嫌われ松子の一生: A woman who kept searching for love. (幻冬舎スタンダード)
- 幻冬舎 (2003年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344009141
感想・レビュー・書評
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【おそらく長文】
ひさびさの読書。
しかも小説上・下刊(基本的に長いの苦手なんで、めったなことない限り、たいてい飽きる。)
なのに5時間あまりで読破させられました。
いつもならタイトルですでに、手に取ることもないであろう作品なのに、出会いのタイミングって恐ろしいもので、なにかこの時期にこの作品に出会う意味を感じました。
もとはといえば、今春5月に映画化が決定になったこと。
http://kiraware-matsuko.com/index.html
出演にボニーピンクがいるということ。
そのあとおおまかなあらすじを読んで少し気分が悪くなったが、その主演が、実は同じ年でもある中谷美紀と知って驚いたこと。
(内容が内容だけに、正直おどろいた)
それでも、書店で目に付かなければ絶対読もうとは思わなかったこの作品も、結局こわいものみたさのように自分から求めてしまったように思います。表向きは、もし映画をみることになったら、その前に原作で読んでおきたいという気持ちに変わりなかったので。(予告を見る限り、どうも映画はかなり脚色されている印象を感じたから。役者や映画のイメージがこびりつくまえに、活字で世界を楽しんでおきたいというか。)
とにかく、あらすじを読めば一目ですが、決して爽快感のある内容ではないです。むしろ1女性の人生としては、いくらフィクションとはいえ、この上なく最低で、不幸です。
だからストーリーを楽しむ作品では決してないし、たとえば読んだあと、それ自体についてはとっても後味が悪い作品です。少なくともわたしには重い鉛のようなものが、しばらく胃の中で沈殿しているような、ずっしりとした感覚が残りました。
ただ、そんなことは本当は問題ではなく、むしろ松子の人生を通じて、並行して登場する甥・笙の感情や葛藤、成長がこの作品の本題を伝えようとしています。実際ラストのくだりは、松子自身彼に救われているし、物語自体も彼に救われているように感じます。
文庫のおびに、「嫌われてもいい・・・
松子を演じることができるなら。
わたしは松子を演じるために
女優という仕事を続けてきたのかもしれません。」
中谷美樹のコメントも、同年代のわたしにとっては印象的でした。
同い年で、この時期に、あえてこの役をやろうと思った心境を、聞いてみたいと思いました。
とかくわたしは今年から厄年に。
しかも、某有名占い師によると、これより3年間いわゆる「大殺界」。まさに、人生「冬の時代」に突入しているらしいです。
そんな冬の時代を迎えたわたしにとって、この作品は決してひとごとではなく、かといって、いい年しながら打たれ弱いわたしに、目をそむけずに直視しろと言わんばかりの、人生の生き様をつきつけているようにも受け取れました。
冬の時代だからこそ、出会うべくして出会った作品なのかもしれません。
ほんとはレビューは書かないつもりだったけど、
きのう出向いた映画館の予告で「~松子」みたら
やっぱりこの作品には、なにかしらのつながりを
感じます。
やっぱ映画見に行こうかな・・・迷詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
だめな女の人生という見方が一般的なのかもしれないが、私はあまり他人事とは思えない。まじめに人生順調なように見えても、何がきっかけで堕ちていくかわからないし、そんなきっかけはどこにでもある気がする。愛情とやりがいを求めて一生を終えた松子はとてもだめな女とは思えない。ラストはあまりにも残酷。松子のまっすぐな人生がこんなことで終わってしまうとは。
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主人公の松子は落ちに落ちまくる
映画と違ってこちらは重い雰囲気が漂うけど、なぜか読まずにはいられない
秀逸 -
■内容
30年前、中学教師だった松子はある事件で馘首され故郷から失踪する。そこから彼女の転落し続ける人生が始まった。一人の女性の生涯を通して愛と人生の光と影を炙り出す感動ミステリ巨編。
■memo
これは、荻窪の南口に住んでいたときに日曜日、傾いた太陽が差し込む6畳の間で静かに読み進めた。自分と重ねてひどく悲しかったことを覚えている。後に吉祥寺の寂れた映画館でこの映画をみて、あまりの素晴らしさに帰り道のワインが美味しかったことを覚えている。 -
かなりおもしろかった!
どんどん読んでいっちゃってあっという間。
松子、もっと幸せになってほしかったよ!
映画は見ないほうがよかった。なんか残念でした。 -
2つのアングルが切り替わりながら進む形式が
好奇心をくすぐり過ぎてずるい(゚Д゚)
哀愁、絶望、希望、時々感動
そんなこんなで気になって気になって最初を開いたが最後、全部読まないと夜も寝れない(゚Д゚)
「可哀想」とか「何で?」という感情が時々
こんぬつわ(゚Д゚)して先に進むのを邪魔するときがあるけど超面白いので、
無問題!
松子嫌われてないじゃん(゚Д゚)ってことも
読んだ人で松子好きは相当数に昇る筈
あと見逃せないのが、最初はピラピラチンチンのショボクレキャラ笙がドンドン変わって最後にはかなり男らしくなっちゃってるとこ。
その他大勢の男勢は
はー・・・(゚Д゚)って感じ。一生シャブ貪り食って、はーはーしながらチンチンポリポリしてなさいって感じ(゚Д゚)
あ・・・(゚Д゚)でも個人的には赤木マネージャーはきっといい人(*^ー゚)b・・・のはず
あと男じゃないけど一番男らしかっためぐみも
(*^ー゚)b -
スピーディーかつ劇的な展開に、下巻の半分ほどまでは一気読みです。どうしてこの人はここまで人を信じるのだろう、どうしてもう諦めないのだろう、どうしてそれだけの能力がありながら愛に溺れてしまうのだろう。ここでこうしなければ、ここでこの人に逢わなければ、きっといくらでも幸せに生きられたでしょうに、と嘆かずにはいられません。ただひたむきに愛を求めただけなのに、そのたび裏切られた松子。最後だってもう一度希望に手を伸ばしただけなのに…。
<br><br>松子の殺人が許せて、松子を殺人が許せないなんて、やっぱりワガママだよね。 -
先に映画を見たお陰か、すらすらと読めてしまいました。あの映画はなかなか忠実に作られたんだなぁ。
転々と境遇が変わる中でも松子は強く、懸命に生き、でも裏目裏目と出るその生き方はとても切ない。
なんと言うか、所々で松子が逆の方向へ向かってしまう衝動などは理解できる気がします。 -
映画やドラマがほんとに原作に忠実に作られていることに、まずはびっくり。字が細かくぎっしりなのにすぐ読み終わっちゃったよ〜。
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面白かった!!!父は暗すぎて読む気がなくなったと言っていたが、コレは傑作だと思います。
これから長い人生で松子のようにならないとは限らないし。。。