ヒットラーのカナリヤ (Y.A.Books)

制作 : Sandi Toksvig  小野原 千鶴 
  • 小峰書店
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本棚登録 : 31
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338144254

作品紹介・あらすじ

ひとりの命を救うものは、世界をも救う。デンマーク系ユダヤ人の10日間の救出劇。

感想・レビュー・書評

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  • ナチス占領下のデンマークでは、ほとんどのユダヤ人が生き延びました。市民らがナチスへの抵抗運動を繰り広げる中で、ユダヤ人が安全にデンマークを脱出できるように手助けをしました。著者の父親も両親らとともにユダヤ人救出に関わりました。

  • ああ、これは良い本。
    ナチス占領下のデンマークで何が起きたのか、初めて知りました。
    作者が強調した、すべてのデンマーク人が善人ではなかったし、すべてのドイツ人が悪人ではなかった、という言葉が胸に迫ります。

  • 児童向け小説(と言っても事実を下敷きにした半フィクション)という部分に救われた気が。これ、ノンフィクションのルポだったらオブラート抜きの残酷さに読み進められなかったかもしれない。舞台をモチーフに進む、デンマーク系ユダヤ人の救出劇。当時、こんな緊張が各地でおこり、悲劇がたくさんあったんだなぁと思うと胸が痛くなります。自国の歴史も考えつつ、戦争はイヤ。でも巻き込まれたら?そう自問してしまいました。

  • こちらもしばらく前に読了。タイトルにヒットラーとあったので借りたもの。
    デンマークの話、という点では、立ち位置というか、視点のあり様が興味深いのだけど、その点がもう少し深まっていたらなと思った。冒険小説風に成功譚が語られていく感じが少しあり、どうしても、終わったことをきいている、という感覚になってしまう。これは回想調に語られているからかもしれないけれど、他人事として、ふーんそうなんだ、という以上の印象をもてなかった。リアルタイムでなく回想形式にしたのは、作者がきいた話がもとになっているからかな、と思いつつ、むしろそれがあだになっている気がしてちょっと残念。
    表紙の感じは、好き。

  • 2012年5月9日

    <HITLER’S CANARY>
      
    装画・装幀/中嶋香織

  • ナチス占領下の小国デンマークのレジスタンスたちのお話。
    デンマークでは、レジスタンスの活動で、ユダヤ人のほとんどを国外へ脱出させることに成功している。犠牲となってしまったのは、逃げることの難しかった高齢者などわずか2%だったそうだ。
    漁船などを総動員しての脱出。レジスタンスの力もあったが、本国の指導に従わないナチスの将校や下士官たちの活躍もあったそうだ。

    主人公が少年ということもあり、児童文学というカテゴリーではあるが、かなり奥深い作品で、大人が読んでも十分に考えさせられる作品となっている。
    物語はフィクションであるが、作者の身内が実際に経験したことを元に話が作られているので、とても生々しく描かれている。そして、どの登場人物もとても人間味溢れ、魅力的である。

    戦争とは何か、祖国とは何か、そんなことを考えさせられる作品です。名作です。

  • 時は第二次世界大戦期。
    ナチスドイツの支配下におかれた小国デンマークにおいて、
    民間人が命がけでレジスタンス活動を行い、自国のユダヤ人の亡命を手助けするお話。
    作者の父親の経験を下敷きにした、事実に基づくフィクション。

    少年が主人公の児童文学だけど、だからこそ、読み手がどんな国家観を持っているかに関係なく、「自国の独立と自国民の自由」のため強国に立ち向かった国民一人ひとりの行動が、いかに尊いものなのか真っ直ぐに伝わってくる。
    勇気ある人々の自発的な活動の甲斐あって、迫害により亡くなったデンマーク系ユダヤ人の数は、全体の約2%(約220人)だったそう。

    この本の精神を最も良く表していると感じた、あとがきの文章を以下に引用。
    『私は父に聞いたことがありました。なぜ家族はそんな危険を犯したのかと。すると、父は私の目をまっすぐに見てこう答えたのです。「それが、正しいことだったから」こういった教訓を決して忘れてはならないと思いました。』


    極限状態でも、「正しいこと」を行動規範にできる人間でいたい。

  • 舞台は第二次世界大戦のデンマーク。舞台女優の母、舞台美術の父、兄と姉と一緒に暮らすバムス。戦争とは縁遠い生活だったが、ある日、ドイツ軍が侵攻してくる。ドイツ軍を刺激しないようにと、何事もないように振舞う多くの大人たち。そんな中、バムスの兄は地下組織の一員として働きだす。姉はドイツ兵と恋に落ちる。そして、とうとうデンマーク系ユダヤ人の捜索が始まる。

    「デンマーク系ユダヤ人を救った物語では、すべてのドイツ人が悪人で、すべてのデンマーク人が善人だったわけではない、ということです。善人もいれば、悪人もいた。そのちがいを見極めるのは易しいことではなかったのです。」〜本文より〜

  • 09/01/29読了。

    第二次世界大戦中のデンマークの話。

  • デンマークの少年バムス。
    ナチスはバムスの住む町にもやって来た。
    大人たちは、おとなしくしていれば何もされないと言って静かに暮らしていた。
    しかしバムスの兄オーランドたち若者は、戦おうと地下組織で活動をしていた。
    バムスも最初は怖かったが、親友のユダヤ人アントンのためにも戦おうと、兄たちの組織の協力を始めた。

    ドイツ人にもデンマーク人にも、良い人もいれば悪い人もいる。
    デンマークに駐留していたドイツ兵達は、あまり厳しくユダヤ人を取り締まらなかったそうだ。
    最も反ユダヤ人運動に熱心だったのは、デンマーク人のナチス党員だったという・・・。

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