空ひばり、林与一、佐久間良子、山本富士子、新珠三千代、司葉子、芦川いづみ、左幸子、河内桃子、二木てるみ、渡辺篤史、ジュディ・オング、加東大介、中条静夫、倉本聰、岡本喜八、香川京子…etc.
◆取り上げる主なドラマに『三太物語』『ゼロの焦点』『小さき闘い』『6羽のかもめ』など、プロデュース映画に『ブルークリスマス』など。
感想・レビュー・書評
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「俳優たちのテレビドラマ創世記」という題名ですがこの記録の幹になるのは嶋田親一という出来たばかりのフジテレビの局員でありディレクター、その後プロデューサーになり、のちに制作会社の社長にもなったザ・テレビマンの人生です。彼のドラマに出演した俳優たちが生い茂る葉として次々現れるので「俳優たちの…」という題名になったものと思われます。去年亡くなった山田太一、また倉本聰のような誰もが知る脚本家や、また後に作家になる久世光彦、テレビマンユニオンを作った今野勉のような知る人ぞ知る人でもなく、本書で初めて知った人物ですが、その仕事人生は生まれたてのテレビドラマの記録として貴重なものでした。「私は貝になりたい」のような作品として後世に語られるものではなく、いや名作と言われないからこその苦労はとても興味深かったです。出身の新国劇との関係、映画界の五社協定の崩壊、俳優個人個人のライフストーリー、後発局としてのビジネス面、いろいろ模索しながらテレビドラマというジャンルが生まれたのです。意外だったのは毎年一回の「芸術祭参加」というイベントへの視線。テレビドラマという表現へのプライドと葛藤を掻き起こす存在だったことを感じました。どんなジャンルでもジャンル創生のスター物語は語られやすいですが、いぶし銀の「ドラマ屋人生」満喫しました。でも、嶋田さんも佐久間良子と週刊誌で話題になったりして十分、派手なんですけど…
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