砂の狩人 上

著者 :
  • 幻冬舎
3.38
  • (6)
  • (14)
  • (37)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 149
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344002401

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アウトローな元警官が主役。当然、ヤクザもいっぱい出てくる。この時点で犯人は全く分からない。下巻に期待。

  • 「狩人」シリーズ第2弾。

    個人的には、狩人シリーズの中では一番好きです。
    けど、ミステリーとしては「ハア?」って感じだし、小道具として出した喉につっこまれた携帯電話とかも、なんかうまく消化し切れてないし、いろいろとストーリーは破綻しているのですが、それでもこれが一番いいと、わたしは思っています。

    それはひとえに、大沢キャラの中でも最もハードボイルドな西野というキャラのおかげです。
    この物語は、彼のためにあり、彼がいるからこそこの物語が成立する、というくらい、ものすごいキャラです。(というか、それが普通なんだけど)
    キャラクターを作るにあたって、ものすごく参考になるというか、「これがキャラ立ちってもんだぜ」っていうのを見せつけてくれる作品です。キャラを立てるっていうのは、パーツを強調させるわけじゃないんだ、ということを、作品をもって教えてくれます。


    時岡という警察庁高官(いわゆるキャリア組)。
    殺人犯を射殺したことで警察をやめた西野。
    極道の子供を狙った連続殺人事件。
    この三つが交わって、物語が始まる。

    狂犬と呼ばれ犯人を探し当てる才能に優れた西野に、連続事件の解決を依頼しにくる時岡。
    最初に会った瞬間から、時岡の容姿だけではなく時岡の中の何かに惹かれる西野。
    大人の男女の、ギリギリのところで繰り広げられる愛憎劇。

    そして狂犬はやはり狂犬である。信じたもののために命をかけるというところまで。

    ミステリーや物語としては「北の狩人」のほうが優れているが、西野というキャラクターが強烈。
    そして、熱く、時にウェットに語る大沢節ではなく、西野のキャラにそぐうような冷たく硬く突き放したような文章に、ゾクゾクします。

  • 『このミステリーがすごい!』2003年4位
    『週刊文春ミステリーベスト10』2002年6位 国内編

著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大沢在昌の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×