誰も書けなかった年金の真実: あなたがもらえなくなる日

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344014398

感想・レビュー・書評

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  • 少し古めの本だが、年金問題は実際のところ実はシンプルなのかも知れない。
    本書で当時を背景にした基礎的なことは学べる。

  • 2007年に書かれた本だが、年金とはというものがとてもよくわかる。
    そして、この年に繰り広げられていた消えた年金問題の内容もよくわかる。
    次の選挙も年金が大きなテーマの1つとなるが、今度どうしていくべきかを考え、選挙に行きたい。
    また、破綻することはないだろうが、老後年金に頼ることは頭から外しておこうと思った。

  • 会社員のみなさん、自分が月々支払っている厚生年金保険料や、将来、自分には何歳から毎月いくらぐらいの年金が受給されるか、聞かれてとっさに答えられますか~?そうそう答えられるものではありませんよね。

    答えは、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率(平成21年1月現在で15.350%=労使折半)をかけて計算されるため、本人負担分として給与・賞与から天引きされるのは、各7.675%というのが正解です。また、この料率は平成29年9月まで段階的に18.3%まで引き上げられます(嘆息)。ちなみに、国民年金の月々の保険料は固定で14,410円(第1号被保険者)です。一方受給額は?というと、65歳にならないと受け取れないということ以外は、条件によって大きく変わってくるのは自明の理です。JAバンク大阪の簡易計算版などを使ってそれぞれシミュレーションしてみてください。

    で、今回紹介するのは安倍晋三元内閣総理大臣の退任(2007年9月26日)の引き金となったといわれる「年金問題」に火を点けたのは自分だ!と妙な自負をお持ちの日テレズームインのコメンテーターとしておなじみの辛坊さんが本書の著者です。だんだんと身近な問題として意識し始めた年金についてちょっと勉強してみました。

    「年金」には、老齢年金(年をとって働けなくなったときにもらえる)、障害年金(怪我や病気で働けなくなったときにもらえる)、遺族年金(本人が死んだ後にその家族がもらえる)の3種類があり、一般に「年金」といえば「公的な」老齢年金を指します。日本の年金制度は、戦費調達を目的として明治8年に作られた「軍人恩給」が原型であり、それが現在の「公務員共済年金」に引き継がれています。その後、公務員以外の勤め人にも年金制度は必要であろうとの考えから昭和19年に始まったのが「厚生年金」であり、さらに、公務員、サラリーマンのみならず自営業者や農民にもとの考えから昭和36年に始まったのが「国民年金」ということです。昭和61年に、国民年金が単体で破綻しないよう公務員共済年金、厚生年金に統合され現在に至っています。このとき「基礎年金」という制度が誕生するとともに、20歳以上は国民年金への加入が義務付けられました(国民年金=基礎年金ではないことに注意)。現在、二階建て構造になっている年金の一階部分にあたる基礎年金の、三分の一は税金から支給される掛け金なしの年金です。加入者の掛け金で賄われている残りの三分の二を、将来、現役世代が負担し続けることは無理との見通しから、今年2009年中にも税金と掛け金が二分の一ずつに変更されることが決まっています。

    安倍政権を揺るがした“消えた年金騒動”、そして年金財政立て直しの切り札として私が個人的に熱烈に支持する“井堀私案”(井堀利宏東京大学経済学部教授)については、またの機会にふれたいと思います。

  • テレビのワイドショウ的構成というか・・・。最後まで読み通すのが難しい。ただ、7回8回も役所にかよったら年金がもらえるようになったとか、職員による年金横領?とか、けっこういい加減なもので、まずは知識を得ることと対策を常にもっておくことが大切と思った。

