ランナー

  • 幻冬舎 (2007年6月25日発売)
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本 ・本 (244ページ) / ISBN・EAN: 9784344013452

感想・レビュー・書評

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  • 単行本の帯に“走る。それしか、手立てはない。少年の焦燥と躍動する姿を描いた、青春小説の新たなる傑作!”とあり、なんらかの訳あってスランプとなるも、そこから前に進もうとするスポ根ものかと思いきや、予想だにしないストーリー展開で、胸の詰まりを覚えた。それぞれに背負うものは重いけれど、必死に乗り越えようとする姿に、感動する。
    碧李と信哉の友情、絶妙な距離感、交わす言葉に清々しいほどの青春を感じ、嫉妬するくらい羨ましく思う。
    ストーリーは終わっていない。それぞれがスタートラインに立ったところだが、私には希望が見えるスタートラインだった。

  • 人生にはままならないことがある。
    誰のせいでもなく、どうしようもなく、ままならない。
    逃げ出したいし、立ち止まりたい。
    でもそれでも、一歩踏み出さなくてはならない。

    主人公、碧李が「奥歯を噛み締める」表現が何度か出てきて、それが印象的だった。
    言葉にならない重たい思いを背負って、ひたすら地を蹴り、前に進む。
    その優しくはかなくひたむきな姿に勇気をもらった気がする。

  • 主人公の碧季が一度は走ることを諦めてしまうのですが、自分に言い訳をして逃げたりせずに、また走ることに挑戦していく物語。
    読み進めて行くと、家族関係が複雑で娘の杏樹が愛らしくて涙がこぼれそうになった。
    私は、母親が杏樹への虐待をしている事が分かってから、主人公の中に入って行けなくなってしまいました。
    帯に書いてあったあらすじを読んで興味を持ちましたが、想像していたのとは少し違いました。

  • ただの青春モノかと思って読み始めましたが、もっと繊細な物語でした。なんでも出来るようで、まだ何も出来ない彼ら。登場人物のひたむきに生きる姿に、みんなみんな、ただ幸せになって欲しい、そんな感想。

  • 三時間ぶっ通しで読み切った。「走る」という何も生み出さず無駄のない行為がとても清い。ランナーの見る景色は、絶対に私の手が届くことのない世界であり、杏子や千賀子に共感する。碧李くんはただ走る。部活や試合の場面は多くない。ただ走ることが描写されている。美しい空と延びる白い線。震えた。

    もう一つのテーマは親子愛だろう。三組の母娘が描かれている。「愛の反対は無関心だ」と言ったのはマザーテレサだったか。愛は常に束縛と表裏一体だ。

    文章量や登場人物が少ないのがすっきりしていていい。久遠くんと碧李くんの友情が素敵。書こうと思えばもっと書けたのだろうが、引き際の絶妙さに唸る。

  • あさのあつこさんの著書を初めて読みました。爽やかなスポーツ物かと思ったら、虐待、離婚、現実的な問題も折り込んだお話。主人公の挫折しかけた長距離ランナーのあおい君はこれからどうなるのかな。救われるといいんだけど。他のあさの作品も読んでみます。

  • 不器用な人たちが出てくる本。
    子供って感じやすいんだなぁと
    思ったり、大人だから強いってわけでは
    ないんだなぁと思ったり。

    走る姿がきれいっていう表現は確かに
    あると感じます。速いとか遅いとかでは
    なく。

  • 結構おもしろかったです(´∀`)ノ

    みんなは重い話とか、シリアスとか言ってるけども、そんなことないような・・。

    すごい物語に惹きこまれますね!!

  • 読書期間;2月10日から2月13日

    両親の離婚、妹の世話、たった1度の負け。かなりの辛さがあった。

  • 普通の青春物と思ったら重い話だった。
    志保の子供への愛が重く、出ていく息子。
    愛しているのに虐待してしまう千賀子。千賀子に怯えながらも求める杏樹。色んな愛があると感じた。

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著者プロフィール

あさの あつこ:1954(昭和29)年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI~VI』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。著書は『福音の少年』『No.6』シリーズ、『弥勒の月』『アーセナルにおいでよ』など多数。

「2025年 『あなただけの物語のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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