やさしいたんぽぽ (にじいろえほん)

  • 小峰書店 (2018年3月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784338261302

作品紹介・あらすじ

日がくれて、だれもいなくなった春の野原に、女の子がひとり、たっていました。エプロンのなかには、しろいこねこが、ねむっていました。野原にすててきなさいと、おかあさんにいわれたのです。

感想・レビュー・書評

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  • 安房直子さんの絵本ですね。
    絵は、南塚直子さん。

     ひが くれて、もう だれも いなくなった
     はるの のはらに、おんなのこが ひとり
     たっていました。
     おんなのこは、エプロンのなかに、ちいさな
     あたたかい ものを かくしていました。

     おんなのこは、エプロンのなかを、そおっと
     のぞきました。
     そこには、しろい こねこが、しずかに
     ねむっていました。
     このねこを、のはらに すててきなさいと、
     さっき おかあさんが いったのです。

     でも、それから あとは?
     それから あと、すてられた ねこは、
     どうなるのでしょうか。
     ああ、おもっただけでも おそろしいと、
     おんなのこは おもいました。
     「たすけて、たすけて、だれか たすけて………」
     おんなのこは、なきながら つぶやきました。

     動物の命を考える絵本ですね。

     おんなのこと、こねこに たんぽぽが 
     かたりかけて きます。

     やさしいたんぽぽとの、メルヘンのお話です。
     おんなのこの気持ちに寄り添った、安房直子さんの心やさしい物語に、南塚直子の温かで安らかな色彩の絵が包み込んでくれます。
     命の大切さを考えさせられる絵本でした(=^ェ^=)

  • 1985年に初版されているこの本。

    捨ててきなさいと言われ、白いちいさな子猫を、エプロンの中に大事に包み持つ少女。日が暮れて誰もいない野原にどうすることもできず泣きながらたたずんでいると、辺り一面のたんぽぽが光り出して、、

    第32回青少年、読書感想文、コンクール課題図書と書かれていました。
    大人が読んでも、この先どうなるの?安心していいの?なんか怖い感じもするけど、、と、受け取り方にすごく幅がある終わり方だと思うのですが、これが感想文の課題図書。素晴らしい時代だなと嬉しい驚きを感じました。

    本の方も、読み手の方も、余白をたっぷり持たせていないと成り立たないような世界観の本が課題図書。想像力が豊かで、答えを直ぐに求めないゆとりや思考力、自由さがあっていいですよね。

    優しさに包まれつつも、何か恐ろしさも内包していて、南塚直子さんの絵がまたその世界を魅力的に描いていて、印象的なファンタジーでした。

  • 捨てられる運命の、白い子猫。途方に暮れる女の子。そこへ足元のたんぽぽたちが、「やさしいたんぽぽ」になって助けてくれました。飼えない子犬や子猫を捨てた悲しい経験のある大人も救ってくれるお話ですね。

  • やさいし世界の話ですが、私はすこし怖く感じました。捨てられた命は何処へ行くのでしょうか。

  • 捨て猫、捨て犬について、考えさせられる絵本。

  • これはハッピーエンドなのだろうか。アンハッピーエンドなのだろうか。
    これを読んでやさしい気持ちになればいいのか、それとも寂しい気持ちになればいいのか。
    不思議な印象の話。

  • 安房直子 著「やさしいたんぽぽ」、2018.2発行です。子猫を野原に捨てて来なさいと言われた娘と子猫をたんぽぽが優しく包み込みます。

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著者プロフィール

安房直子(あわ・なおこ)
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。

「2022年 『春の窓 安房直子ファンタジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安房直子の作品

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