人間中心のAI社会とデータサイエンス MDASHリテラシーレベル準拠
- コロナ社 (2025年3月14日発売)
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感想 : 5件
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784339029499
作品紹介・あらすじ
【読者対象】
本書は,文部科学省「数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度 (MDASH)リテラシーレベル」の教科書です。さらに本書にはより大きなねらいがあります。生成AIなど急速に進展する情報化社会の中で,戸惑いや不安を感じている多くの方が,人間中心の観点から的確に判断や行動するのに必要な知識や思考法などを学ぶためにも広く役立つことを願って書かれています。
【書籍の特徴】
情報通信分野の専門家の監修のもと,心理学,教育学,社会学のバックグランドを持ち情報学にも長けた著者が執筆していますので,AI やデータサイエンスの基礎や特性,課題などについて,人類進化の背景や,人間の認知特性,持続的社会の発展,人間発達や教育などの幅広い問題を示しながら議論を深めています。AIやビックデータによって人間が支配されてしまうディストピア的観点がとかく強調されがちですが,本書には人間中心の社会を持続的に発展させるヒントがたくさん示されています。
【各章について】
1章と2章では,テクノロジーの進展が人類社会の歴史に及ぼしてきたインパクトを振り返り,AI がこれほど重要視されるようになった道筋を未来社会への展望とともに解説します。
3章と4章では,AI の歴史,その定義と分類について解説します。また生成 AI の誕生のインパクトと,様々なサービスが展開されつつある生成 AI の現状について,その利点とともに種々の問題についても解説します。
5章から7章では,AI社会の課題や倫理的な問題と,AI が人間を超えるとされる技術的特異点(シンギュラリティ)に関連する深刻な問題を紹介します。「人間中心の AI 社会原則」に基づくことよって人間らしい活動がより明確化される可能性について考察します。
8章から13章は,AI社会で極めて重要な役割を果たすデータサイエンスの章となります。データの表現法,読みとり方,傾向の推計法,データから立てた仮説の検定法,多変量データ分析法などを解説します。
終章では, SDGs実現にむけた AI やデータサイエンスの貢献と課題について考察し,そこで大切な人間の思考様式について議論し,全体のまとめとします。
【著者からのメッセージ】
これからの情報化社会では,AI やデータサイエンスの基礎的スキルの習得が,いわば「読み・書き・そろばん」として求められています。本書では,その基本を文系・理系を問わず,皆さんにわかりやすく解説することに努めました。本書を通し,基礎知識はもちろん,AIやデータサイエンスが大きな役割をもつようになった歴史的,社会的な背景,そこにある問題や限界についても広く学んでいただけたらと思います。
本書により,皆さんが社会の変化にも主体的かつ積極的に向き合える準備や思考力,そして人間中心の社会倫理観を育んでいくことができれば幸いです。
感想・レビュー・書評
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【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/734326 -
請求記号 007.1/Su 96
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人間中心のAI社会とデータサイエンス - MDASHリテラシーレベル準拠 -
コロナ社読者モニターレビュー全文へのリンク
https://www.coronasha.co.jp/np/resrcs/review.html?goods_id=8617
【 窪 和久 様 株式会社ビジネス・アーキテクツ(業界・専門分野:IT業界)】
掲載日:2025/04/07
AI研究の歴史から生成AIまでの流れが分かりやすく、特に機械学習の分類などAI技術を整理できるようにまとめられています。また映画やアニメの主人公を登場させ、AIが進展することによる課題や倫理的な問題をサービスアニマルやフレーム問題などの具体例を挙げながら、身近にとらえられるように解説しています。後半では統計学の基本を説明した上で、仮説から多変量解析など予測を行う分析手法まで網羅、まさにAIの活用や課題そしてデータサイエンスに必要な知識を習得できる良書です。
【 miya 様(業界・専門分野:情報系)】
掲載日:2025/04/03
この本は、大きく分けて2種類の内容で構成されている。
AIが社会に出てくるまでの歴史の部分と、実際にデータサイエンスに必要となる統計・確率・データ解析である。
前半の部分は、まさかアルビン・トフラーの「第三の波」から話が始まるとは思わなかったが、AIが世に出てくるまでの歴史である。意外と世の中がこのようになってきたのか、歴史を振り返ることは少ないが、わずか20ページほどにコンピュータの誕生からAIの手前までの歴史があるが、初学者はどうやってAIが使える環境ができあがったかをここで知ることになるのだろう。
そこからAIの説明については、基本中の基本がしっかり書かれている。
後編のデータサイエンスに必要となる内容については、2025年1月の大学入試共通テストで初めて実施された「情報Ⅰ」の試験内容を連想させるものである。高校生のうちに「統計に関する部分、ここまでは学んでいるよね?」という試験内容だったと個人的に見ていた。しかし「これを情報の試験と呼ぶか?」との疑問もあったが、統計・確率・データ解析とこの本の後半に出てくる内容が共通テストの内容に重なる部分も多く、身につけさせたい(=共通テスト対策になるかもしれない)と思って読んでいた。
最後に、AIがかかえる問題がしっかり書かれていることを評価したい。倫理的な問題はこれから自動運転車が実用化されたときに必ず問題になるはずだし、記号接地問題もAIを使ううえで考慮しなければならない点である。
AIの便利な面だけではなく、負の部分の記述があることで、簡単に使えることが決していいことばかりではない点であることをぜひ読者は注意してもらいたい。
【 松木 彰 様(業界・専門分野:研究開発・都市デジタルツイン)】
掲載日:2025/03/18
本書は、「人間中心のAI社会」を実現するために、データサイエンティストが持つべき“心構え”を、誰にでもわかりやすく説いた一冊です。
目覚ましい進化を遂げるAI技術は、私たちの暮らしに多大な恩恵をもたらす一方で、新たな社会問題の火種にもなりつつあります。AIが膨大なデータを処理し、意思決定をサポートするのが当たり前となった今だからこそ、最終的な判断を下すのは「人間」でなければならない——そんな視点が、これからの社会ではますます重要になっていくはずです。
「人間中心社会」とは、AIにすべてを委ねる未来ではありません。AIをあくまで「道具」として賢く使いこなし、人間が本来持つ創造力や判断力をさらに磨いていくことを目指す社会です。AIと人間がどのように共生し、より良い未来を築いていくのか。そのヒントが、この本には詰まっています。
想定されている読者は、これからデータサイエンティストやAIの活用を目指す「学生」です。専門的な前提知識がなくても読み進めやすく、理系・文系を問わず、AIの世界への最初の一歩としておすすめできます。
一方で、すでにAIやデータサイエンスの分野で学びや仕事をしている方にとっては、やや物足りなさを感じるかもしれません。あくまでも本書は、さまざまなトピックを広く浅く取り扱っている印象なので、興味を持ったテーマについては他の専門書や資料を活用し、知識をさらに深めていく努力は欠かせないと感じました。しかし、前半にまとめられた「技術がもたらした社会の変化」や「AIのインパクト」に関する章はコンパクトで分かりやすく、知識の整理や社会動向の再確認に役立つでしょう。
とはいえ、「AI時代のデータサイエンティストに求められる視点とは何か」という問いに対して、その出発点を与えてくれる一冊であることは間違いありません。AIと共に歩むこれからの時代において、人間としてどのような判断や姿勢を持つべきかを考えたい方に、ぜひ手に取っていただきたい本です。
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