  • 年金は払っても損はしないが、払わないと損する事もあるよ、という事がかいてあります。

  • 読みやすい!って思ったら字が大きかった。年金問題は頭の痛い問題世代間・払った払ってない(期間・専業主婦・若者)の格差が大きすぎるのが話をまとめにくくしています。
    しかしいい加減なんとかしないといけないんじゃないかなというかいい加減にしてほしいというのが本音。
    少なくともTPPに参加するのならそれまでに年金の一元化が必要なのではないかと思います。だって国民年金保険・厚生年金保険・共済年金保険ってことなら海外のアフラックが給料天引きはずるいじゃないかとか税金を投入するのはこっちの保険に入ってもらいにくくなるからISDS条項に反するとか訴えられる危険もあるわけですよね。
    さっさと保険→税金の体をとってしまう必要があると思うのです。そのためにも年金受給年齢の生活保護者も組み込む必要があるし、最低補償年金も組み込む必要がある。これらは福祉です・税金ですと言い張る必要があるのです。財源を保険料から徴収するとしても。
    一方でたくさんもらっている人がいるのも事実でやはり上限が必要になるのだと思います。若者にも納得できるように全国平均初任給+地域加算(年金・健康保険料・地方税・所得税除くつまりほぼ手取り)でどうでしょう?こうなると最大は15万程度に収まるはずで、夫婦合わせても最大30万程度に収まるはず。税金であるという認識の一方で年金とは長生きするリスクへの保険です。なので生活に必要な金額を保障するのであって必要ない人(資産のある人)に払う必要はないのです。だから年収で支払金額が0っていう橋本さんにも賛成したいところですけど実質その崖付近のひとの不公平感を考えると難しいのでしょう。
    また第三保険者という制度(支払う金額が0)ってのもなくす必要があるし(だって国民年金は払わなくても民間の医療保険には加入してる人はいっぱいいるはず後年金保険も)遺族厚生年金の支給範囲もある程度狭める必要があると思います(親・孫は不要でしょう)
    0などなど一元化したうえでかなりシンプルに作り変える必要があると思います。
    今どうなっているのかを調べたら年金調査委員会は解散。結局2222万わかずじまいってって、アホ~!!そら60歳未満の人しかわからんかったってのが実情なんではないかのが
    以上が本を読んだ感想。
    以下今更ギョギョって思ったこと。
    ・昭和17年に厚生年金制度が出来たときのインタビューでは、「将来払えなくなれば、賦課式にすれば良い」とあり、最初は積立式(自分の掛け金で年金を賄う)であった(p78)

    ・昭和17年の名称は、労働者年金保険、19年には厚生年金保険という名称に変更、厚生年金は戦争遂行のための費用集めに使っていた(p79)

    ・2004年改革の厚生労働省の試算では、2004年時点で45歳の人の平均賃金が47万円、年金額は24万円と仮定している(p125)

    ・但し、試算の前提は、賃金上昇率は2011年に4.1%、金利が4.4%、そのまま100年好景気が続くという設定(p131)

    ・2215万件は60歳未満であり、心配の必要はあまりない、2008年中に年金加入記録を通知したときに解決されるはず、ただし1991年から1997年までに親が国民年金に加入した場合には、子供が企業に就職すると別の年金番号が支給されるので問題となる可能性あり(p159)

  • 今の年金の制度を擁護する学者や評論家をおめでたい人呼ばわりして

    「あなたがもらえなくなる日」という年金不安を煽るようなタイトルをつけています。

    しかし、実際に読んでみると年金がもらえなくなるとまでは言っておらず、かなりタイトル先行の感じがします。





    冒頭部分で旧 社会保険事務所(現 年金事務所)の対応の悪さを示すために著者である辛坊氏のもとに届けられた手紙を紹介する部分があります。




    社会保険事務所まで年金を納めに行ったら

    「よく調べてみたら70歳まで納めても年金を受給できない」

    と言われたというのです。

    もちろんお金は返すから領収書も返してほしい

    と担当者に言われ手紙の主のおっちゃんが激怒するのです。


    そしてなんだかんだとゴネているうちに

    受給要件を満たせるようになって年金がもらえるようになった

    として、社会保険事務所の対応の悪さを批判しています。




    辛坊氏がこの手紙を冒頭でいきなり紹介してきたのは

    「みなさん社会保険事務所の対応はこんなにもひどいんですよ。」

    とでも言いたいがためのものでしょうが、ちょっと待ってください。



    本来、受給できる人を受給できないと言って

    何度も何度も事務所に足を運ばせた対応のまずさは分かります。

    受給要件は年金手続きの基本なので1回目で気づかなければいけないからです。




    ただ25年以上年金を納めないと年金をもらえないと法律で昔から決まっていたのにおっちゃんは滞納していたわけです。

    年金というのは基本的に強制加入なのでそもそもが納めないという選択肢すらないわけです。


    にもかかわらず納めずにいた人間が、

    雨の中わざわざ年金を納めにきたのに年金をもらえないとは何事だ!

