花をうめる (新美南吉童話傑作選)

  • 小峰書店 (2004年7月15日発売)
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本 ・本 (191ページ) / ISBN・EAN: 9784338200073

感想・レビュー・書評

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  • 川を読みたくて借りた

  • 花をうめる
    すごく短いおはなしだったけれど、作中にあるように、「無辺際に大きな世界がそこに凝縮されている小ささ」だったと思う。黒い小さな文字しかないはずの本の世界が、果てしなく広く色鮮やかに感じられるおはなし。

  • 新美南吉の短編童話と詩や短歌。
    あらゆることが大きくて特別で鮮烈に感じられる子供の頃を切り取ったようなお話が集められている。
    大人から見れば些末な出来事も、小さな子供の目には、とんでもなく大きな魅力や恐怖や罪や美しさで迫ってくる。
    そういう頃を、美しさや切なさとともに懐かしむ大人が読んでこそ、価値を感じられる本だろうと思う。

    子供の話だけど、むしろ子供を過ぎて大人になったのに、清濁あわせ飲んで折り合うことができない青年期の話かもしれない。
    そういう場所から振り返る、まだ覚えているあいだに書いた子供の頃といった趣。

    児童書の棚にあったし、文字のサイズとルビの使い方からみても、子供向けとして出された本のはずだ。
    それにしては方言か古い言葉か、ちょっとわかりにくい表現がある。
    内容が大人向けのようなのは置くとしても、今の子供に読ませるために出しなおすなら古い言葉に注釈を入れるなどの配慮が必要だ。

    この本では、いいものを伝えるぞと熱心に考えた結果、子供に伝わるように考えることが抜けちゃっているように思う。
    「新美南吉の会」というところの編集だからか、南吉愛が勝ちすぎてるのかな。
    「子供のための本」としては作りがいまいち。


    絵は「サンタクロースってほんとにいるの?」の人。
    花の種類がわかる花は良い。文字と組み合わせた扉絵が若干怖い。

  • いや〜面白かった。
    さすが新美南吉、名作です。
    今まで「ごんぎつね」や「手袋を買いに」しか知らなかったけど…。
    この本は、動物ものではなくて、ストーリーや登場人物は、いかにも昔っぽくて、田舎っぽくて、男の子らしい、素朴な日常の話の短編集です。子供らしい心情の動きが生き生きとしてます。
    ちょっとやらかしちゃった失敗を正直に言い出せなくて、ひとりで大きく抱え込んでしまった罪悪感とか、コドモゴコロに響くお話がいっぱい。
    ノスタルジックに癒されました。

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著者プロフィール

1913年、愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。中学時代から童話を書き始め、『赤い鳥』『チチノキ』などに投稿。東京外国語学校在学中に病を得、20代後半の5年間は安城高等女学校(現・県立安城高等学校)で教師をしながら創作活動を続けた。1943年、29歳の生涯を終える。代表作に「ごんぎつね」「おじいさんのランプ」「手袋を買いに」「でんでんむしの悲しみ」を始めとして、多くの童話・小説・詩などの作品を残す。

「2024年 『だれのかげ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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