著者 : 乃南アサ
  • 幻冬舎 (2000年11月発売)
3.70
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344000414

涙の感想・レビュー・書評

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  • 30年前に失踪した恋人。
    結婚が目前だったにも関わらず、なぜ彼は失踪しなければならなかったか?


    昭和39年。オリンピックで沸き上がる東京の裏側でひとつの殺人事件がおこる。
    事件をきっかけに失踪する刑事。
    主人公である萄子は、失踪した刑事の婚約者であった。
    断片的な手掛かりをもとに、突然消えた彼を追い続け、やがて彼が失踪した理由があきらかになる・・・・。

    この物語は運命劇であり、ひとりの女性の成長ドラマである。
    消えた婚約者を追う、主人公のひたむきな姿に心打たれる読者も多いかとも思う。

    最近読んだミステリーでは「火車」以来の衝撃。
    登場人物それぞれが魅力的で、重層な人間ドラマを展開する傑作。

  • 2017/2/5

  • 昭和をしっている人、読むべき。

  • 初めて乃南さんの作品を読みました。
    だいぶ前の作品だからなのかブクログの登録件数が
    少ないことに驚いた。かなり面白いのに。

    お嬢様育ちの陶子。結婚目前の幸せ絶頂の中で突然婚約者が忘れてくれと言い残し行方をくらます。
    その背景には想像を越える事件が。

    読み始めたら止まらない。
    私はかなり面白かったです。
    オススメです。

  • 私は今まで読んだ乃南アサさんの本の中でこの本が1番好きです。
    とてもせつないストーリーです。
    何で?何でこうなるんだろう?こんないい人が・・・。
    以前読んだ時そう思いながら涙が流れました。
    今回読み返しると、やはりそう思うのと同時に、全く違う感想をもちました。

    結婚を目前に控えた幸せなカップル、勝と萄子。
    刑事で、正義感が強く誠実な性格の勝とお嬢さん育ちでお天気屋だけどしっかりした考えをもつ萄子はお互いを運命の人と思っていた。
    所がある日、勝から萄子に1本の電話がかかる。
    「俺のことは、忘れてくれて、いい」
    と。
    そして行方をくらました勝。
    しかも勝には殺人容疑がかかっていた-。
    その勝の行方を萄子はひたすらに追う。

    以前私がこの本を読んだ時は勝の立場から読んでいたように思います。
    ひたすらに彼に同情し涙が出ました。
    でも今読み返すと、萄子の立場に立って見てしまいます。
    お嬢さん育ちで世間知らずな萄子が慣れない所に足を踏み入れ、一人旅をして勝の行方を追う。
    その姿がけなげで胸を打たれました。
    さらに彼女が勝に対し、憤り恨んだりしながらも一度も彼が殺人を犯したとは思ってない、信じているという事に尊敬の念を抱きました。
    私だったら人をそこまで信じられるだろうか?
    そう思ったら自信がありません。

    今回読み返して思ったのは、人は自分を幸せにする事を何よりも優先していいという事です。
    それは自分の事しか考えないというのとは違う。
    自分を大切にする事は自分の大切な人たちも大切にする事につながるのだと私は思います。
    さらに、人生において自分で背負いきれるだけの物を背負ったのでいい。
    という事です。

    本って、読む時期や年代によって全く違う見方が出来るので楽しいです。
    若い時と今と、心に染み渡るお話だという感想には変わりありません。

  • 長編ミステリー小説。
    刑事・奥田勝は婚約者の藤島萄子を残して失踪する。同僚刑事・韮山の娘・のぶ子を殺した容疑が掛かっている。勝を追って萄子は川崎、熱海、郡山、筑豊、そして沖縄と旅を続ける。新たな恋人、柏木淳を残して・・。
    するすると掴めそうで掴めない勝を追い求める萄子。勝が逃げ続ける理由。韮山の葛藤。
    かなり分厚い本だったのに、気づけば夢中になって読んでいました。
    宮部みゆきの小説にどこか似ていると思った。追いながら追い詰められていく萄子から目が離せません。
    人物関係がミステリーの割りに混乱していないので、物語に集中できます。そして思いがけないラストが待っていました。読み応え十分です。

  • 萄子の半生

  • 涙という題名なのに、涙も出ない、酷く、心を引き裂かれる思いがした作品。
    乃南アサの情景描写が本当に見事だと思った。

  • 殺人事件の容疑者となってしまった婚約者を探して歩く女性の心の葛藤が描かれてます。
    まぁ、仕事もせず(寿退社して)、あの時代に飛行機、タクシーを駆使して
    彼を探し歩けるという彼女はかなりのお嬢様。
    その辺はちと私には考えられませんが・・・。
    彼女の気持ちはよくわかったので、最後は涙してしまいました。

    ただ、彼が彼女の元を去った本当の理由が、(~ヘ~)ウーン
    そ、そうなのか?逃げないでも何とかなったんじゃないのか?と少し不満でした。
    最後の最後まで引っ張った割にはちょっと・・・
    きっと、読み手が女性と男性とでは感想が違ったものになると思いますね。

    事件が解決した後の話がさらっとしか書いていなかったので、
    もう少し説明して欲しかったかなぁ。

  • 会いたくて会いたくてといった気持ちが切々と伝わってきて、私も会いたくて涙するようでした。
    逃げていた相手の人も本当は会いたくてたまらなかったのだろうと思われました。
    読み終わって、本当に涙がこぼれる様な小説でした。

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