地獄のお囃子 (鬼遊び)

  • 小峰書店 (2019年6月24日発売)
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本 ・本 (157ページ) / ISBN・EAN: 9784338330022

作品紹介・あらすじ

日暮れまで遊んではいけないよ。いつのまにか鬼が遊びの仲間に入ってしまうから……。知らずに鬼をよびよせてしまった子どもたちに訪れる「恐怖」を描く、連作短編集。不気味なお囃子があなたを鬼の遊びに誘います。

感想・レビュー・書評

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  • 夏遊び+闇に隠れるアヤカシ。
    決して連れこまれないように、最後はしっかり本を閉じて…

    鬼遊びシリーズ第2弾。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    不思議よりもホラー寄りのお話ぞろいの短編集。
    前作の「鬼遊び ~鬼よぶわらべ歌」よりも、今回の「鬼遊び ~地獄のお囃子」は、得体のしれないあやかしによる怖さ、不思議さが強めの話が多かったです。
    また、前作である程度、お話の「怖さレベル」がわかったため、前作よりは怖さのハードルも下がり、読み切れました。

    今回のお話のなかで、最後の一行までしっかり“効いているなあ~”と感じたのは、「金魚すくい」というお話でした。
    ラストから2ページで明かされるからくりに、「そうだったのか!」と腑に落ちました。

    鬼遊びシリーズも、残すところ“秋”と“冬”の遊び編です。
    四季に合わせて1冊ずつ刊行されているこのシリーズ。
    他のシリーズも進めながら、鬼遊びシリーズでは、四季の“遊び”と怖さを混ぜ合わせたお話を次から次へと生み出される廣嶋さんのすごさに、驚くばかりです。

  • 盆踊りは特に怖かったです。子供向けとは思えない物語でした。大人になった今、チエちゃんほどのことはないにしろ一つや二つは忘れたい思い出があると思うんです。だからこそ大人になるほどこの物語が怖いとおもうのかもしれません。そんな思いを持って読んだのは私だけ?

  • 怖くて悲しい話もあるけど、双子の赤ちゃんを救った話はとても感動した。私のまだ生まれてこない赤ちゃんも鯉の背中に乗ってくるのだろうか。

  • 心が温まるお話もあれば、背筋が凍るようなお話も。鬼遊びシリーズの第二弾は夏が舞台。昔からの約束を守ることで人はどうにかバランスをとり、生かされているのかも。

  • こわい。ゾクゾクします。救われる子どももいますが…。
    暑い夏にはもってこいのシリーズかもしれません。
    こんなにたくさんお話を考えられる作者の廣嶋さんってすごいわ。
    秋と冬もよんでみます。


    始まりのお囃子

    影ふみ←助かってよかった
    蛍狩り←蛍じゃなかった!
    金魚すくい←シンだったのか
    飛びこみ←ちょっと感動
    盆踊り←こわい
    肝試し←こわい

    終わりのお囃子
     

  • 夏祭りのお話だけど、怖い
    短いお話が集まっているから読みやすい

  • 「鬼」の中には過ちを犯した子供達を反省させるためにも出てくるんだなって思いました。ただ怖がらせるだけじゃないっていうところが鬼たちのいいところなのかなって思いました。

  • 銭天堂と同じ作者さん。『鬼』という言葉にひかれた。
    このシリーズ4冊あって、春夏秋冬らしい。この『地獄のお囃子』は夏。

    面白かった。
    6つの短編。

    始まりのお囃子、終わりのお囃子は、最初と最後の『歌(?)』みたいなもの。これだけでも雰囲気があってすごくいい。

    ・影ふみ
    影ふみをしていたら、友人が影鬼に捕まったという物語。
    最初は居残りをさせるというのは現代に近いのだろうか……と思ったけど、着物姿なので『異世界』だと思う事にした。和風で古風な世界。たぶん現代的価値観の方が、『合う』からそうなのだろうけど。この後も細部の違和感があるけど、深く考えても仕方がない。子供用の物語なのだから『分かりやすく、共感できる』が優先されているのだろう。
    そこまで深く考える必要もないし、物語は面白い。

    捕まった友人を助けるために、鬼と影ふみをして代わりのぬいぐるみを差し出して友人を助け出す。鬼の過去話と、アドバイスをくれるおばあさんのお話がいい感じに怖い。安定した怖さがいい。

    ・蛍狩り
    捕ってはいけないと言われていた蛍を捕った男の子の物語。いけない事をした男の子は最後には声を奪われてしまう。
    教訓ものみたいだなと思う。男の子の意地の悪さがいい。

    ・金魚すくい
    捕ってはいけないと言われていた金魚を捕る男の子の物語。
    上の蛍狩りと似た感じで、オチが違う。金魚が取れる緑沼の話をしてくれた薬屋さんも実は昔金魚を捕って、金魚にさせられる代わりに百人の子供を差し出す。似ていると思ったけど、ラストが全く違うのでゾッとさせられる。

    『薬屋さん』となっているけど、売薬さんなのかな。子供向けには『薬屋さん』の方が分かりやすい。村々を回って薬を売る人となってる。

    ・飛びこみ
    生れてくる弟妹と母親を助けるために青ヶ淵に飛び込む少年の物語。
    底には大きな鯉がいて、その上に生まれるはずの赤子が乗っている。赤子を助ければ母子ともに助かる。
    ほっこりする物語だけど、ちゃんと危険も書かれている。飛び込みが無事に済むのか、赤子を助けられるのかとハラハラした気分を味わえた。

    ・盆踊り
    お祭りに参加する少女の物語。
    知らない里の祭りに紛れ込んだ少女は、お面を付ける事と、知ってる人を見つけても名前を呼ばない事を約束して祭りに参加する。しかし、名前を呼んでしまって……。
    お面の祭りはドキドキする。
    そして少女の過去はもっと、ヒヤリとした。これが『地獄のお囃子』なのかなと思った物語。

    ・肝試し
    怖がりの少年が化け物の助けを借りていじめっ子をいじめ返す物語。
    痛快な仕返しもの……なのかと思えば、ラストの化け物の思惑の方が怖かった。
    『一度人を呪うことを知った子どもは、必ずまたやってくる』
    少年はいじめっ子がいじめられる事に快感を覚えてしまった……という物語。



    最後までドキドキ ヒヤヒヤして、面白かった。

  • また表紙詐欺だよ!!!!!!!!!!!!みんな逃げろ!!!!!!!
    語り部が結局元凶かーいオチ、本当に後味悪いよな…。
    でも赤ちゃんとお母さんのために飛び込む男の子の話は、いい話だったな…なんか…。
    あと、きっとこの後この主人公はダメになっちゃうだろうな…オチ。怖いよね…。

  • 遊びの中にも恐怖が潜んでる。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。『水妖の森』で第4回ジュニア冒険小説大賞、『狐霊の檻』で第34回うつのみやこども賞受賞。作品に『送り人の娘』、『おっちょこ魔女先生』、『盗角妖伝』、「怪奇漢方桃印」シリーズ、「秘密に満ちた魔石館」シリーズ、「十年屋」シリーズ、「鬼遊び」シリーズ、「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。

「2023年 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂1・2・3(3冊セット)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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