愛の流刑地〈下〉

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 143
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344011663

感想・レビュー・書評

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  • 上巻は菊治と冬香の深く躰を求め合う性愛がメインだったのに対し、下巻は冬香が去ってひとりになった菊治の心情と裁判でのやりとりがメインで話が進む。
    展開にスピード感があるので、回想シーンもさらさらと読めた。
    菊治と冬香の関係は、世に認められるものではなく、二人のセックスも周囲に理解され難い。しかし、四谷のママの手紙が冬香の感情の代弁となり、「このまま死んでもいいと思うほどの快感がこの世にあること」「それをできる男、味わう女は少ないこと」「死にたくなるような快楽を与えたのだから、その罰として刑務所に入ること」など、受入れ難い判決を納得のいく形にもっていったのは、とてもうまい運び方で、安心して本を閉じることができた。
    途中、息子の高士が、父親である菊治を慰めに訪れる。唯一家族愛を表現した部分で、最後は、血のつながったものが救いの手を伸ばす感じがよかった。

  • (2006.01.31読了)(新聞連載)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    最愛の女を殺めた果ての孤独な法廷闘争。故意か過失か、あるいは愛の証しか。懸命に愛した男が最後に受け入れた罪と罰とは。論理ではとらえきれぬ情感の妖しさを描き、現代人の感性の解放をうたうルネサンス的文芸大作誕生。

    ☆関連図書(既読)
    「死化粧」渡辺淳一著、角川文庫、1971.05.20
    「無影燈」渡辺淳一著、角川文庫、1974.11.10
    「新釈・からだ事典」渡辺淳一著、集英社、1989.10.25
    「別れぬ理由」渡辺淳一著、新潮文庫、1991.02.25
    「失楽園(上)」渡辺淳一著、講談社、1997.02.20
    「失楽園(下)」渡辺淳一著、講談社、1997.02.20
    「愛の流刑地〈上〉」渡辺淳一著、幻冬舎、2006.05

  • これ、原作はまさに連載中の日経新聞で読んでたんですけど、新聞の連載って言うとあの一面の下のほうの帯にちょびっとだけ載ってるのでいつもいいところで終わってたんですよね。
    ま、毎日なのでその程よい量が良かったんでしょうけど。


    それで、この強烈なエロい場面が多すぎるものをどうドラマ化するんだろうと思ってたんですが、まぁそれなりでしたね。
    きれいすぎるって言うか、物足りないというか・・・。


    映画は見てないんでどうだったかしらないんですけども、やはり原作には勝てないですよね。
    ドラマだけ見た人にとっては、原作を読んだヒトと比べると印象がまったく違うと思います。
    視聴率もイマイチだったみたいだし、この愛を理解できる人ってあまりいないのかも。。。。?!




    ドラマで納得できなかった人は、ぜひ原作を。
    ただ、オセロ松嶋さんも言ってた通り冬香さんが生きてたときはそのシーンの描写がほとんどです。。。

  • 読了

  • なるほど、愛の流刑地ね…
    言い得て妙。

    渡辺淳一、ちょっと、また、読みたくなりました。

    情愛は、うまいな、気恥ずかしい書き方ですけど。

  •  上巻からそのまま下巻も読んだんですけど……。
     話の途中くらいで、ふゆかさん死んじゃうんですよね。

     で。
     死んじゃった後から、自分のテンションがぐぐって上がったのがわかって。
    「あー……自分不謹慎……」
     ってちょっと思ってしまった(苦笑)

     でも、なんていうか……
     そっからの流れもありきたりっちゃありきたりなんだけど……。
     まぁ、わからんでもないかな……と。

     狂気と愛って紙一重だけど。
     そこまでを望んじゃやっぱいけなかったんじゃないかな……って思う部分と。
     そういうのって加減忘れちゃうから、やっちゃダメだよ!
     って、ちょっとだけ医療系のお勉強齧った人は思う訳です。

     人間の身体って案外脆いんだからね!

  • やっと読み終わった…

  • 上下巻セット売りのみ。£7
    帯つき。

  • 愛するがゆえに、SEXにおぼれて、快楽の極みに女性から懇願されて首を締めて、殺してしまった。

    そして、法廷、留置場の様子が中心の下巻。

    裁判を待つ間に、なんども自慰ばかりしてて、ちょっと呆れた。

    息子が理解者となり、思いやりを持って面会に来るところは
    とても感動しました。


    ネタバレ



    最後は、自信が女性を愛した証として、刑に服すことに
    納得して終わる。

  • 11月14日読了。新聞連載時に読んだことがあるためか往路のバス中にて、1時間で読み終わってしまった。特に「花火」の章で、朝刊をハラハラしながら賛否両論ある作品だが私は面白かったな。菊治が信じる愛の形を法廷が全く問題にしなかったり、事件を起こしてから著書が売れたりとかそれなりに筋が通っていて興味深いプロットも満載だし、普通に楽しく読めた。人間性を深く描いているとか男女の究極の愛に迫っているとか、みんなこの小説にそこまで求めているのかね?新聞連載時に付いていた挿画が懐かしい。入れてくれたらいいのに。

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著者プロフィール

渡辺 淳一(わたなべ じゅんいち)
1933年10月24日 - 2014年4月30日
北海道空知郡上砂川町朝陽台出身。1958年札幌医科大学医学部卒業。医学博士。しばらくは医者と同人誌活動を兼業。この時期1965年、『死化粧』で第12回新潮同人雑誌賞を受賞している。整形外科医師として医科大に勤務していたが、そこで行われた日本初の心臓移植手術に対し疑義を呈し、移植手術を元にした作品を記して辞職。以降、作家専任となる。その作品『白い宴』は1970年直木賞を受賞した。
1979年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞、1983年『静寂の声 ― 乃木希典夫人の生涯』で第48回文藝春秋読者賞、2003年菊池寛賞、2011年『天上紅蓮』で第72回文藝春秋読者賞をそれぞれ受賞。ほか、2001年アイスランド隼勲章騎士章、2003年紫綬褒章を受章している。
その他代表作に、映画化されたベストセラー『失楽園』、『愛の流刑地』、そしてエッセイ集『鈍感力』などがある。

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