半島を出よ (下)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1594
レビュー : 234
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344007604

感想・レビュー・書評

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  • なんだかんだで、もしかすると最も好きな本かもしれない。現実的と非現実的のバランスが良くできてる本だと思う。人名がちょっと難しいけど、それもまた良さなんだと思う。読んでいない人には是非読んでみてほしい1冊。

  • 上巻に比べると、エンターテイメント色の強い下巻。
    上下巻通して、各章ごとに全て異なる立場の人物の視点で描かれているので多角的に物語を見られる。
    どんな人間にも、それぞれに立場があり、役目があり、思いがある。それを強く感じた下巻だった。

  • 息をつかせぬ展開で、臨場感を持たせる文章はさすがだった。思わぬコリョの弱点やイシハラ軍団の心の機微など、上巻にはなかった登場人物らの人間らしさが垣間見ることができたので、感情移入できてグイグイ読まされた。
    おもしろかった。

  • 読みました下巻

    ちゃんと終わりましたね
    すっきりしてるので 映画化しても2時間ぐらいで
    収まるんじゃあないかしらん
    24の様にマルチスクリーンな感じでいくとよさそ

  • 経済破綻した日本にて北朝鮮軍が福岡を占拠。九州を封鎖するだけで、何も手を打てない日本政府を尻目に密かに立ち上がる社会からはみだして生きてきた少年たち。彼らは正義感などから立ち上がったわけではない。ただ自分の存在を確かめるために北朝鮮軍に挑んだ。「楽しいというのは仲間と大騒ぎしたり冗談を言い合ったりすることなどはないらしい。大切だと思える人と、ただ時間を過ごすことなのだそうだ。」という文章が印象に残る。
    膨大な資料・取材によって、この作品はリアルを保っている。そうでなければ、ここまでの読後感を味わえなかっただろう。

  • 北朝鮮軍に福岡を制圧され、さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。

    「北朝鮮か中国が日本を攻撃したら自動的に米軍が反撃してくれるのだろうと何となくそう思い込んでいた。日本の代わりに米軍が戦ってくれるような錯覚があった。考えてみれば、そんなお人好しの国があるわけがない。」

    北朝鮮の後続部隊12万人が博多港に接近するなか、何もできにない日本政府。その一方で、世間一般でいう「普通」に生きられなかった少年達が決死の抵抗を開始。この少年たちそれぞれが爆薬、毒虫、ブーメラン、配管などのスペシャリストで北朝鮮軍を倒そうと画策する。

    小説の中やけど平和ボケした日本人の姿をめっちゃリアルに感じる。主人公はいないが一人一人の登場人物の描写がリアルで、北朝鮮軍の登場人物も含めてそれぞれの人物の過去、考え方がおもしろい。日本人だけでなく北朝鮮軍も語り手になる。小説の中で頼りない日本政府、無能なメディアへの皮肉も書かれている。

    あとがきによると取材はオフレコを条件に軍事作戦などのことを聞いたり、脱北者にも取材をしたらしい。小説に感じたリアリティーはこれか。参考文献の数もハンパなかった。本当にこんなこと、起こりえるんじゃないかと思えるような小説だった。

  • 上を読んでいた時、何を龍は書きたいんだろうと思っていた。春樹は、人間描写を丁寧に書くけど。
    下を読んでわかった。コインロッカー・ベイビーズと同じように、「破壊」なんだ。
    人間には、誰にでも「破壊」欲求があって、それを物語を通じて描いているだけなんだ。
    春樹は、本当に私たちが経験しそうな感情を、本当にいそうな人間を通して(創り上げて)、私たちに伝えてくる。
    龍は、それとは対照的に、ふだんあまり表面には登ってこない、大事な破壊欲求を、ほとんど現実世界に起きないであろう「物語」を通して、語ってくる。
    龍は、だから人間の心情よりも、フィクションの世界をことこまかに描写することに長けていると思う。
    それを考えると、何故数年前まで春樹<龍だったのかが、よくわからない。
    =あたしは、今人間に興味がある。

    追:
    >龍は、だから人間の心情よりも、フィクションの世界をことこまかに描写することに長けていると思う。

    と書いたけど、この本は膨大な資料・インタビューを基につくられているから、ディテールが事細かく描かれているのは自然なこと。

    日本政府の無能さは、現実そのままだと思う。

    他の方がレビューに書いていたけど、震災後「ひとつになろう」「つながろう」というスローガンが街を埋め尽くすようになった。人々の心を安心させる目的のこのスローガンの裏には、一体何があるんだろう。何か(責任)から目をそらすためなのじゃないか。 

    追2:
    そう遠くない未来を設定したのはなぜだろう。
    →起こりそうでないことであれば(非現実)、2100年などと設定してもいい。たぶん、こんなに近い未来を設定したのは、それだけ起きそうな確立が高い+臨場感を出すためだろう。前者は現実的な部分で、後者は、小説的部分で。

  • 村上龍はじめて読んでみたのですが、丁度この本を読んでる途中で北朝鮮による韓国砲撃が起こったという事があって何かまともに読めなかったというか、もうちょっと非現実的なエンターテイメントとして接したい作品だった。

  • 北朝鮮の精鋭部隊がひそかに日本に渡り、九州は福岡ドームから占拠が始まり…。
    経済的に喘ぐ破産寸前の日本。ホームレスが町にあふれ、職も金もない。それだけでも現実的で嫌な始まりです。
    北朝鮮との攻防はもちろん起きず、九州での治外法権を認めてしまった日本政府。ほとんど九州を切り離された状態で話は進んでいきます。
    最終的に12万の兵士が到着するということになり、日本および九州は緊張状態に。
    政府のバカさ加減は置いておき、その北朝鮮兵士たちにテロを目論む集団も出てきます。
    最後のほうはどきどきしながら読みましたが、端役の市役所勤務の女性があの騒動の中どうなってしまったのか考えたとき、ため息が出ました。

  • 現代社会に対しての問題定義というか、訴え的なものは確かにあったけど、自分にはあまり響くものが感じられなかった。
    楽しみにしていただけに、落胆も最後に破壊されたビルの衝撃のように大きかったなぁ~
    読み切るのに凄く時間と体力と費やした上下巻2冊だった・・・

    「なべちゃんのエンジョイ田舎暮らし」
    http://enjoyslowlife.blog.eonet.jp/

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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