背の眼

  • 幻冬舎
3.29
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感想 : 179
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  • 本 ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344007314

感想・レビュー・書評

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  • 先日「近畿地方のある場所について」を読んでビビりちらして居たから、その内容を思い出す要素が結構あって、アスファルトタイヤを切りつけながら読んでいた。

    まあでも読んでいくと、これホラーじゃなく道尾秀介氏らしいミステリーで安心した。

    ある状況下の人達の悲壮さがそこまで感じられないのと、結局タイトルの回収もシャっと終わった感があって幾分消化不良な所もあるけど、それは道尾秀介というストーリーの力技でねじ伏せてたのがなんとも凄い。

    さて、次も楽しみ!

  • 白峠村天狗の神隠しは,河原の頭部発見で殺人事件に。霊現象探究所真備は事件の真実に迫る。人間の狂気による無意識の犯行は霊よりたちが悪い。(遺体発見者)亮平の霊能力は本物だが,理解されないのが残念。

  • ミステリーは生きてる人たちの死にまつわる話だが、ホラーミステリーはそこに死んだ人たちが加わる。
    そうなることで違った面白さがあるんだと、この作品を読んで感じた。

  • 以前このシリーズの三作目を読み、今回やっと一作目を読み終わる事ができた。道尾さんのデビュー作。
    本自体も分厚い上に表紙を捲った途端に読み切れるかと不安になる程の長編。福島の山奥、白峠で起きた子供の神隠しと、心霊写真に写り込んだ謎の目と自殺…様々な事がたくさん詰め込まれた作品だった。実際読み始めると結構テンポ良く読めた。
    元はもっと長かった?ようで、更に推敲すると素晴らしい作品になりそう。でも、デビュー作らしくて良かったです。

  • 福島県にある寒村・白峠村を訪れた道尾は、ここ数年立て続けに起きている「神隠し」の事件を知る。立ち寄った旅館の付近を流れる川からは不気味な声が聞こえてきた「レエ・・・オグロアラダ・・・ロゴ・・・」

    「ラットマン」が結構面白かったので、道尾氏のデビュー作を読んでみることに・・・。「ラットマン」とのあまりの作風の違いにまずびっくり。ホラーサスペンス大賞に応募した作品で、ホラーと本格ミステリが交じり合った構成になっている。しかしながら、ホラーも謎解きも共にインパクトが弱いせいか、1200枚の大作の割には読後の余韻に欠ける。大々的に提示された謎であり、タイトルにもなっている「背の眼」の落としどころも首を傾げざるをえない。…と、不満ばかり書いたが、著者の作品は作を追うごとに洗練されているようなので、他の作品にも手を伸ばしていきたいと思う。

    ホラーサスペンス大賞特別賞受賞(2004年)

    《真備シリーズ》
    1.背の眼
    2.骸の爪
    3.花と流れ星

  • ホラーとミステリーが一緒になったような感じです。

    この事件に関わった人たちは、気の毒な人が多かったです。

  • デビュー作にして第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。

    ホラー作家の道尾が旅先で奇妙な声を聞く。
    その場所では児童連続失踪事件が起こっていた。

    道尾は奇妙な体験を同級生で霊現象を探求する事務所を開いている真備に相談する。
    偶然にも真備の元には道尾が訪れた地の近くで自殺し、自殺前に撮られた写真には人の背中に眼が写ったという相談が持ち込まれていた。
    道尾と真備、助手の北見は再びその場所に戻って事件を解明しようとする。

    解決できない問題に対し、神隠し、天狗伝説など非科学的なものに人間は原因を求めようとしてしまう。
    それを真備は丁寧に科学的、論理的に疑問を解いていく。しかし、真備は霊現象を探し求めるという特異なスタイルがある。またその理由も・・・

    ホラーなのに、ホラーらしくないというのが新鮮に感じました。
    またデビュー作で丁寧に書かれている印象がありますが、もう少し、読者にネタバラししながらてもいいかなと思いました。

    他の作品も気になる作家さんです。

  • 第五回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。

    道尾が訪れた白峠村の河原で聞いた謎の声。
    急遽東京に戻り大学時代の友人・真備に相談すると
    道尾は真備から白峠村近辺で撮られた
    4枚の心霊写真を見せられた…。
    道尾が聞いた謎の言葉と何か関係があるのか?
    道尾と真備、 真備の助手・北見と3人で白
    峠村を訪れるとそこは天狗伝説のある地で…。

    本当は色んな要素てんこ盛りで面白いはずなのに
    面白いと思う前に…ん?と思っちゃったよ、
    だけど選評を読んで納得。
    冗長だからだ( ゚д゚)!!
    でもデビュー作と知って納得。
    前半ホラーで後半サスペンス感覚。
    でもやっぱなんだかんだでホラーだよね

  • あるシーンで、
    お父さんと男の子の話のところで、人間同士の関係なんて大小織り交ぜたさまざまな誤解によって構成されていて
    当人同士が理解しあっているというのではなく、実は都合よく誤解しあっているだけなのだ。って会話があって。
    すれ違いによって哀しいことがおきるんだけど、それって日常でよくおきるよなって思う。哀しい勘違いで仲違いしちゃったり、優しく出来ないことあるよな。って思った。
    大切な人には、きちんと自分の気持ち。ちゃんと伝えたい。いつもいつまでもそばにいるわけではないから。って考えたのはとてもよき。

  • 多くの感想にあるように特に前半が長く感じられ、犯人についてすっきりしない部分もあるけど、後半は先が気になって仕方ないし、なによりラストが好き。それがまた強引だけど、全く予想していなかった読後感を味わえる作品。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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