芸術起業論

著者 :
  • 幻冬舎
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レビュー : 162
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344011786

感想・レビュー・書評

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  • ブックカバーは必須だけど読みやすい。違和感のある点も勉強になる点も多くて面白かった。

  • 自伝的な作品で、

    怒りを表現

    という感じ。あんまり面白くなかった。

  • 芸術の世界は研究にも通ずるように思う。

  • 09.8.8 石井さんブログ
    ■超おすすめ本■:シナリオを創り上げる「芸術起業論」村上隆  【書評by多読書評ブロガー】
    テーマ:書評:哲学・思想・科学

    多読書評ブロガーの石井です。

    1億円の値がついたフィギアなどのポップアートで有名な村上隆さんというアーティストの書いた芸術論です。

    最近芸術家に絡むプロデュース論や教育論などの本を読み漁ってきましたが、本書は白眉です。

    書き上げるのには、4年の歳月を必要としたということ。「言葉」で芸術の価値を高めるべきだという哲学の元、同時にその内訳を披露しながら自らのセルフブランディングを高めるという緻密に計算された熱い本です。

    芸術というと「独創性」だとか「オリジナリティ」という「つきぬけた」ところに目が行きがちですが、作品の価値を高めていくためのシナリオ作成、チームによる作業など全てが、「買い手」側の心にどう突き刺さるかということをきちんと計算して構成していることが分かります。

    芸術起業論

    チームで価値とシナリオを作っていくプロセスや、ゼロから新しい発想を生みだす際の思考の原点などの舞台裏を赤裸々にかつシンプルに解き明かしてくれています。

    ■価値・ブランドの源泉は「観念」や「概念」

    「芸術作品の価値は言葉で高められるべき」
    「現代美術の評価の基準は、概念の創造」

    ■チームで作品の価値を作る

    「画商やアドバイザーや、プレーヤーやオークションハウスや美術館の人に、作家作品の成否を相談し、シナリオを作って作品の価値を高めていくのは当然の手順」
    「分業制をとることで、一人ではできないほどの精度でものを作れるようになりました。」

    手仕事に追われないから、創造性を発揮することができるようになるといい、これを現代における商品つくりの可能性を高めるやり方の鉄則としています。

    ■建築家・デザイナーの仕事

    創造性の象徴として取り上げられることの多いデザイナーや建築家などの仕事を見ても、実は色々とアイデアを絞ったり、設計の実務をしているのはアシスタントの人たちです。彼らの創造性をどう引き出していくかということの「手助け」したり、「方向性」を提示し、「最終判断」をすることが「主」の仕事です。

    ■マネジメントに集中した人間が勝つ

    村上氏も世界に通用する方法について話す際も、「マネジメントに集中していく人間が勝つ」という、意外と悲しい結論になると評しています。

    ■文脈を創り上げる


    歴史と紐付けて作品を語る(=シナリオを組み立てる)ことの重要性を再三指摘してます。

    「世界で唯一の自分を発見し、その確信を歴史と相対化させつつ、発表すること」

    これが世界共通のルールだと述べられています。

    芸術の表現をしようとするときには、製作の背景や動機や設定が緻密に必要になるとのことです。

    ■唯一の自分を発見する方法


    この唯一の自分を発見していく作業というのはどうすれば良いのでしょうか。

    「自分の惹かれているものを紐解いていくこと」

    ・好きな作品の歴史を研究していくこと。

    好きな歴史自体を深堀りしていくことも薦められています。

    ■ゼロからものを考えるとき

    ゼロから新しいことを発想していくときの要点として、

    「最近どういう楽しいことがあったか?」
    「最近どういう悲しいことがあったか?」

    とあります。全てはその人自身の感情から生まれてくるものなのだということでしょうか。

    最近ストーリーテリングの研究をしたり、「人が変わる瞬間」等のワールドカフェを通じて、「全ての源泉は自分の中にあり、どれだけ自分を掘り下げて理解できているかどうかが、その人の成長」だと感じています。

