雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 395
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344006713

感想・レビュー・書評

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  • 日経新聞日曜版にこんなコラムがあったとは。この期間、きちんと購読していたはずなのに読んでなかったんだなぁ。今なら橘玲さんといえば迷わず飛びつくわけですが、知らなかったことを恥じるばかり。身も蓋もないでしょそれ、っていう論はたくさんあるものの皮肉っぽくなく伝わってくるこの淡々さが素敵です。きちんと金融リテラシーを身につけないと大変なことになるよ、ということが嫌味なく書かれている本。社会人は必読です。

  • f.2023/11/29
    p.2004/9/17

  • 読もうと思った理由
    著者の書かれる世界、考え方が面白いし、題名に引かれたから

    気づき
    ・個人の優位性を「エッジ(刃)」という。誰もが自分の
     エッジを持っている。人的資本への投資とは、試験で
     よい点数をとったり、資格の数を増やしたりすること
     ではない。自分だけのエッジを研ぎ澄ますことだ
    ・民主主義ってそんなにすばらしい?
    ・旧来の価値観が解体し、急速に変わりつつある世界の
     中で、自分と家族の人生にとって最適なポジションを
     確保すること。複数の選択肢から自分の人生を選ぶ自
     由を手放さないこと。「経済的独立」という目標に至
     る道は人それぞれだろう。それは困難であっても決し
     て不可能ではない

    著者の教科書的ではない、時代を独自の切り口で見る、その考え方、たとえのわかりやすさは大変参考になります。本書もまさに雨の降る日曜に読みやすいですが、考えさせられながら読みました。

  • 橘さんの本は好きだが、やや退屈

  • 『知的幸福の技術』というタイトルで文庫化されている。雑誌連載をまとめたものなので、情報量は少ない。

  • 雨の降る日曜に、幸福について考えようとは、惹きつけられるタイトルだ。普段の雨の日の日曜には、何をしているだろうか。家の中でボンヤリと静養する。それは、資本家が労働再生産のために与えた余暇であり、翌週の活力を蓄える時間だからだ。理不尽だらけの社会制度。橘玲の友人が自殺した所から、この話は始まる。

  • ニューヨーク市には日本全国のホームレスを上回るホームレスが存在するのに旅行者がその姿を見かけることがないのはDHSという民間に委託した福祉施設に保護されているからだという。それも毎年の調査により、ホームレスに支持されない利用度の低い施設は援助を打ち切られるという、合理的なシステムだ。

  • デモクラシー(民主制)は、参加者が自由に意見を述べあい、多数決で決める仕組みだ。五人の仲間で食事に行くことになったが、居酒屋かフランス料理かで意見が分かれた。いつもの3人が居酒屋を選んだとするとフランス料理を食べたかった2人も騒がしい店でチューハイを飲まなくてはならない。多数決原理では「多数者の専制」を解決できない。一方、私たちには民主制以外の選択肢はない。誰もが納得する決定は、王や神の命令ではなく「主権者」である国民から得るしかない。社会を構成する「多数派」の良識と公共心に期待するほかないのだ

  • 滞納した管理費、積立金は5年までしか請求できない。

    「人は常に他者の承認を求めて生きている」ヘーゲル
    人はだれからも承認されない人生を堪えることはできない。

    自殺志願者に安楽死を。オランダに行く。

    公務員は障害者に席を譲れ

    財政再建は覚醒剤(マリファナなども)合法化で。非合法ビジメスを合法化して、税金を取ると同時にレントをなくす。

    所得税をなくして人頭税にする。徴税の人件費がなくなる。

  • タイトルが私の目を引きつけた。
    面白そうだ・・・。

    少し読む。

    ーーーーーー
    東大卒業後、アメリカの名門大学でMBAを取得し、30代で外資系メーカーのトップに立ったT氏。

    彼が1年の療養の後、ある中堅会社の経営再建を託された。経営再建、それは不要人員の削減に他ならない。
    T氏は初日から異様な雰囲気に気が付いた。

    新しい会社で彼が出会ったのは、リストラされれば行き場のない追い詰められた人々だった。

    やがて、T氏の自宅にいたずら電話がかかってくるようになる。

    2か月後、T氏は辞表を提出した。執拗な嫌がらせに屈したわけでも、汚れ役が嫌だったわけでもない。

    自分が辞職し、道を譲ったのは、「正義が相手にあったから」だという。他に選択肢のある自分が道を譲るべきだろう、と。

    T氏の選択は正しかったのだろうか。
    ーーーーーーーーーーーー

    陰鬱でいて、シニカルな明るさがある。
    独特な文体。

    著者は世間でいう常識の隙を見逃さない。

    「宝くじの一番の魅力は、金を払って券を買う以上に何の努力もいらないことだ。世の中にこれほど公平なギャンブルは他にない。」

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    アンデルセンの「裸の王様」では、男の子の「なんで王様は裸なの?」の一言をきっかけに群集は笑いに包まれ、王様は赤恥をかくことになっている。しかし、現実にはそんなことはおこらない。周囲の良識ある大人が男の子をしかりつけ、何事もなかったかのように祭りは続くだろう。

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    年金問題、経済問題に対する著者の指摘は特に鋭い。
    一見暴論に見えるような斬新な理論の中に一定のカリスマ性がある。

    「長生きするリスクを個人に負わせるのは無謀だという議論もあるだろう。ならば、平均寿命を超えた時点から年金を発生させればよい。想定可能なリスクは自己責任で管理すべきだ。」

    「高利貸しが債務者にできることは多くない。強制的な取り立ては難しい。だから彼らは説教する。「貸した金を返せ、約束を守れ」と。高利貸しの最大の武器は皮肉なことにも道徳的な正しさにある。」」

    ーーーーーーーーーーーーー
    中でも私が最も感心したのは公務員についての以下のフレーズだった。

    「公務員よ。席を譲れ。」

    一見すると、公務員に因縁を付けているようにみえるが、著者は違う意味を込めている。

    ある日著者は、「公務員ほど障害者に適している職業はない」と気が付いたという。公務員は利潤ではなく、国民の幸福を追求するから、競争社会には適さない障碍者にとってもハンデは少ない。それなのに、健常者が何故、公務員の席に座っているのか。(健常者の)公務員よ、(障害者へ)席を譲れ!ということだ。

    面白い意見だと思った。

    最後に参考文献が紹介されているのもいい。
    著者の知識がしっかりしていると著作の文章に重みが出る、気がする。

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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