- Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344002401
感想・レビュー・書評
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アウトローな元警官が主役。当然、ヤクザもいっぱい出てくる。この時点で犯人は全く分からない。下巻に期待。
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「狩人」シリーズ第2弾。
個人的には、狩人シリーズの中では一番好きです。
けど、ミステリーとしては「ハア?」って感じだし、小道具として出した喉につっこまれた携帯電話とかも、なんかうまく消化し切れてないし、いろいろとストーリーは破綻しているのですが、それでもこれが一番いいと、わたしは思っています。
それはひとえに、大沢キャラの中でも最もハードボイルドな西野というキャラのおかげです。
この物語は、彼のためにあり、彼がいるからこそこの物語が成立する、というくらい、ものすごいキャラです。(というか、それが普通なんだけど)
キャラクターを作るにあたって、ものすごく参考になるというか、「これがキャラ立ちってもんだぜ」っていうのを見せつけてくれる作品です。キャラを立てるっていうのは、パーツを強調させるわけじゃないんだ、ということを、作品をもって教えてくれます。
時岡という警察庁高官(いわゆるキャリア組)。
殺人犯を射殺したことで警察をやめた西野。
極道の子供を狙った連続殺人事件。
この三つが交わって、物語が始まる。
狂犬と呼ばれ犯人を探し当てる才能に優れた西野に、連続事件の解決を依頼しにくる時岡。
最初に会った瞬間から、時岡の容姿だけではなく時岡の中の何かに惹かれる西野。
大人の男女の、ギリギリのところで繰り広げられる愛憎劇。
そして狂犬はやはり狂犬である。信じたもののために命をかけるというところまで。
ミステリーや物語としては「北の狩人」のほうが優れているが、西野というキャラクターが強烈。
そして、熱く、時にウェットに語る大沢節ではなく、西野のキャラにそぐうような冷たく硬く突き放したような文章に、ゾクゾクします。 -
『このミステリーがすごい!』2003年4位
『週刊文春ミステリーベスト10』2002年6位 国内編