- Amazon.co.jp ・本 (63ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338133012
感想・レビュー・書評
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タイトル作品と「おかあさんがふたり」の短編2作品。『飛ぶ教室』のまえがきで「子どもの涙が大人のより小さいということはないし、ずっと重いことだってある」(訳者あとがきより引用)とありますが、大人になっても、子どもがただ無邪気に夢見て過ごしているのではない事を教えてくれます。子ども向けと言うより、子どもに関わる大人に読んで欲しい。
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子どもは感じている。知っている。厳しい現実も痛みや悲しみも。病気を患うお母さんを持つ男の子、お母さんを亡くして新しいお母さんが来ることになった女の子、母親を想う子どもの2つの物語。子どもの想いは健気すぎるほど健気。すごく重いんだから。
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「子供時代とは、何も判らない他愛のない時ではなく、厳しい現実もあり痛みや悲しみを伴う時期であると認識するケストナーが描く、母と子の強い絆の物語。シリアスな内容を子供の世界に絡めた、なんとも愛らしいお話。」
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子どもの幸せのために…戦時中にこういう風にものを考えられて、物語として残した人がいたことに感謝だな…
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授業の発表の参考文献にするか迷ったものの、結局読んだだけに終わりました。ケストナーの子ども観は大人になってしまった今も、忘れてはいけないものですよね。
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子どもには子どもの事情があって、その涙も十分重いんだよな。
大人の自分たちはそれを心に留めておかなきゃいけない。 -
ケストナーを読むなら岩波のケストナー少年文学全集。これはあまりぴんとこなかった。
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短編集。2編の短編が入ってます。病気で入院しているお母さんのお見舞いに隣町まで1人で訪ねていく少年のお話とお母さんが亡くなって新しいお母さんが来るのだけどどうしても素直に受け入れることができない少女のお話。どちらも最後にはちょっぴりホロリときます。
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「母親」をめぐる2つの掌編は、ケストナーが児童文学を書き始めた頃の作品らしい。「甘いケーキのような子供の本は書きたくない」と語っていたようだが、確かにこの掌編、カカオ濃度の高〜いビターチョコレートって感じだ。
子供が直面する厳しい現実。それは母親が絡んでいるからこそ、何だか読む側も切ないのだが、厳しいまま描いているのに息苦しくもなく、ベタベタでもなく、読後いろんなことを考えさせられる。ケストナー自身がどんな背景で、何を想いながらこの作品を書いたのかということも知りたくなる。
ケストナーの児童文学はまだちょっとしか読んだことがないので、これを機に色々読んでみたくなった。
堀川理万子さんの挿絵もとてもよかった。一歩間違えば暗くなりそうな物語をうまく彩り、子供たちもとっても愛らしかった。 -
ケストナーさんの作品はもう毎回ぐっときます。2本目の女の子が人形に聞かせる物語なんかとっても胸にぐっときます。本当に子供の涙が小さいとは限らないですよね。