パヨカカムイ ユカラで村をすくったアイヌのはなし (アイヌの絵本)

  • 小峰書店 (2000年12月5日発売)
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感想 : 8
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  • 本 ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338081412

作品紹介・あらすじ

ユカラをかたることで病気をまきちらす神、パヨカカムイから村を救った狩りがへたで、貧しいアイヌの男の話。

感想・レビュー・書評

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  • コロナ禍から何を学ぶか 厄災を乗り越えてきたアイヌの提言:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/16699

    「パヨカカムイ」、近づかないで アイヌ民族が祈りの儀式 | 共同通信
    https://this.kiji.is/624148580355900513

    パヨカカムイ (アイヌの絵本) : かやのしげる,いしくらきんじ - 小峰書店
    https://www.komineshoten.co.jp/search/info.php?isbn=9784338081412

  • とても良かったです。勇気づけられました。清い心は誰もみていなくても、みていてくれるということ。がんばろうと思いました。

  • かやの しげる (著), いしくら きんじ (イラスト)
    貧しい,真面目な,ユカラが上手な男.病の神に願いをする.

  • アイヌの話

  • アイヌの話。かりの下手なわたしだったが、1つだけ得意なことがあった。それは、ユカラを語ること。
    ある日、病気を撒き散らす神パヨカカムイが村に来た。わたしの語るユカラを気に入って、神は自分の仕事を忘れてしまったらしい。
     アイヌ民族の昔話。アイヌの文化理解の導入に。

  • アイヌ民族のお話。
    娘は不思議な雰囲気の絵に惹かれたようです。
    カタカナ表記のアイヌ語のなかに
    どのように発音したらよいのか分からないものがあり、
    私も興味を持ちました。
    3歳9ヶ月

  • 萱野茂氏の文によるアイヌの物語。

  • この絵本を読みながら、ふと「神は語られることで力を持つのではないか」と思いました。
    子どもたちに語るだけでなく、冠婚葬祭の場でも語るようにと示された“語りの本来の形”は、暮らしの中に根ざした大切な営みだったのだと気づかされます。

    病をまく神は本来、村に災いをもたらす存在でした。
    しかし、主人公の語りがあまりに面白く、神は災いを起こすことすら忘れて聴き入ってしまいます。
    その姿には、神の気まぐれさと、語られることへの喜びが感じられました。

    そして神は、忘れ去られかけていた語りの本来の形を思い出させてくれる。
    まるで「その物語をきちんと語り継いでくれるのなら、災いをやめてもいい」と言っているようでした。

    仏教や神道に通じるものを感じる一冊でした。
    語りとは、祈りであり、暮らしであり、神との対話でもあるのだと教えてもらった気がします。

    また、狩りが苦手だった主人公が、語りを広めた後には狩りができるようになったのも印象的です。
    神がそばにいたせいで実力が出せなかったのか、それとも語りを広めたことで加護を受けたのか――
    いずれにせよ、語りが人と神、そして世界を結び直していく力を持っているのだと感じさせられました。

    語りの文化や、神話に宿る“人間くさい神”に惹かれる人に、ぜひ手に取ってもらいたい絵本です。

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著者プロフィール

1926─2006年。北海道生まれ。アイヌ文化研究者。学術博士。長年アイヌの民具や伝承を精力的に収集・記録し、1972年には二風谷アイヌ文化資料館を開設、館長を務める。1994年、アイヌ出身者としてはじめて国会議員となり、北海道旧土人保護法撤廃・アイヌ文化振興法制定などに尽力。主な著書に、『ウエペケレ集大成』(アルドオ、菊池寛賞)、『萱野茂のアイヌ神話集成』(ビクターエンタテインメント、毎日出版文化賞)、『萱野茂のアイヌ語辞典』(三省堂)がある。

「2017年 『アイヌ歳時記 二風谷のくらしと心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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