まわれ映写機

  • 幻冬舎 (2003年11月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (310ページ) / ISBN・EAN: 9784344004252

感想・レビュー・書評

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  • 2003年に発行されているこの本はトーゼン読了しているものだと思っていた。だから再読するつもりで手に入れた。そうして確かノンフィクション・エンタテインメント本だった筈だよなぁとかボンヤリと思っていた。
    読み始めて結構びっくりした。なんと未読本なのであった。しかもこれは小説なのだ。いつも通り私小説で,沢野ひとし画伯なんかはズバリ実名で登場していたりするのだけど,のっけの「幻灯機」のお話の中には、シーナ兄いが子供のころ無性に遣りたかった事,というのがかなりお話の中心になっているのあろうなあ,と思った。
    ところがそれは本の半分まで=第1部だけにあてはまることであった。第2部はもうほぼ全部が『ガクの冒険』の制作よもやま話なのであった。
    とーぜんその直後の展開は㈱ホネ・フィルムのお話へと突入していき、全部で5つの映画をちょうど10年かけて撮ってあわただしく解散した、と慌ただしく締めくくられていた。
    『ガクの冒険』は正確には㈱ホネ・フィルムの作品ではない、ということが分かった。そうして、わたしはいま猛烈にこれらシーナ兄い監督のホネフィルム作品達が観たくなってしまった。いまさらどこの映画館へ行っても演ってはいないので果たしてさてどうするのか。
    ビデオレンタル屋へ行っても無いし。NETでポチぽちと調べると、5本の作品がセットになったBox版がづいぶん前だけど発売されているらしい。もうとっくに絶版なのだけれど、アマゾンやヤフクオクに時々出ている。値段はなぁんと8万円!とか。発売時の定価がたしか2万9千円とからしいので、いかにもすんごいお値段だ。プレミア価格っていうのかな。誰が何のプレミアなのだろう。あ、そうか俺みたいのが居るんだな。反省。
    しかしこういう時わたしの場合、所有欲はあんまし無くて、とにかく一度でいいからぢっくりと観られれば良いのだけれど、いったいぜんたいどうすればいいのだろう。
    誰か耳寄りなお話、「わしが持っちょるけん1週間くらい貸してやるよ。お礼はまあそのうち晩飯でも食わせてくれや」とかいう良いお話は無いのだろうか。
    それにしてもこの2003年に出た本,しかもシーナ兄いの作品の中ではバツグンの面白さを誇る「私小説」を今まで読んでいなかったとは。もうシーナ兄いの著作は読みつくした,と「ドダ顔」でいたのだけれど,まだまだ探せば未読の本はある!という確信を持った。嬉しい。
    シーナ兄いのホムペジ「旅する文学館」で目黒考二が書いている,というかシーナ兄いにインタビュしてる「シーナ誠の仕事」をキチンと読んで,未読本を探すことにしよう。あ、ホネフィルム作品も探すのだった。すぐ忘れる。すまぬ。

  • 映画に心を奪われて、自分で作った映画を
    皆に見せる、という夢を描いたのは「風に
    ころがる映画もあった」で綴られています。

    こちらも当然同じ人が書いているのだから、
    同様なことが行われるのは当然ですが、視
    点が違います。

    「映画を撮る」「映画を作る」というポイ
    ントに焦点が当てられています。

    情熱を持って一つの夢を叶えるまでの過程
    が見事に描写されていて、「若さ」を感じ
    ます。

    元気と若さを与えてくれる一冊です。

  • 今となっては、椎名誠の昔話。幼少期のころ映画に興味を持つ経緯や、ガクの冒険が出来るまでをまとめた話。

  • 随分と前に古本屋で手に入れた本。やっと取り掛かれたらあれよあれよと読み進んでしまった。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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