オオカミを森へ (Sunnyside Books)

制作 : Katherine Rundell  Gelrev Ongbico  原田 勝 
  • 小峰書店
3.50
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本棚登録 : 44
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338287159

作品紹介・あらすじ

ロシアの森深く、母親とオオカミたちと暮らす少女フェオ。ある日、残忍なラーコフ将軍が現れ、オオカミを保護した罪で母を連れ去ってしまう。少女はオオカミを連れ、元兵士の少年と共に、母を取り戻すため旅に出る。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の絵がいい。挿し絵も。この絵の良さで半分は勝ったようなものだ。
    オオカミ飼育に関する設定は子どもはあとがきを読むまでフィクションとは思わないように思うので、いいとしても、12歳の少女がいくら小柄でもオオカミに乗れるのか、オオカミは乗せて走れるのかという疑問は残る。ましてや少女より30㎝も背の高い少年が乗れるのか?まあ、フィクションなんだから、現実世界のオオカミよりずっと大きく乗りやすいのだろうと思うしかない。大型の肉食獣に乗って走るって、絵的には格好いいもんね。
    しかし、子供だけで敵地に乗り込むのはさすがにちょっとへん。一番下は5歳とあればなおのこと。
    いっそ、革命前のロシアではなく、架空の土地のファンタジーにしたら良かったのではないかと思ってしまう。
    獣を味方にできる、闘う少女。私の脳内では完全にジブリアニメで再現されました。

  •  百年ほど前のロシア。貴族たちはオオカミを飼うことをステータスとしていた。しかし手に負えなくなったりすると、オオカミ預かり人に託し、野生に返してもらっていた。

     フェオは母親とともに、森でオオカミ預かり人をしていた。クロとシロ、ハイイロの三頭のオオカミと平和に暮らしていた。
     ある朝、突然ラーコフ将軍が、フェオのオオカミが皇帝の猟場のヘラジカを殺したと、押し入ってきた。さんざん家の中を荒した末に、次にフェオとオオカミが一緒にいるところを見たら容赦しないと言い残して行った。

     その後、ラーコフ将軍に狙われたフェオは、母親と離れ離れにされてしまった。
     連れ去られた母親を助けようと、親しくなったイリヤという少年兵とオオカミたちと、サンクトペテルブルクを目指した。
     

  • 今から100年ほど前のロシアに、母親と一緒に人里離れた森で暮らすフェオという名前の少女がいた。母親のマリーナは、大きくなってしまったペットのオオカミを引き取り、森に返すのを仕事にしていたので、フェオとオオカミ達は本当の家族、親友だった。ある日、軍の指揮官ラーコフがやってきて、オオカミを殺そうとし、逆らったマリーナを逮捕してしまう。ラーコフをスキー板で殴りつけて逃げ出したフェオは、母を救うため、オオカミたちと旅立つ。
    狂気の軍人ラーコフとオオカミ少女フェオの戦いに目が離せない。子どもたちが力をあわせて監獄を襲撃するラストが圧巻です。

  • ロシア貴族たちは、オオカミを飼いならし、飾り立て自慢していたが、手に負えなくなるとそれを手放した。不幸なオオカミたちを森に返すのが、「オオカミ預かり人」の仕事。フェオは、母親のマリーナとその仕事を請け負うため、森の中で暮らしていた・・・という魅力的な設定で始まる物語。
    フェオと、または人間と狼との関わりについて描かれているところはとても興味深かった。オオカミはフェオでさえ言うことを聞かせることはできないのだ。次の行動はオオカミに委ねられており、自分の思い通りにはならない。オオカミという動物の素晴らしさを知った。
    何より表紙の絵に引き込まれてしまう。挿絵も素晴らしかった。

