無名

  • 幻冬舎 (2003年9月10日発売)
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本 ・本 (254ページ) / ISBN・EAN: 9784344003859

感想・レビュー・書評

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  • 参りました。
    決してダブらせてはいけないと思いながら読んでたのに・・・父に会いたくなりました。

  • 再読だが、最初に読んだ時の記憶は残っていなかった。
    今読み返すと、自分が父の死に直面した時の心の動きがわかるような気がする。
    いつか自分の子が、無名の自分の事を文章にしてくれたら、誰にも理解されずに消え去る自分も、少しは意味のある存在だったと思えるのかもしれない。まあ、あり得ないけど。

  • 2022年7月2日読了

  • 4年半前に亡くなった父を強く思い出させた作品だった。

  • 筆者とその父親との距離感や思い出なんかが知れただけで、特に響くもの無し。自分事としてみた時、どう立ち向かうことになるんでしょうか。当面は知りたくありませんが…

  • 深夜特急等が好きで、ひさしぶりにこの著者の本を読もうと手に取る。最初は、著者も年を取ったなあと思った。ご自身ののノンフィクションなのか?父親介護の話。俳句を作っていた父の句を集め、本にすると言う流れ話は進んでいく。

    最初は題名の通り「無名」の人の句や介護の話なんて、興味ないよと思っていたが、なぜか話に引き込まれていく。
    私も行く行くはそう遠くない未来、自分にのしかかってくる話だからなのだろうか、この本のリアリティさかな。不思議に読ませる力を持った一冊だな、と思った。

  •  静かだった。
     そうだ、僕が今までに遭遇した幾つかの大切な人との別れも、やっぱりこんな風に静かだった。 老いて、病に伏し、その時を待っての別れは、いつも静かだった。
     そんな別れを、作者は“程のよい”と言う。 そうなのかもしれない。 幸せな別れ方なのかもしれない。 そして、“幸せな別れ方”だからこそ、そこには他の別れ方とはまた別の、深く静かな悲しみが存在することに気づかされる物語だった。

     作者は旅をする。まるで遺伝子を探すように、自分の中に存在する父を探す静かな旅をする。 やがて父と自分が重なる。
     同じような旅を、いつか僕もする予感がしている。

  • 沢木耕太郎が老人介護をすると、なぜか格好いい。普通の場合、無名であればあるほど、こんなに恬淡とはできない。たいてい、周りに迷惑をかけるだけかかけて、かけないと損、とばかりジタバタするものだ。やはり、この父にしてこの子あり、だろう。

  • 普通の人の一つの命が亡くなっていくまでと、それを受け入れていく息子である著者の気持ちの動きを丁寧に描いている。誰にでも起こりうる普通のできごとだからこそ、丁寧に丁寧にくみ上げるとこんな風に癒やしにもなるのだと知った。

  • 自分もいつかはこういう時が来る。
    考えてみると、意外と親の事、家族の事って知らない。
    もっと親、家族と話そう。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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