燃えつきるまで

  • 幻冬舎 (2002年5月24日発売)
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本 ・本 (293ページ) / ISBN・EAN: 9784344001985

感想・レビュー・書評

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  • これは、、!!
    主人公の気持ちが、行動が、痛い。
    痛々しいぐらい良くわかる。
    いつまでも続くと思っていた彼からふられたときの気持ちがパーフェクトと言えるほど素晴らしい描写で描かれている。
    いつの事だったか忘れた様な昔の記憶が蘇って恐ろしい気分になった。


  • 仕事をバカにするんじゃないわよ。その程度の気持ちなら、始めから……
    働く女性が常に悩む問題。キャリアと結婚。
    <キャリアの件>
    会社・業種によって差があるとはいえ、現在の労働環境は必ずしも女性にとって優しくない。
    結婚や出産による退社は減ったものの、育児・子育て・介護の負荷を考えると、結婚はキャリアにとてデメリットにしかならない。若きのり子の言葉通りです。
    結婚までにキャリアを積んで、頑張っても、あるとき立ちいかなくなる。同期の男性社員とは、20年もすれば、役職でも給与でも歴然と差が付く。原因はなんだろう。若き頃の頑張りはどこへ消えてしまうのだろう。
    でも、進むしかない、働くしかない、頑張るしかない。本当にそうなんだろうか?

    <結婚の件>
    恋人に別れを告げられてから、主人公・怜子が徐々に壊れていく様子に寒気を感じる。ここまで、不安定になっていくのか、ボロボロになっていくのか、と。
    でも、きっと、自分自身を失うって、こういう状態を指すのかと、思い当たる。もちろん、程度の差はあるにしろ。人間の脆さ、バランスと歪み、不安で澱む空気、霧に隠された光。きっと、自分で自分を吐き出さない限り、一つずつ言葉にして埋葬しない限り、押しつぶされる想い。
    これを越えなければ、歩きだせないのか?
    考える。結婚に依存しない、仕事だけでもない生き方は、こんな苦しみの先にあるのだろうか、と。

  • 怖かった。

  • 再読。
    ハウジングメーカーでチーフを務める31歳の怜子は、5年間付き合った耕一郎に突然別れを告げられる。そろそろ結婚を、と考えていた矢先のことだった。理由がわからず、どうしても別れを受け入れられない怜子は、苦しみ、それまで最優先してきた仕事も手につかなくなる。

    失恋からなんとか立ち直るまでの話。
    非常に共感しながら読んだ。
    怜子のストーカー的行動すらも応援した。

  • 5年間付き合った彼にふられた怜子。
    職場では重要なポストについていたにも関わらず、失恋以降、仕事も手につかない毎日を送る。

    失恋小説。
    女性心理をこれでもかと、しつこいほど畳み掛けられたようでしたが、わからないことは無いなと思いました。
    二人の時間が長ければ長いほど、思い出も多く、辛いはず。
    5年は長いな。
    失恋から立ち直るには、時間と新しい恋が必要、は絶対にあると思う。
    怜子が本当に立ち直るには、まだ時間はかかりそうですが、先が見えてきたラストに、ホッとしました。



  • ラスト少し前、見知らぬ女性との電話での主人公怜子の「独白」、あるいはそのシーンを描きたいがために本書を書いたのではないか。こんな風に思わせるほど、そのシーンは迫力がある。読後感は悪くなく、人としての深みを増したであろう怜子の未来に幸あれと願わずにはいられない。

  • 失恋話

  • ちゃんとした失恋をしたことがない私には、疑似体験させてもらえたありがたい本。ここまで強烈にしがみつく気はしないが、心の痛みはゾッとするぐらいイメージできた。ある意味ホラーだ。人を憎み妬むことを止められない恐怖。報復しなければ立ち上がれないほどの打ちのめされた気分になった時、救いに見えた悪魔が微笑んだ時、その誘惑に勝つのも負けるのもちょっとしたきっかけ次第のような気がする。

  •  いきなり別れ話から始まります。主人公の怜子は恋人を失い、体調を崩し、仕事も失い、最後は誰からかかってくるのか分からない無言電話で、少しミステリーな展開も。

     タイトルは『燃えつきるまで』ですが、I lost myself when I lost himの方が内容にぴったりきます。帯にある「彼を失うことは、自分を失うことだった…。」まさに。

     Kareem Iliya氏の表紙の色遣いがとても素敵です。多分、これにひかれて買ったのだと思います。

     p.232「~ラジカセにはMDがついていなかった。」素っ気ない、野暮ったいことへの描写なのですが、2002年当時の感覚なのだなあと懐かしい感じです。

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