  • 今から百年前のロシア。幸運を呼び込むと手に入れたものの、大きくなるにつれて手に余ってしまったオオカミを引き取り、森へ帰すことを生業とするオオカミ預かり人がいた。森で母と二人で「預かり人」として暮らすフェオは、ある日ラーコフ将軍からオオカミはすべて殺すよう命令され、憤る。その後は隠れてオオカミとの生活を続けていたが見つかり、家は焼かれ、母は捕らえられてしまった。兵士でありながらフェオとオオカミに好意を寄せ協力してくれるようになったイリヤとともに母の救出に向かうフェオを、ラーコフも執拗に追う。そんな彼女たちに、吹雪から助けてくれた青年アレクセイは、革命の手助けをしてくれるのならと、協力を申し出る。

    革命前のロシアを舞台に、オオカミを友とする少女と、その少女に魅せられた少年、革命を起こそうと躍起になる青年と怖気づく村人……、自然と動物と人間模様を織り交ぜたアドベンチャーファンタジー風の物語。

    始めは、厳しい自然と「預かり人」としての生活が描かれる。オオカミは狩りの仕方だけでなく、人を信用しないことも教えられるし、人の言いなりにはならない、と。ところがフェオは、母の救出のために、オオカミの背に乗り、そりを引かせ、最後には自分とともにオオカミも襲撃に参加させている。
    また、彼女と子どもたちが母を助け出すためにクレスティ刑務所を襲撃し、それが革命の火種になったとあるが、あまりにファンタジー。子どもたちに戦い方を仕込む場面もあるが、戦い後に傷ついた子どもたちのことには触れられない。全員無傷とは信じがたい。
    また、イリヤがバレエ学校に勧誘された件も、でき過ぎだ。イリヤは兵士で、いつも踊る練習ができたわけではなかったのに、彼の跳躍を一目見ただけで有名ダンサーらしき人が、わざわざ隠れ家を探してスカウトに来ている。イリヤだってここの学校は気になっていて、今までも覗いては真似していたのに。
    ……等々、ツッコミどころ満載です。

    残念ながら私には、作者が何を描きたかったのか最後までわかりませんでした。

  • これは勇気と気高さの物語だと思った。

    ある種のファンタジーだが、夢と魔法があってキラキラとしているわけでなく、もっと現実的な雪の中の真っ白な世界が広がっていた。

  • 革命前夜のロシアを舞台に、「オオカミ預かり人」(作者の創造した架空の職業)の少女フェオを主人公にした、一種のファンタジー。魔法が出てくるわけではないが、職業そのものと、オオカミを飼いならすことという、ふたつの屋台骨が架空の設定というのがちょっと落ち着かないんだけど、そこを飲み込んでしまえば、あとはフェオのたくましさに、オオカミたちのけなげさと頼もしさに、元少年兵でダンサーの素質を持つイリヤのすてきさに、ぐんぐんのめり込まずにいられない。結局作者は、非道なものに立ち向かう勇気や、子どもたちの秘める力を描きたかったのかな。でもそんな理屈は置いておいて、取りあえず頭から飛び込むのが吉。そういう熱い物語です。

  • 革命前のロシア、貴族たちはオオカミを飼うことがステイタスシンボルだった。しかし、オオカミは人間に飼われても野生を忘れることができず、飼いきれなくなる。そこで、オオカミ預かり人にこっそりと森へ返してもらっている。フェオは預かり人の母親と森のはずれの小屋で暮らしている。森へ返す訓練中のシロとクロとハイイロの3頭のオオカミと一緒に。
    そこへ、皇帝の権力をかさに着た暴力的な将軍ラーコフがやってくる。ラーコフに一番仲の良かったオオカミ・ハイイロを殺されたフェオ。母親もラーコフに捕らえられてしまいます。フェオは、ラーコフのもとから抜け出した少年兵イリヤと、母親を救うために刑務所のあるサンクトペテルブルグに向かいます。
    最後は、フェオたちに味方する子どもたちの力を得て、虐げられていた人々とともに反逆に出ます。

    作者はイギリス人。ロシアの貴族がオオカミをペットにしていたというのは、フィクション。

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