    【多読書評ブロガー超いちおし本】

    1作品1億円の値がついたフィギアなどのポップアートで有名な村上隆さんですが、とにかく分かりやすい物言いで「人の心を動かす」作品の作り方について非常に丁寧に書かれている本です。

    ブランディングやストーリーテリングに興味分野が在る方は必読です。

  • 村上隆の言いたい放題
    おもしろい

  • これはいい本。生き方を考えさせてくれる。

  • 2000年ごろは欧米では知的な仕掛けなどを楽しむのが芸術に対する基本姿勢だった。→素材などではなく、観念や概念の部分。

    主観、客観の考え方。
    文章に気を配る。

    リアルなコミュニケーションに重点を置いた芸術。

    技術は追いつけてしまう。考え方や思想を作品に詰める。

    思いなどを歴史などのストーリーに乗せて伝える必要性。

    ピラミッド構造の組織→自分の役割に集中できる環境作りは大事。

    訳のわからないものを論理的に語ろうとするのが批評家。

    興味→その歴史を学ぶ→興味があるかの検証
    このプロセスが大事。

    敗戦により国家という根幹が日本からは抜け落ちている可能性。

    作品により人の考えは生き残る。

    絵を描くことで目の前のものを残す訓練ができる。

    芸術にマネーはとても必要。



  • アート作品を上手いこと解説して、高値で売るのはギャラリストの仕事だと思っていたが、アーティスト自身がwhere to play/how to playを考えて、ブランディングまで意識的にできると、こんなに強いのね。アートに興味のない人でも、ブランディング事例として読むと充分に面白いと思う。
    「アートは世界美術史の明確なルールの中で仕掛けや面白さを競うゲーム」「評価されるアート作品とは世界美術史の文脈を作るもの」という発想は、アートの世界への心理的な敷居をかなり低くしてくれた。

  • これはとても面白い一冊でした。「村上隆とは一体何者?」と長くどう言う人物なのか疑問に思っていた自分には全ての謎が解けるような解説本であり、「芸術」とはなんぞ?「芸術家」とはなんぞ?を知る良い機会になりましたし、「芸術家として生きる」と言う苦難に満ちた人生や「日本から出て世界で生きる」には何を知っていなければサバイバルを勝ち抜けられないのか?を真正面から回答する良書です。読んでいて「ふむふむ」と相槌を打って感心したり、「美」と言う何物かを生み出すためにいかにのたうち回り、悶絶する日々を送ってきたのか…面白くも興味深い文章がギッシリ詰まっています。とても面白いです。芸術と言う世界だけのものじゃなく、働くとか生きるとか人生とか、その全てに通じる信念や信条を持って生きると言うことを教えて頂きました。
    スッゲー面白い本ですのでおススメです。

  • 何年も前から気になっていて、アマゾンのお気に入りリストに入っていた。
    日本芸術界の大前研一とでもいうべき、芸術に合理性、論理性を持ち込んだ人。

    文章は下手くそ。
    しかし彼は確実に何かを掴んだ。
    結果、精子がスプラッシュしたフィギュアにアホほどの高値がついたわけである。
    その手がかりを、あっち行ったりこっち行ったりの文章から我々が読み取るのが、この本の目的。
    そもそも、村上隆が嫌いで、何も彼から学ぶつもりがないなら読む必要はない。

    言ってることは、私の言葉で理解したところによると、芸術は歴史でありコミュニケーションでありファッションである。
    何がかっこよいとされ、何がださいとされ、価値があるとされるかは、これまでの芸術界の潮流を見、文脈を解読して、その上で自分の作品を置いてこそ決まってくるものである。
    文脈からあまりに離れていれば相手にされず、しかし、死んだあとにされる可能性はある。
    日本では技術は教えられるが、文脈を読むことは教えられていない。

    好き嫌いはあるだろうが、確実に日本人で指折りの、学ぶべき視点を持った人である。

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著者プロフィール

1947 年 岐阜県に生まれる
1992 年 博士(心理学)(筑波大学)
現在 中京大学現代社会学部 教授
専門 計量心理学


「2018年 『心理学・社会科学研究のための構造方程式モデリング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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