なまえのないねこ

著者 :
  • 小峰書店
4.39
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本棚登録 : 2161
感想 : 199
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338261333

作品紹介・あらすじ

商店街で暮らす1ぴきの野良猫は、八百屋や書店、パン屋などの猫が持つ「名前」に憧れている。お寺の猫に「自分で名前をつければ」と言われ、名前を探すことに。野良猫が見つけた「ほんとうに欲しかったもの」とは?

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の猫の絵にドキリ!この絵の猫にそっくりの地域猫を引き取ったことがあります。公園猫で、いろんな人に、いろんな名前で、呼ばれていました。公園の、小川の中で倒れているのを見つけ、獣医さんに連れていった時、「お名前は?」ときかれ、迷ったあげく、「ポン」と名付けました。
    ポンは、元気になると、何度ももとの公園や、あちこちに家出してしまい、そのたび首輪に付けた家の電話番号でお呼び出しされ、引き取りに行っていました。

    町田尚子さんの絵は、リアルで表情豊かで、しかも、とても可愛らしい。
    主人公の猫は、名前のついた猫達が羨ましくて、自分も名前が欲しくなります。
    お寺の猫に、自分で自分の好きな名前をつければいい、と言われ、すきな なまえ。すきな なまえ。と、町を歩きながら、さがします。
    のらねこ。
    きたないねこ。
    へんなねこ。
    そんなのは なまえじゃない。
    こら!
    あっちいけ!
    しっしっ!
    そんなのは なまえじゃない。

    雨のなか、出会った子ども。

    ほしかったのは、なまえじゃないんだ。
    と、気づく猫。

    ラストシーン、よかったね。優しい気持ちでいっぱいになります。

    かわいい猫が、たくさん出てきて、猫好きには、たまりません!おそばやさんの つきみ っていうねこが、とってもかわいかった♡

    • yukiko223さん
      返信ありがとうございます。惜しいです、キトがお兄ちゃんなのですが体が小さく弱虫なのです。
      トニは性格はおとないしいと思うんですが、とりあえず...
      返信ありがとうございます。惜しいです、キトがお兄ちゃんなのですが体が小さく弱虫なのです。
      トニは性格はおとないしいと思うんですが、とりあえずそばにいたがるんですよ。
      コロナで今結構本を読むことが多くなったんですがなかなか登録したくなる本に巡り会えません。
      わたしは本屋さんでなく図書館で借りることが多いです、、、
      新しい本読みたいですけどねー。
      2021/08/26
    • りまのさん
      yukiko223さん
      お返事ありがとうございます。
      おやおや、私の方は、読みたくて積ん読している本が、多すぎて、嬉しくも、困っています。
      ...
      yukiko223さん
      お返事ありがとうございます。
      おやおや、私の方は、読みたくて積ん読している本が、多すぎて、嬉しくも、困っています。
      ブクログ利用者さんの、本棚をのぞかせてもらって、レビューを拝見していると、読みたい本が、どんどん増えてきますよ ♡
      読みたい本、増えるといいですね (*^^*)
      2021/08/26
    • yukiko223さん
      そうですね。いろんな人の本棚みて面白そうな本もいくつさがありました。
      りまのさんの本も面白そうな本ありました。探して読んでみます!
      ありがと...
      そうですね。いろんな人の本棚みて面白そうな本もいくつさがありました。
      りまのさんの本も面白そうな本ありました。探して読んでみます!
      ありがとうございます。
      2021/08/26
  • 表紙の猫ちゃんのまん丸でグリーンの愛くるしいお目々に魅入ってしまう。

    捲るたびにたくさんの猫たちが登場。
    みんないろんな表情をして、姿をして名前を呼ばれてはすり寄ったり、見つめてみたり、無視したり、眠ったままだったりと…。
    どれも愛くるしい。
    最後は、名前とともに全員集合の絵。

