悪魔の種子

著者 :
  • 幻冬舎
3.26
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本棚登録 : 111
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344010666

感想・レビュー・書評

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  • 【悪魔の種子】 内田康夫さん

    秋田県南地方の西馬音内で行われる西馬音内盆踊りの起源は
    七百年前とも四百年前とも伝わり定かではないが、歴史ある
    農村の伝統行事である。その盆踊りの特色は「端縫い」の衣装と
    もう一つ、「彦三頭巾」という被り物だ。
    盆踊りの最中、彦三頭巾をかぶった見知らぬ男が路地から
    フラフラと踊りの中に入りこみ息絶えた。
    検死の結果毒物による中毒死と分かった。
    男は窪田一彦、茨城県農業研究所作物研究センターの主任だった。

    新潟県長岡農業研究所作物研究センター育種科の職員上村浩が
    溺死体となって発見された。警察は前日に上村と諍いのあった
    西見を容疑者として取り調べる。
    西見を慕う同課の職員諏訪由紀子は西見の無実を信じ、
    親友の須美子に相談を持ちかける。
    須美子は事件のあらましを光彦に伝え光彦が調査に乗り出した。

    調査の過程で先の西馬音内盆踊りで起きた事件と
    このたびの事件に関連がありそうなコトを光彦は突き止め
    彼は彼の好奇心に従い事件の真相に近づいてゆく。



    国、企業の思惑がからむバイオ関連の物語。
    特殊な技術を使い自然界では発生しえない作物や動物を作り出す。
    それが果たして未来の希望となるのか、災いとなるのかは誰も分からない。
    原子力も昔は夢のエネルギーだったけれど、一度暴走すれば
    どれほどの被害を被るかは日本は身を以て痛感していると思う。
    原発事故を原発だけに限らず、遺伝子捜査においても常に最悪の
    事態を想定して研究をやって欲しいと思う。

  • 浅見光彦の公式第99事件
    公式第1事件の「後鳥羽伝説殺人事件」にレビュー

  • 10月-3。2.5点。
    花粉症緩和米をめぐる、殺人。
    少し読みにくかった。農業専門用語が多いからかな。

  • お、面白かった…!なんとなく図書館で借りたのでいきなりこの巻で浅見さんシリーズを読み始めたのですが、他のも読みたくなりました。
    タイトルから「犯罪者の子どもは犯罪者になる可能性があるとかそういう話かな…」と思って読んでみたらコシヒカリ誕生話とかあって楽しかったです(笑)
    まず浅見さんが素晴らしい…!かっこかわいいです。本当に坊っちゃまや…←近所のお店の人にまで呼ばれててめっさ笑いました
    ミステリーにそこまで詳しくないんですが、ミステリーだけで楽しむにはちょっと物足りないかなぁ…何回か浅見さんが閃いたりするけど基本的に訪れた先でどんどんヒントを得るというか真相に近付きます。とんとん拍子で読みやすいと言っちゃたいへん読みやすいですが。
    遺伝子組み換えとか国家と企業とか、そういうことに力を入れて書かれてました。私はたまにニュースで見たりくらいの知識(初期の浅見さんと同レベルですね。共感して読めました)だったのでたいへんためになりました。
    この本が出版されたのは2005年(連載されていたのはさらにもう少し前)らしいので、「今現在は遺伝子組み換えとかどうなっているんだろう…」と興味を持てました。時間がある時調べてみたいです。

  • 7/20/08図書館

  • 須美子に頼まれ調べ始めた上村殺人事件。新たに窪田も殺され、二つの事件は関係があるのか。農業、「米」研究所をめぐる真相を探る。秋田西馬音内盆踊りの最中に死んだことなどを浅見光彦が調べる。遺伝子組み換え、減反など米・農業に関わる内容。’07.12.15

  • テレビドラマでおなじみの『浅見光彦』シリーズ。今回は遺伝子組み換え食品が話題のメインになっていた。最近は一般人でも“遺伝子組み換え”とか“DNA”とか、よく耳にする言葉だが、これが実際安全なものなのかと言うのは、一般人には全く判断できない。それなのに自分の欲のことしか考えていない専門家が出てくる。それで“遺伝子組み換え食品”をめぐって、人間の汚い面が出て殺人事件が起こった。
    このシリーズもあまりにも長いので、最近は少々飽きてきた。

  • 「花粉症緩和米」によって茨城県農業研究所で起こったが連続殺人事件の話。フリーライターの浅見光彦が事件の解決にもりだした!・・・  私は生物をやっている理系の学生なので、殺人事件はともかく、組換え食品をとりまく周りの反応がとても気になった。初めこの本を読んでいたときは、組換え生物などの科学によって自然に逆らって生物を生み出したことが、最近の鳥インフルエンザやSARSなどの異常の原因なのだ、と本で述べられていたときは、この本を投げて破り捨て、火にくべてしまいたいと思った。日本人の田中さん、小柴先生がノーベル賞をとったときは、誰もがその成果を讃えただろう。それにこれらの科学技術が生まれたおかげで、現代の私たちは様々な恩恵に授かっているのだ。それなのに、ろくに知識のない人が、やたら情報をかき混ぜるメディアや一部の反対派によるイメージによって、一方的に人口のものはよくないなどと言っている矛盾には耐えられなかった。しかし、どんどん読みつづけていくうちに、そういった矛盾点も掘り下げられていた。また、花粉症緩和米を取り巻く背景、農水省と企業等の力関係、圧力などもとても興味深かった。

  • 著者の上手さは存分に発揮されていると思います。あえて注文をつけるとしたら、犯人の動機の面と旅情ミステリーとしてはイマイチだったことかな。

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著者プロフィール

1934年東京都北区生まれ。1980年に自費出版した『死者の木霊』で衝撃的デビュー。主人公の信濃のコロンボこと竹村警部が活躍する作品に加え、1982年に刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』で初登場した浅見光彦を主人公にしたミステリー作品は大ベストセラーに。映像化作品も多数。2018年逝去。

「2022年 『箸墓幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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