ねこいるといいなあ (こみねのえほん)

  • 小峰書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338060189

感想・レビュー・書評

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  • 「たにまちこどもアート」で購入、欲しかった本なので嬉しい♪

    ねこが家に居たらいいのになーと思った女の子の話、
    自分で描いた絵の猫が家の中で暴れてぐっちゃぐちゃ、
    もー猫はいらなーい、そうそう理想と現実は違うのよー。

    そんなに思い通りいく美しい理想なんかない、うちの子育てと一緒よ。

  • わたしはねこがほしくてたまらない。

    「ねこほしいよう」をもう100まんかいもいった。

    おかあさんも負けていない。

    「だめ」を100まんかいもいった。

    「100まんかい」というとちがうねこの顔が浮かんでくる。

    こっちのお話は、「あのねこ」のあとに生まれているから、
    きっとこの言葉の後ろには、「あのねこ」がいるのだ。

    おかあさん、さらに「だめ、だめ、だめ」。

    100まん3かいである。

    おかあさんもわたしも譲らない性格のようだ。

    表紙のわたしは、無造作なようなクレヨン画で描かれている。

    おかっぱの女の子。

    抱っこされているねこもちょっと崩れたようなクレヨン画なのだが、
    妙に存在感がある。

    ねこをしっかと抱き抱えるわたしと、ぐっと体重をあずけているようなねこ。

    ちょちょっと描いたクレヨン画に見えるのに、しっかりとここにいる。

    わたしは、「ねこいるといいなあ」とちいさいこえでいった。

    すると、どこかで「ニャー」と、ねこのちいさいこえがした。

    耳を澄まして、窓を開けて庭を見たけど、ねこはいなかった。

    「ねこいるといいなあ」。

    さっきよりすこしおおきなこえ。

    「ニャー」。

    庭中を探検したけど、やっぱりねこはいない。

    わたしは、「ねこいるといいなあ」の声をどんどん大きくしていく。

    声には、声なんだと思う。

    姿は見えないから。

    ねこいるといいなと言ったら、言った数だけ、ニャーが聞こえる。

    何度でも言いたくなるよね。

    声に出して読んでいるときもそんな気持ちになりそうだ。

    書いてある字よりもたくさん言ってしまいそう。

    わたしは、絵を描こうと思い立つ。

    真剣に画用紙に向かう後姿。

    まっしろなねこを、いっぴきかいた。

    そして、あのお決まりのセリフ。

    しましまのねこを、もういっぴきかいた。

    そして、やっぱり、あのお決まりのセリフ。

    わたしの描いたクレヨンだけの線画は自由奔放。

    大きな口でニャーという声が聞こえてきそうなにひきのねこ。

    にひきは、おはなししているのだ。

    わたしはうたいながら、まっくろなねこを描いた。

    まっしろなねことしましまねこは、ピンクとオレンジの線画なのだけど、
    まっくろなねこはとってもリアル。

    しっかりと中の色まで塗りこんでいて、本当に存在感を持った立体のねこなのだ。

    最初のにひきとは何か違う。

    黄色い目がこちらをしっかりと見据えている。

    このときから、ねこたちは、わたしの手を離れたのかもしれないと思う。

    さんびきはけんかをはじめてしまうのだ。

    かってにいろんなねこが出てきてけんかをはじめてしまう。

    いくつものいくつものねこの絵。

    いくつものいくつものニャー。

    いたずら書きみたいなクレヨン画。

    だけど、みーんな生きているのだ。

    わたしの想像を超えて、ねこは勝手に生き始めてしまうのだ。

    子どもの頃ってさ、なんかこんなパワーを持っていた気がする。

    お話も絵も本当にしちゃう不思議なパワーを持っていたような気がするんだ。

    大人になるとまずは常識的にそれができるかどうかを考えるけど、
    時に頭をぱかーんと開けて、魔法の呪文を唱えながら絵を描いてみよう。

    「ねこいるといいな」
    「ニャー」
    「ねこいるといいな」
    「ニャー」

    あなたのねこに会えるかもしれない。

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