    チュンチュンがダントツかな?
    いや、ぐりが気になるなぁ。などと最後まで時間かけて魅入ってしまって、閉じれない。


    ストーリーは、


    ぼくは ねこ。
    だれにもなまえをつけて貰ったことがなくて…。

    まちのねこたちは、みんななまえを持っている。
    みんななまえで呼ばれてる。

    いいな。なまえ欲しいな…。すきな なまえ。

    ウロウロとなまえを探しているうちに雨が。

     あめ、あめ、あめ。
     こころの なかが あめの おとで いっぱいに

    「ねぇ。おなかすいてるの?」

     あ。やさしい こえ。いいにおい。
     そうだ。 わかった。
     ほしかったのは、なまえじゃないんだ。

     なまえを よんでくれる ひとなんだ。


    大切なものが何かわかるという、とても優しい絵本。



    2024.2.22 ④









  • なかなかやまないあめ。
    あめ、あめ、あめ。
    こころのなかがあめのおとでいっぱいになる。

    一人ぼっちでうずくまって、やまない雨を見上げる「ねこ」。心細さが伝わってきて辛い。
    飼い主から名前を与えられた猫には分からない寂しさ。胸がきゅうっとなる。
    そうよね、本当にほしいのは名前なんかじゃない。
    本当にほしいものは……。
    最後の頁の、甘えた様子の「ねこ」の姿を見れてほっとした。

    うちの近所にも昔からずっと住み着いている猫たちがいて、住民それぞれが違う名前で呼んでいる。
    どの名前にも愛想よく返事をする猫たち。
    このくらい図々しくならないと、長年に渡ってノラとして生きてはいけない。
    上目使いで見つめる猫の姿に、人は弱いんだと分かっているはずのノラたちのふてぶてしさも好き。

  • 実にいい表情をキープしながらの、ナイスなポージングをした猫たちが、わんさか登場し、猫好きの方はもちろん、町田尚子さんの描く猫好きにも、たまらない絵本です。

    しかし、物語は、なまえのないねこが、名前のあるねこたちを羨ましそうに眺めつつ、孤独にさまよい歩く姿が多い上に、その眺める姿は、かなりの遠目からの視点ばかりで、じゅげむを眺める絵なんて、もう細かい表情が描けないくらいの遠さで・・おそらく、中に入ると追いだされると思って、自ら遠慮しているのだろうが、それがなんとも切ない。

    ただ、それでも、なまえのないねこは、自分に合うなまえを探し続ける中で、自ら答えを発見する。

    私は現在、ペット禁止の賃貸に住んでいるので、飼い猫はいないのですが、以前、自然の多い大きな公園によく行っていたときに、たくさんのノラと何度も交流したことがあり、それぞれに、やんちゃなところやのんびりしたところ、愛おしいところ等々、みんなそれぞれに素敵なところがあって、可愛くない猫なんていないと思ったものです。

    本書は、そんな素敵なところを見てくれる人に、いつかきっと出会えるよといった、希望の物語であるとともに、どんな猫にだって素敵なところがあることを、教えてくれたようにも感じられて、それまでの思わず笑ってしまいそうな、いい表情とはまた違った、なまえのないねこの、答えを発見したときの真摯な表情に、町田さんの猫愛を感じられました。

    そうそう、猫愛といえば、表紙と裏表紙それぞれの見返しが、ちょっとしたクイズになってまして、読んだ後に楽しめるようになってますが、かなりマニアックで、なかには答えられないものもありますが(そりゃそうだなのですがね)、自称町田さんの猫の絵好きな方は、ぜひ挑戦してみましょう。

  • りまのさん、たださんの本棚から図書館予約

    表紙を見て「これはなっちゃん!」
    思わず抱きしめました。うりふたつ。
    キジトラはありふれたネコなのですが……

    我が家のキジトラ「なつき」は14年前、保護ボランティアさんから譲り受けたのですが、ハッポ―スチロールの箱に入れられ箱は紐でグルグルくくられ「開けるな」と書かれていたとか。
    虐待されていたようで、噛みつく癖がなかなか抜けませんでした。今はおっとり過ごしています。

    我が家の話をしたくなるそんな絵本です
    「メロン」ちゃん、元気でねー!

