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本 ・本 (193ページ) / ISBN・EAN: 9784338308076
作品紹介・あらすじ
長野県南部、天竜川上流域を中心に伝わり、国の無形文化財にも指定されている「コト八日行事」。優斗たちが暮らす地区では、二日間にわたるコト八日行事のすべてが子どもたちの手にまかされ、行われるのだ。コロナ禍で行事の開催自体があやぶまれる中、はたして優斗と仲間たちは、家々にすくう疫病神を祓い、無事地区境まで送ることができるのか? さまざまな困難に立ち向かい、自らの責任を懸命に果たそうとする子どもたちの姿を鮮やかに描く。
感想・レビュー・書評
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2022年読書感想文コンクール夏の課題図書 高学年の1冊。
https://www.dokusyokansoubun.jp/books.html
優斗の町には、無病息災を祈り子供たちだけで行われる祭事「コト八日行事」がある。
子供たちそれぞれが役職を持ち、話し合い、ルールを作り、大人たちはしっかりと後ろ盾になり、当日の祭事に臨む。
主人公の優斗は、そもそも神様っているの?なんのためにやってるの?神様がいるならコロナなんてひねりつぶせるはずじゃん。2月の寒い山の中でなんでそんな苦労をしなければいけないんだ、という考えを捨てきれない。
しかし祭りを通して、祭りが必要になるような人間と疫病との戦いの歴史を考えたり、町の人々の思いを知ったり、それらを今自分の代が背負っているということを感じて、自分たちだけでしっかりやろうという気持ちになってゆく。
人知を超えることを起こす存在はたしかにある。人間がとんでもない厄災に襲われることも有る。しかし誠実に努力する人間は見捨てらることはない。人々の思いは継がれてく。
神様が実際にいるかいないかということよりも、人々を繋げたり継いでいくために神様という象徴がある、と思います。
小学生たちが真冬の山の中での祭事をやり遂げる場面は、親の立場である私としてはじーんとします。 -
今年の、高学年夏休み読書感想文の課題図書です。
長野県の南部、天竜川が流れる伊那谷一帯では、二月のはじめ、人々の無病息災を祈る「コト八日行事」が、各地で行われます。江戸時代に疫病が流行ったとに、それを鎮めるために始まったそうです。400年もの長い歴史を持つこの行事は、2011年に、国の選択無形民族文化財になりました。
この本の主人公である小学6年生の優斗たちが暮らす地区では、二日間に渡るコト八日行事の全てを子供たちが取り行います。
コロナ禍で、行事の開催自体が危ぶまれる中、優斗たちは様々な困難に立ち向かっていきます。
今の、コロナ禍を取り上げた物語です。
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娘が借りてきた児童書ですが、コロナウイルスの話題も登場し興味があったので読んでみました。
昔から繰り返される疫病との闘い。
昔は薬もワクチンもない中、神に祈るしかなかった。疫病退散の『コト八日行事』に積極的に参加することになり、優斗の考えも少しずつ変わっていく。
地域の人々を守るため、子供達が長年受け継いでいる『コト八日行事』は神様を信じる者には強い力となり、あまり信じていない者にとっても少しでも希望をもってすがるものとして意味のあるものだと思う。
昨今、行事が見直され廃止されたり、縮小してしまうものも少なくないが、その行事の本質を考えるのは大事なことである。
参加しなければ大事なことに気付けなかった優斗は来年は見事な頭取を努めることができるだろう。 -
2022高学年課題図書 長野県飯野の集落に400年前から大切にされている「コト八日行事」に取り組む子供たちの物語。コロナで辛い思いをしてたり、逆に平穏な日々を送っていたら「神様っているの?」と思うだろう。昔から伝わる行事って決まりも多く大変だが、成し遂げる事で人間的に成長し、心の深い所で得るものは、必ずある気がした。
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R4年度読書感想文課題図書高学年向け
長野県伊那谷一帯で行われるコト八日行事をモデルに、実際に子どもたちだけで行われている疫病神祓いの様子をフィクションでお話に仕立て上げている。主人公は来年から頭を勤めなければいけない高学年の優斗。神さまなんていないのでは?こんなことやってなにか意味あるのか?朝早い、寒い、重い、眠い、キツいと感じたり悩んだりする様子にきっと共感して読めると思いました。 -
すごくおもしろかった。
最初は神様なんていないって、行事をばかにしていた宇希が、だんだんがんばるようになって、変わっていって、最後には、コロナなんか消えちまえってさけんだのが、いいなって思った。
ゆうとも、最初はいやいやだったけど、がんばって、しっかりたいこをかついでいたのがかっこよかった。
ぼくは、神様はいるんじゃないかと思う。ぼくも、コト八日の行事に参加してみたい。(小5) -
伝統行事を過疎の子どもだけで繋いでいく。寒いのに、眠いのに、痛いのに。よくがんばりました。
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子どもだけで行う地域の伝統行事に興味がもてない優斗は、これまでいやいや参加をしてきた。でも、来年は頭取という一番上の立場に立たなくてはならない。
今年の頭取の凌さんがけがをして、急きょ優斗が代役をすることになった。
著者プロフィール
熊谷千世子の作品





