本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784338261388
作品紹介・あらすじ
かさやさんが雨の日に町を歩いていると、傘を差さずにぽつんと立っている女の子に出会います。その子に傘を作ってあげることになりますが…。
1983年に刊行された同作(岩崎書店刊)を南塚直子が銅版画で全面的に描き直した、教科書にも掲載された名作絵本。
感想・レビュー・書評
-
安房直子さんの文章と、南塚直子さんの絵による本書は、1983年に岩崎書店から発行された「青い花」(作者それぞれ同じ)の絵を、銅版画で全面的に描き直したものだそうです。
南塚さんの絵にはメルヘンチックな可愛らしさがあって、それは『まるで青いやねの いえのなかにいるみたい』と、安房さんならではの素敵なセンスで表した青い傘のイメージを見事に再現した、表紙の絵からも明らかでありながら、それが銅版画で描かれることによって、色の独特な滲み具合や、まるで砂を散りばめたような質感のある細やかさも加わることでアンティークのような雰囲気を醸し出し、それがまたメルヘンチックな可愛らしさと不思議な調和を為している。
しかし、その一方で、同じ色の傘を差したたくさんの子どもたちを俯瞰して描いた絵に感じられた顔の見えない怖さは、純粋さを象徴としたメルヘンの裏返しのようにも思われた、そうした感覚は銅版画に於いて先が滲んで太くなったり、尖って鋭角に見える線の描写にも感じられて、それが本編の物語に於いて降り続ける『細い雨』の痛々しい描写に、心の痛みとも感じ取れるようなやりきれない印象を重ね合わせることによって、安房さんの物語をより引き立たせる効果を与えているのだと思う。
そんな安房さんの物語は、どんなに忙しい時もせっせと仕事をし続けながら立派な腕前も持った、小さい傘屋の若者が主人公で、ある日、外で傘も持たずに雨に打たれていた女の子のために青い傘を作ってあげたら、それを知って多くの女の子たちが傘屋を訪れては「私も作って」と、どんどん注文が入るようになり、以前は傘の修繕もしていた傘屋であったが、そのあまりの忙しさに修繕は断るようになっていく。
人生とは中々思うようにいかないもので、自分のペースで丁寧にやりたいのと、お客様のご要望にも応えなければならないのとで板挟みとなってしまう姿を見る限り、おそらく真面目な性格なのだろう、何でも一生懸命にやることは別に悪いことでは無いと思うが、そこには量より質という言葉もあるように、無心に我を忘れて仕事をこなすことによって、見えなくなるものも出てくるのである。
それはいつかの女の子が、傘屋の作ってくれた青い傘を見て言った、『海の色ににているわ』や、上記した『このかさをさしていると、まるで青いやねの いえのなかにいるみたい』にも表れていたように、その時の傘屋は、それ一本を女の子のために夜遅くまでかかって念入りに作り上げた、心のこもったものであったという、ただそれだけのことが、その他の青い傘とは似ても似つかぬ大きな違いを生み出した、それは見た目の問題ではなく、そこから放たれる内面の問題なのであり、そうした誰かを思う気持ちというのは、時に命すら創造しうる程の力を自分以外のものの喜ぶ姿という形で変換させてくれるのだろうと思わせた、そんな本書のエンディングは、ハッとさせられるような切なさと美しさを秘めていたのであった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
雨の季節にひらきたい絵本。きれいだけれど少しこわい、さみしさのある安房さんのお話と、繊細な色と線をもつ南塚さんの銅版画。
きれを選び、クリームソーダを飲むところの絵がいいなぁ。
青い雨がさが売れに売れて、こわれたかさを「みるのもいや」になった・・・というかさやの心構えの変遷はなんとも生々しくてドキリとする。
かさを直してほしかったあじさいの女の子は、咲くまでしか動けなくって、その間にもう一度かさやと出かけたかったのかもなぁ、なんて思ったり。 -
色んな捉え方のできるお話でした。読み聞かせおわり私はハッとして、子供はなんだか怖いと(笑)。
-
安房直子は好きな作家だ。「きつねの窓」は忘れることのできない名作。
南塚直子と組んだ絵本もよかった。
そのコンビによる「青い花」であるから、よい絵本になっていることはいうまでもない。
安房直子作品の雰囲気をうまく視覚化していると思う。
-
女の子が儚げで可愛いです。
絵もやさしい青で素敵です、
世にも奇妙な物語のかわいいバージョンっぽい感じの絵本でした。
最後のページはいったい、どういう意味なんだろう?
前向きなのか、後ろ向きの意味なのか…
見る人によって捉え方が変わる気がします。 -
戴いた絵本。
なんだろーね。僕は苦手でした!
著者プロフィール
安房直子の作品
本棚登録 :
感想 :
