ゲノム配列情報解析 (バイオインフォマティクスシリーズ 5)

  • コロナ社 (2024年7月25日発売)
0.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 12
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784339027358

作品紹介・あらすじ

【書籍の特徴】
・ゲノム配列情報解析に必要な,生物学の知識とプログラミングの技術を同時に記載し,プログラミング言語Pythonの解説も加えた。本書で紹介した手法や解析などの一部は,Pythonを用いることで体験することができる。
・実際の解析の現場で参照するため,ゲノム解析で使われるデータファイルのフォーマットを付録にて解説した。

【各章について】
1章:コンピューターの仕組みを概説し,ゲノム解析に必要な計算機資源の概略を述べる。また,DNAまたはアミノ酸配列をデータベースからダウンロードして,実際に扱う。さらに,圧縮とハッシュやPythonの利用方法,計算量の評価方法についても解説する。
2章:ゲノム配列解析のスタートとなる,DNA配列決定法について解説する。DNA配列決定はDNA 分子の特徴を巧みに利用しているため,前半でDNA・RNAの分子の性質を取り上げ,後半で文字列検索のアルゴリズムを紹介し,ゲノム配列を復元する方法を扱う。
3章:ペアワイズアラインメントについて解説する。その際に必要となる,分子進化学やアミノ酸配列と翻訳についても取り上げ,ペアワイズアラインメントのアプリケーションの実行方法も解説する。アラインメントで広く使われているMAFFTのアルゴリズムも解説する。
4章:解析対象の配列が複数ある場合の,分子系統樹推定方法と,マルチプルアラインメントを解説する。進化距離推定法,分子系統樹再構築法,多重配列アラインメント推定法の順に,さらに分子系統樹を多重配列アラインメント推定に活用する方法も解説する。最後に,反復改善法を解説する。
5章:ゲノム配列情報の意味を解読する方法をいくつか紹介する。特に,ホモロジーサーチ法を解説し,その手法で広く使われているソフトウエアBLASTについて使い方も含めて紹介する。また,遺伝子配列に対し,機能などの情報をつけていくアノテーションには,生物学情報データベースが活用でき,そのデータベースを簡単に紹介する。最後に,実験をもとにした機能解析とのかかわりも紹介する。

【著者からのメッセージ】
本書では、最新のゲノム解析技術について詳しく解説しました。ゲノム解析手法を学びたい生物学・医学の学生と研究者はもちろん、ゲノム解析分野に取り組みたい情報科学の学生・専門家にも役立つ内容となっています。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • コロナ社読者モニターレビュー全文へのリンク
    https://www.coronasha.co.jp/np/resrcs/review.html?goods_id=8297
    読者モニターレビュー
    【 1010mark 様(業界・専門分野:情報系)】
    掲載日:2025/04/11
    端的に言えば、よくまとまっていて興味深い本だと思います。
    普段は情報科学に携わっている私は、隣接領域である生物科学にも関心がありました。しかし高校生の頃、生物で挫折した苦い経験があったため、なかなか手を出せずにいました。そこでちょうどよい本があったので、本書を手に取りました。
    特に印象的だったのは、生物科学にも情報科学にも不慣れな読者にも配慮されている点です。第一章では情報科学の基礎から解説し、第二章ではDNAの基本を扱います。さらに付録にはPythonの基本文法から統計関連の関数まで網羅されており、手厚いサポートが提供されています。このような構成から、本書はどちらの領域にも自信のない読者にもおすすめできます。
    また、生物科学の解析にアルゴリズムがどのように応用されているかが紹介されている点も興味深かったです。情報系の研究者として普段はDPやハッシュテーブル、FFTを何気なく利用していますが、本書ではそれらがk‑mer法や相互相関関数(アラインメント推定のための)など、多様な文脈で応用されていることが示されています。これにより、アルゴリズムの理解が一層深まりました。
    総じて、本書は生物科学と情報科学という一見異なる分野を、読者に優しくかつ本質的に橋渡ししてくれる一冊です。単なる入門書にとどまらず、両分野の知識が相互に作用し合い、新たな視点を提供してくれる構成には深く感銘を受けました。生物科学と情報科学の交差点に少しでも関心があるなら、この本は必読です。


    【 iden 様(業界・専門分野:バイオインフォマティクス)】

    掲載日:2025/02/07

    ゲノムアセンブリに用いられるツールは、コマンドを実行するだけで解析が可能ですが、「なぜそのソフトを使うのか?」と問われたときに、「この分野で皆が使っているから」と答えるだけで良いのかと疑問に思うことが多々ありました。
    Bowtie2、SPAdes、BLASTなどの汎用ソフトの元論文を辿れば、それらがどのようなアルゴリズムで動作しているかは記載されています。しかし、初学者が論文からアルゴリズムを理解し、ツールを自身の研究に最適化して使用するには大きなハードルがあります。
    本書は、ゲノムアセンブリやマルチプルアライメントのアルゴリズムを日本語で丁寧に解説した貴重な一冊です。研究を始めたばかりの人が分野の全体像を掴むための入門書としても最適であり、また、論文を読み進める中で生じた疑問を補完するのにも役立ちます。
    さらに、簡易なPythonコードがGitHub上で公開されているため、手を動かしながら理解を深めることができます。
    総じて、本書はゲノム解析に興味がある全ての人におすすめしたい一冊です。

  • 請求記号 467.3/Mi 51

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

早稲田大学理工学術院 先進理工学部 教授

「2018年 『よくわかるバイオインフォマティクス入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浜田道昭の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×