芸術起業論

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 150
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344011786

感想・レビュー・書評

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  • ブックカバーは必須だけど読みやすい。違和感のある点も勉強になる点も多くて面白かった。

  • 自伝的な作品で、

    怒りを表現

    という感じ。あんまり面白くなかった。

  • 芸術の世界は研究にも通ずるように思う。

  • 何年も前から気になっていて、アマゾンのお気に入りリストに入っていた。
    日本芸術界の大前研一とでもいうべき、芸術に合理性、論理性を持ち込んだ人。

    文章は下手くそ。
    しかし彼は確実に何かを掴んだ。
    結果、精子がスプラッシュしたフィギュアにアホほどの高値がついたわけである。
    その手がかりを、あっち行ったりこっち行ったりの文章から我々が読み取るのが、この本の目的。
    そもそも、村上隆が嫌いで、何も彼から学ぶつもりがないなら読む必要はない。

    言ってることは、私の言葉で理解したところによると、芸術は歴史でありコミュニケーションでありファッションである。
    何がかっこよいとされ、何がださいとされ、価値があるとされるかは、これまでの芸術界の潮流を見、文脈を解読して、その上で自分の作品を置いてこそ決まってくるものである。
    文脈からあまりに離れていれば相手にされず、しかし、死んだあとにされる可能性はある。
    日本では技術は教えられるが、文脈を読むことは教えられていない。

    好き嫌いはあるだろうが、確実に日本人で指折りの、学ぶべき視点を持った人である。

  • 芸術の世界も、スポーツの世界と同じで、
    理論的に何がどうすごいのかということを話すことができる。
    すごさは一瞬の輝きではなく、積み重ねの上にある必然性であるのだから。

    だからと言って、誰もが到達できるわけではない。

    多岐にわたる情報や感情を整然とまとめ上げ、
    人を楽しませるための蜘蛛の巣を変態的に張る、
    用意周到なアーティストだということがよくわかる本でした。

    (以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
    ○勉強や訓練や分析や実行や検証を重ねてゆき、ルールをふまえた他人との競争の中で最高の芸を見せてゆくのが、アーティストという存在なのです。(P.25)
    ●欧米で芸術作品を制作する上での不文律は、「作品を通して世界芸術史での文脈を作ること」です。(中略)既成の便器の形は変わらないのに生まれた価値は何なのでしょうか。それが、「観念」や「概念」なのです。(P.35)
    ○欧米の美術の歴史や文脈を知らないのは、スポーツのルールを知らずにその競技を見て「つまらない」とのたまうことと同じなんです。(P.36)
    ○コレクターはいいものを購入して自分自身をアピールできる上に「寄付した作品の金額が税金控除の対象になっている」というところが重要なのです。これは日本とまるで違います。日本では固定資産として税金徴収の対象になる(だから芸術はひそかに所有される)もの(P.37)
    ○魯山人の過去をふまえた創作は贋物と批判されるのです。確かに彼の陶器には下卑たところがありますが、ウォーホールと同様に「確信犯のバッドテイスト」なのですから、業界の常識を覆す能力を評価しない日本人の基準のほうが、貧しかったのではないかと思います。(P.44)
    ○プレッシャーをかける理由は単純です。重圧をかけるというマネジメントをしなければ、いいものができあがらないからです。(P.59)
    ○そういう一撃を食らわせるのが芸術なのですが、これはなかなか難しいことです。大天才でもなければ、それは集団で作りあげるしかないんです。(P.59)
    ○アートマネジメントに関わる人は、その人なりの勝ちパターンが見えてきた時に、はじめてアートに深くコミットできるのです。延々と続く地道な仕事を通していつのまにか歴史が変わる時が来るのかもしれません。(P.62-63)
    ○チャンスがある時に、作りたいものを自分の判断と責任で作れるようにしないとだめだ(P.68)
    ○『赤ひげ』のカメラの移動がいくらすごくとも、そういうものは後世の技術で追いつけてしまえるものです。技術で追いつけないところに黒澤監督の個性や魅力があるのですから、芸術においても、技術でなくて考え方に力を注ぐべきだと思います。(P.78)
    ○絵としての才能で言えばボナールのほうがずっとすばらしいのに、なぜかゴッホが高い評価を受けている理由は、おそらく「端的に説明できる物語」があるからではないでしょうか。(P.98)
    ○最近の海洋堂はよくない。儲かっているのが、よくない。昔は儲からなくても、熱があったのに……(P.135)
    ●西洋の美術の神髄は客観性の追求であり、現世とそれを超えた神秘的な世界像を客観的に表現する方法だったのです。(中略)日本の伝統的な絵画は、目で見たものを主観的に好きな角度から表現しています。
    ○ぼくは宮崎駿さんを目指してものを作ってきました。高校生の頃から彼こそが天才だと思っていたのですが、知れば知るほど宮崎さんは努力型の人物なのだとわかるようになりました。手塚治虫さんのような天才とは質がまるで違うのだと実感しています。(P.184)
    ○ぼくが「作品のだめな部分」をいじくる文章をメールで送ると、アーティストはまちがいなくやる気がなくなります。やる気がなくなった時に、いい仕事ーーやりがいのある案件を持っていく。いい話なんです。やらざるをえないでしょう?(P.207)
    ○四十五分描いて十分寝る(P.231)

  • ロマン主義的で求道的な芸術観をとことん相対化していて刺激的だった。が、戦略を必死で練る村上隆自身はとことん求道的で、その矛盾が彼の創作の原動力になっているのだと感じた。

  • 芸術は売れなかったら無価値。
    プロモーションやストーリーが大事。
    で、結果を出してる。

    オタクカルチャーのパクリなど許せない面もあるが、芸術家とはこんなもんでしょう。

  • 作品が億で売れる芸術家村上隆の、戦略についての自伝。
    トランプ時代と呼ばれる今でも欧米の立ち位置が変わらないとは思わないけど、何かを「世界的に」受け入れてもらうための考え方はおそらく大きくは変わらないのでは。

  • 日本と欧米の芸術サロンの構造の違いや、評価基準の違いを紐解き、コンセプチュアルアートにいかに切り込んでいったかを語る。いままで忌避されていた「マネー」の重要さにも触れている。芸術論だけでなく、創作活動にもビジネスにもあてはまる話だった。

    芸術のルールは
    「世界で唯一の自分を発見し、その確信を歴史と相対化させつつ発表すること」
    「芸術家は死後の世界を準備しなければならない」

    高密度な言葉だった。

  • おもしろいっちゃおもしろいが、やはりこの本は自ら何かしらを作り出しているクリエイターが読まないと意味がつかみきれない部分が多く、別にそんなものを目指していない人が読んでもくみ取ることができる部分は少ないように感じる。序盤こそ読者にケンカを売っているような文体だけど、たぶん真骨頂は中盤から終盤にかけての部分で、これは若いクリエイターに対する熱いメッセージであるような……気がする。あと改行がやたら多い。

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著者プロフィール

村上 隆(学芸部長)

「2014年 『京博が新しくなります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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