Q&A

著者 :
  • 幻冬舎
3.35
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本棚登録 : 2000
感想 : 386
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344006232

作品紹介・あらすじ

2002年2月11日午後2時過ぎ、都内郊外の大型商業施設において重大死傷事故発生。死者69名、負傷者116名。未だ事故原因を特定できず-。質問と答え(Q&A)だけで物語が進行する、リアルでシリアスなドラマ。謎が謎を呼ぶ"恩田陸ワールド"の真骨頂。

感想・レビュー・書評

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  • 怖い話には極力近付かないようようにしています。
    苦手だからです。
    いつでも怖いものセンサーは作動させているつもりだし、油断なんてしていないつもり。
    それでも、怖い話だと知らずに読み始めてしまうことがあります。
    読み始めてしばらくしてから気付くのです。自分がやらかしてしまったことに。
    そういう場合は途中で読むのを中断するのはご法度。
    そんなことしたら頭の中で展開されている想像(妄想)がどんどんエスカレートして、いつまで経っても恐怖の中にいないとならない。
    だから、(だからじゃないよ)、もしかしたら私は怖い話ほど読むスピードが速いかもしれない。ちゃんと計測したことはないけれど。

    そんなわけで、『Q&A』一気読みでした。
    こんなにも淡々と、こんなにも静かに、こんなにも不気味な時間を作り出せるなんて本当にすごい。
    「怖い」と怯えながら、早く読み終わりたいと思いながら、ぐいぐいと物語の時間に引き込まれていきました。

    そして、読み終わった瞬間、まるで霧が晴れるように恐怖が消えていることに気付きました。
    いつの間に?
    一体いつから怖くなくなったのか?
    自分に問いかけても答えはなく、ぽかんとしてしまいました。

    この物語が好きか?と問われれば、『すみません。私は苦手です。』と答えます。
    でも、もし、この小説の感想を率直に求められたら…

    『怖かった』では片づけられず、『面白かった』という感触ではなく、『驚いた』では言い表せず、
    いったいなんと言えばいいのか、私の中にまだ答えはありません。

  • Q&Aだけで物語が進行する、という帯で興味をそそられ購入した本。

    先日梨泰院でハロウィンに起きた事故を思い出したりしちゃったけれど、色んな立場の人や色んな考えの人がいてなかなか面白かった。
    個人的には実験説に1票。
    蟻の話は興味深かった。

    ラストはふわーっと終わる感じ

  • 実験的だけど
    尻窄みな感じだった。
    でも、曖昧な感じの展開でも許される話だったと思う。何年かあけて2度読んだ。

  • いま話題のコロナSNSに通じるところがある面と、謎の宗教集団の話と私は解釈しました。
    作者の新たな視点と試みを感じますが、フォワード・ガイダンス的なものがないと理解に苦しむのは私みたいなマンオリティーでしょうか?

    一部ことの真相はわかりますが、彼女が教祖に祭り上げられたのか?どうか。
    「Q&A」・・・の意図するところを考えさせられます。
    答えは導かれず、答えもわからずというところ・・・。
    質問者は単独?複数?それすら謎に・・・。

    不思議な余韻だけが残った。

  • これ、評価低いんですね。恩田ファンですが、Q&A好きです。深夜に読んだらハラハラして怖かった。
    「その時の人の行動」と「その後の人の行動」、「冷静な判断」、「目撃したことを記憶すること」…恩田さんらしいですよね。


    Q&Aとユージニアは同時に読んだせいか話がごっちゃになっている。どちらも好きな小説です。(両方に言えるのは関係者は死ぬってこと。)
    2004年発売の恩田陸作品私はすきですよ(*^o^*)

  • 全編インタビュー形式という、異色の小説。会話から事件の全貌を浮かび上がらせる描写力に脱帽。徐々に明らかになる謎に興味心身で、最後まで一気に読めます。

  • QA形式で読みやすかったけど途中からただの会話になっていった。。そのおかげて飽きなかったですけど!

    読み進めていくうちに登場人物たちの会話にリンクが見られてきて、リアリティある会話にゾクゾクして楽しかった。

    このままあらゆる視点から見た推理か?と思いきや終盤はSFチックになり納得がいかない結末でした。

    自分的には、曖昧なりに、全ての人の共通点とかが発覚することで読者に推理を任せる形だったら嬉しかったかなと思いました。

    2013.10

  • 結局最後まで原因は解明されないが、物語全体に漂う悲愴感のなかで私は「自分の人生はまだ始まって間もないのだ」と感じた。まだ社会に出ていないし、家庭ももっていない。人生は自分が思ってるよりもずっと長いものなのだ、と。
    そしてその人生の道のり、生き方は、今の私の生き方、選択に関わっているのだ、と。

  • 12組の登場人物たちによる対話からなる物語。
    その1つ1つがショートストーリーを読んでいるような、二人舞台を観ているような完成度。
    さすが恩田陸。群衆を書かせたら、この人は本当に巧いなあ。

    大きな災害が起こると、人はそこに様々な啓示を見、自身の心の闇を投影する。
    カタルシス、リセット、神(あるいは大きすぎて見えない存在)、私利私欲、憎しみ、試練、狂気...

    理由なく崩れ去る日常に、人はどうにかして意味を見出だそうとあがく。
    「いつもの場所、ありふれた当たり前の場所だったんです。だけど、そうじゃなかった。そんな場所でみんな死んだ。やはり、日常など、どこにもなかったんだと悟ったんです」p201

    震災しかり、コロナしかり。
    私たちも、常に問いを問われ続けている。




    《恩田陸を読むぞ2021⑪》 
    ルール:図書館にある恩田陸の棚の、左側にある本から先入観無しで読んでいく。シリーズ物に当たったら、1から順に読む。

  • 最後まで回収されずに泳がされたままの伏線が多々あってモヤモヤ…
    いい意味で後味の悪い小説だった。
    くっきりとした事実が明かされないがために、不気味さが増していく。

    読み始めたら止まらない。
    読み終えた誰かと、あーだこーだ言いたい。
    そんな本。
    おすすめ。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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