    ≪ ほしいのは 名前をよんで くれる人 ≫

    • たださん
      こんばんは。
      お返事ありがとうございます。

      置かれていた場所、悲しいものがありますね。猫も人間同様、同じ世界で生きているのに。

      長月だか...
      こんばんは。
      お返事ありがとうございます。

      置かれていた場所、悲しいものがありますね。猫も人間同様、同じ世界で生きているのに。

      長月だから、「なつき」さん。
      素敵な名前だと思いました。
      静かなのは、はじめの頃に悪いことしてしまったなという、後悔心があるからかもなんて、勝手に想像してしまいましたが、末長く、幸せに生きてほしいと思いました。
      2023/09/20
    • はまだかよこさん
      たださんへ
      これからもよろしくお付き合いくださいませね
      たださんへ
      これからもよろしくお付き合いくださいませね
      2023/09/21
    • たださん
      はまだかよこさん
      こちらこそ、こんな私で良ければ、よろしくお願いいたします(^_^)
      はまだかよこさん
      こちらこそ、こんな私で良ければ、よろしくお願いいたします(^_^)
      2023/09/21
  • 表紙の猫の絵にくぎ付け。
    大人にも響く絵本です。

    商店街で暮らす一匹の野良猫。
    追われては逃げたり、「きたないねこ」「へんなねこ」と呼ばれたりしています。
    近くで暮らす猫たちにはみんな、それぞれに名前がある。
    そのことに気づいた猫は、自分も名前が欲しいと思うのですが。
    「自分でつけたらいい」と言われ…?

    飼われている猫たちが登場、個性ある顔つきや色柄、住んでいるところ、リアルなタッチです。
    いかにも猫な表情が秀逸。
    外暮らしで毛並みはあんまりきれいじゃないけれど、澄んだ緑色の目をした猫。
    ある日、公園のベンチの下から見上げた猫に気づいてくれた人が…

    猫が本当に欲しかったものは?
    切なく、暖かい気持ちにさせてくれます。

  • 超ハートフル。町田さんの猫の絵も味があっていい!
    裏表紙を開けたところに沢山の猫と名前が書いてあります。子供は、この名前を覚える事にとても夢中になりました。

  • 町田尚子さんの絵が可愛すぎる! なまえのないねこの目線や表情が切なすぎる! ラスト、「メロン」と呼んでくれる人に、遂に出会えました。よかったね。うるうるしました。
    前の見返しに、描かれたたくさんの猫や犬たち、後ろへ行くと、みんなに名前が付いています。もちろん、メロンもいます。ここも泣かせますねえ。

  • 9月動物愛護週間があるので、動物の絵本。
    名前を呼んでくれる人が、素敵な飼い主との出会いがありますように。猫好きにはぜひ読んでほしい。作者の、猫への気持ちが伝わる。

  • 名前を探す猫に切なくあたたかい気持ちになる。
    猫たちの表情も愛嬌があって良い。

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著者プロフィール

1957年、福岡県に生まれる。東京学芸大学在学中に童話集『星とトランペット』でデビュー。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで路傍の石幼少年文学賞を、『ひらけ! なんきんまめ』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。『なまえのないねこ』で講談社絵本賞など6つの賞を受賞。主な作品に「のりものえほん」シリーズ、『まじょのむすめワンナ・ビー』『トリケラトプスのなんでもないいちにち』『しゃっくりくーちゃん』『ねえだっこして』『にげろ! どろねこちゃん』『なんでもモッテルさん』などがある。静岡県在住。

「2022年 『三日月島のテール 行くぜっ! 海の宅配便(全5巻)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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