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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784338200059
感想・レビュー・書評
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平和な花のき村に5人組の盗人が来る、親分はプロの盗人だけれど部下の4人は元職人で盗みは初仕事。
部下は盗みの情報収集に村に行くけれど、素朴な村の様子に自分が盗人であることを忘れて元の仕事をしてしまったり、
プロであるはずの親分も初めて人に信じてもらった喜びを感じたり…。
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純粋で綺麗な心のおはなしなのですが、どことなく寂しさもあるような。
「村というのは心の良い人々が住まねばならぬということにもなるのであります」
6年生読み聞かせに持って行きました。
1回では終わらず2週に分けて持っていきました。
ただ読んだだけなので分かったかどうか…。
/花のき村の盗人たち
米初穂を集めに回った雲華寺の和尚さんと、大層貧乏なお百姓の菊次さん。
酒に酔った和尚さんは、つんぼが持ってきたお米をばらまきその上足で踏みつぶします。菊次さんも一緒になってお米を蹴ります。
家に帰った菊次さんは、家族に責め立てられて大層反省し、それからは物事を大事にする、しかし貧しいままの人生を送ります。
しかし何の反省もしない和尚さんは相変わらず贅沢で威張った人生を送っています。
なぜ人の世は不公平なのだろう?
しかし話はまだ終わっていません。和尚さんと菊次さんには、死んだあとの裁きがあるのです…
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因果応報というか…
何気なくさり気なくさらっと怖いよ…。
/百姓の足、坊さんの足
和太郎さんと牛はいつも一緒です。
ある時一人と一頭は家に帰ってきませんでした。
村人たちは大騒動して山探しをするのですが、次の日ひょっこり帰ってきます。
「えらく立派な屋敷があって、籠の中にはこの赤子がいて…。きっとこの赤子は天からの授かりもんだ」
そんな理屈に合わない話があるものか、という知恵物の理屈もさておき、和太郎さんもその時の赤子の和助くんも、いまでも元気です。
/和太郎さんと牛詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
花のき村を読み聞かせにつかいました。笑える内容からの急展開。新美さんの作品は全て読もうと思いました。
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新美南吉は情緒的な話が有名だけど、それだけじゃない。この本では南吉のユーモアのセンスと、深い人間愛が窺える。
「花のき村・・・」では盗人の心にもある温かさと、新人盗人の滑稽な失敗がいい味わい。「百姓の足、坊さんの足」は勧善懲悪の物語ではあるけれど、現世においては米を踏みつけたことすら覚えていない坊さんは幸せな人生を全うするところが昔話とは違う。「和太郎さんと牛」も酒を飲むと前後不覚になってしまう駄目人間和太郎さんの心のやさしさがよく出ている。南吉、これで長生きしたら、どんな作品を書いただろうと思うと、改めて早逝が惜しまれる。 -
盗人になりきれない五人の男衆が織りなす昔話。優しい心に触れると刺々しかった気持ちも和らぎますよね。
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平和そのものの花のき村へやってきた盗人5人組。親方は盗人一筋だが、他の4人は盗人なりたてほやほや。つい先日までは別の仕事をやっていた。釜を作る仕事、家の鍵を作る仕事、大道芸めいたことをしてお金をもらっていたもの、大工の息子。そんな4人が花のき村の様子を見に行ったら、それぞれ盗人らしからぬ、おかしなところばかり目に付いて親方はかんかん。こんな5人でうまいこと盗みができるんでしょうか。
新美南吉さんの作るお話は人間くさくて心あたたまります。親方の涙に涙しちゃいました。
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