半島を出よ (上)

著者 :
  • 幻冬舎
3.71
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本棚登録 : 1987
レビュー : 312
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344007598

感想・レビュー・書評

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  • 北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟。
    さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。逮捕、拷問、粛清、白昼の銃撃戦、被占領者の苦悩と危険な恋。北朝鮮の後続部隊12万人が博多港に接近するなか、ある若者たちが決死の抵抗を開始した。現実を凌駕する想像力と、精密な描写で迫る聖戦のすべて。

  • 〈内容〉北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。

  • 巻頭の登場人物紹介が厖大でびびった。

  • この本が2005年に書かれている事が驚くべきこと。
    日本は現在、確実に右傾化に向かっている。

    上巻では北朝鮮にかなりやられている。チクショーとストレスは溜まる!

  • 「半島を出よ(上)」
    北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。


    私は村上春樹と村上龍は苗字が同じという意味の無い理由で、どちらに対しても同じようなイメージを持っていました。しかし、実際両氏の書き方は随分違うように感じました(明確な違いを述べるほどに私は書き方やイメージ具現化に対する知識はありませんので、あくまでイメージで違うと言うことですw)


    この「半島を出よ」を買った理由は「村上龍であること」と「半島がテーマである小説」の2点です。この小説の面白いところはテロ行為に抵抗する人間達の存在です。彼らは決して恵まれている環境にはおらず、お金もない、そして何より社会に適合できていない少年達なのです。そんな彼らからすれば個人的にはこのテロ行為に立ち向かう理由はさほど無いように思えるのですが、そんな私の浅い考えをどんどん攻略して動いていくのがこの「半島を出よ」の主人公達です。


    物語自体はどちらかというと社会性寄りなのでしょうか。国際社会において孤立している日本は様々な問題を抱えている。そんなときに突然福岡が占拠される、それもその犯人は北でテロのおまけ付き・・・。そんな危機的状況に反応して彼らに挑むのが、政府では無く彼ら政府から見ると不都合な少年達。そんな架空の日本は正しいのか?


    なんとなくそのような指摘を龍氏は読者に言っているような気が少ししました。しかし、それが合っていようと無かろうと、この内容なら下巻も読んでしまう気がします。

  • マイミクカトペより借読。
    上下巻を合わせると900ページ超にもなる長編小説を、半年以上かかってようやく読了しました。


    “北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは「反乱軍」を名乗った…。財政破綻し、国際的孤立を深める近未来日本に起こった奇蹟。”

    prologue 01:2010年12月14日 川崎 ブーメランの少年
    prologue 02:2011年3月21日 平壌 朝鮮労働党三号庁舎・第一映写室
    introduction 01:2011年3月3日 見逃された兆候
    introduction 02:2011年3月19日 待ち受ける者たち
    phase one 01:2011年4月1日 九人のコマンド
    phase one 02:2011年4月2日 種のないパパイヤ
    phase one 03:2011年4月2日 ゾンビの群れ
    phase one 04:2011年4月2日 アントノフ2型輸送機
    phase one 05:2011年4月2日 宣戦布告
    phase two 01:2011年4月3日 封鎖
    phase two 02:2011年4月3日 円卓の騎士たち
    phase two 03:2011年4月4日 夜明け前
    phase two 04:2011年4月5日 大濠公園にて


    福岡が舞台で、ノンフィクションかと思えるような近未来の日本を描いた作品。
    バイオレンス、北朝鮮、特殊部隊、外交政策、危機管理、列島占拠…。
    その膨大な情報量に、読んでいて耳から溢れてきそう…。

    登場人物の多さと巻末の参考資料リストに圧倒されます。

    決して読みやすくはないけど、一読の価値のある作品です。
    オススメだけど、内容が重たくて好みが分かれそうなので、☆☆☆☆。

    表紙のカバーを外してみると…。

    コリョ・ウォンジョングン・マンセェェェェェ
    コリョ・ウォンジョングン・チェゴォォォォォ
    コリョ・ウォンジョングン・イプテシキョジュセヨォォォォォ

  • 村上龍さんの長編小説です。

    印象に残った部分を引用します。

     一部例外を除けば、公開されている情報でたいていのことがわかる。特にアメリカや西ヨーロッパの情報は雑誌と新聞とインターネットでほとんど把握できる。スパイが命を賭けて敵国に潜入し重要機密を盗み出すというのは映画や小説の中のことで、その国の新聞と雑誌を正確に分析するだけで必要な情報の九十九パーセントを入手できると、多くの国も情報機関の新人用マニュアルの一ページ目に書いてある(P69)。

     それぞれ専門があるのだから知らないのはしょうがないが、詳しい人間に聞こうとしないのは大問題だった(P193)。

     イシハラのグループのみんなも同じだ。拳銃を持っている相手に拡声器で怒鳴りながら向かっていったりはしないし、そのあと急に態度を変えてバツを受ける囚人のように身動き一つしなくなるということもない。それは、ヤマダやモリや、イシハラのもとに集まる他の仲間たちは、小さいころからずっと今の福岡ドームの観客のような扱いを受けてきたからだ。支配が剥き出しになっている状況で生きてきたから、それに慣れているのだ。物心ついたときからいつも周囲に圧力をかけられ、指示に従わなければ罰を与えると脅され、お前は無力なのだと、恐怖と痛みと共に刷り込まれてきた。この世のすべての人はもともと暴力的な何かの人質なのだが、ほとんどの人はそれに気づかない。根本的にはすべての人間がもともと暴力で支配されているのだが、そのことがわからない。だから野球場で武装ゲリラに襲われ、支配される側に分類されて真実の世界に向かい合うと混乱して、考えるのをやめてしまう(P213)。

     ヤマダがいた施設でも暴力をふるう男の看護師がいて、誰か一人子どもが殴られると全員に緊張が伝わってすぐに支配を受け入れた。そういった無慈悲なムードはどこかにふいに発生したり、どこからか運ばれてくるわけではない。ただ目に見えないだけで普段もちゃんとそこにある。それは、加害者と被害者のほんのわずかなアクションとリアクションによって、まるで霧が晴れるように姿を現すのだ(P226)。

     山際は大勢のスタッフの前で木戸に何度も罵倒された。七十年近く生きてきた山際は、木戸のようなタイプを何人も見てきた。そういった連中は例外なく貧しい家庭に育ち、父親との関係が悪く、強いコンプレックスと権力欲を持っていた。学問や仕事において非常に努力するが、他人への過剰な気遣いがあり、そのカタルシスとして弱いものにむやみに威張るのだ。皮肉な話だが、日本政界の外からやってきたと言われる国際的なヒーローの若き内閣総理大臣は、日本的政治家の典型だったのだ(P272)。

  • 徹底的にリアル。

  • なんと形容してよいがわからないが、様々な示唆が含まれた、驚くべき小説。

  • コインロッカーの驚きはなかった。ゲーも。

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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