    と怒っているのは、私にはいちゃもんにしか見えません。



    事務所の担当者というのは法律に基づいて手続きをすることしかできません。

    雨の中わざわざ来てもらったから受給要件満たせるようにしておきますね、とは言えないわけです。




    つまり

    事務所の担当者の対応の悪さ



    年金を滞納していた自己責任

    の問題は別物として考えなければいけないということです。






    辛坊氏は今後の年金制度について消費税12%にして全額消費税で基礎年金(最低保障)制度にするべきだと持論を展開しています。


    そうすることでお金持ちのお年寄りから貧乏な若者へ所得移転ができるというのです。

    乏しい給料の中で金持ちの年寄りの高額年金を負担させられている若者はかわいそうだとしています。




    この数行だけでもいろいろと指摘したい部分が出てきました。


    まず消費税12%ですが、このデフレ化でこんなに消費税をあげたら国が破綻します。

    年金制度を充実させようとして国が潰れて年金が払えないなんて笑えない冗談にしか聞こえません。



    そもそも辛坊氏は前提として今の年金受給世代は現役世代に比べてものすごく得をしているという世代間不公平論があるようです。


    その根拠として掛けた保険料に対してもらう受給金額を示した倍率が2005年当時の年齢で70歳の人が8.3倍、20歳の人が2.3倍です。

    この数字を根拠にしてお年寄りは、若者に比べて得をしているというのです。

    ですが、この倍率だけで世代間不公平を述べるのには納得できません。



    年金というのは軍人恩給から始まった制度で、国のために命がけで戦ったご褒美のようなものです。

    社会的なインフラが整備されてすでに世界有数の経済大国となった日本に住む現役世代と単純に比較できるものではありません。



    そして何より消費税は逆進性が強いでしょう。

    高額所得者が高額な消費をすれば税金をいっぱい払ってくれることはたしかですが、高額所得者の12%の支出と低所得者の12%の支出では負担の割合が圧倒的に違います。




    このように少し読んだだけでもつっこみどころが満載となっています。

    もちろん年金にはいろいろな考えがあっていいと思うのですが、

    それにしても年金に対する知識が中途半端な人が書いたという感が強いですね。

    あと最後にところどころに出てくるつまらないギャグが低俗なイメージを増幅させています。

    勉強になる部分も少しはあっただけに残念でした。

  • 2年ほど前に年金記録が5000万件も無いということが話題になった頃に書かれた本で、家の本棚にあったものを読み返してみました。これって、分母をしっかり明示してほしいものですね、それが無いと日本の人口(1億人)だと思ってしまいます、まさか分母が3億を超えているなんて思いもよりませんでした。

    年金が将来もらえなくなるかはさておき、最近騒がれなくなった5000万件はどのような根拠で出てきた数字なのか、それは自分の世代にとって心配しなければならない数字なのかを、この本を読んで改めて認識しました。

    結論から言えば、普通のサラリーマンであれば私も含めて問題なさそうです。但し世代間によって、損得があるような主張がされていますが、インフレ率を考慮したどうなるのだろうか思いました。ただ残念であったのは、全体の国民年金の未納率はずっと少ない(p80)とコメントしながら、その数字が示されなかったことです。

    それが全体の5%(「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?、細野氏の本で私は知りました)であるとコメントすると、この本の趣旨に合わないと思ったらでしょうか。

    以下は気になったポイントです。

    ・日本での年金制度は明治8年に開始、この年に郵便貯金・全国民に苗字許可された、廃刀令は明治9年、年金対象者は陸軍の兵隊(p67)

    ・昭和17年に厚生年金制度が出来たときのインタビューでは、「将来払えなくなれば、賦課式にすれば良い」とあり、最初は積立式(自分の掛け金で年金を賄う)であった(p78)

    ・昭和17年の名称は、労働者年金保険、19年には厚生年金保険という名称に変更、厚生年金は戦争遂行のための費用集めに使っていた(p79)

    ・戦後に農民にも恩給をあげるために出来た制度が、昭和36年から始まった国民年金制度(p80)

    ・厚生年金や共済年金には未納は基本的にはあり得ないので、全体の国民年金の未納率はずっと少ない数字である(p80)

    ・昭和36年(1961年)から2000年まで40年間払い続けた人の掛け金総額は200万円程度、それで年間80万円が死ぬまで支給される(p85)

    ・昭和61年(1986年)以降は、20歳から国民年金から強制加入となった、学生の強制加入は1991年から(p98)

    ・現在の基礎年金は満額でも月に6.6万円のみの支給、しかし2010年度以降は半分が税金で賄われるので確実に有利、これを払ってないと障害年金・遺族年金ももらえない(p104)

    ・通常の会社員が夫婦共に働いていた場合、月にもらえる厚生年金は23~34万円である(p116)

    ・2004年改革の厚生労働省の試算では、2004年時点で45歳の人の平均賃金が47万円、年金額は24万円と仮定している(p125)

    ・2005年次の年齢で40歳(1965年生まれ)では、掛金2200万円に対して、平均寿命まで生きるとして給付額は5900万円(2.7倍)となる、0歳でも2.3倍という試算、これは企業負担分を含めていない(p129、219)

    ・但し、試算の前提は、賃金上昇率は2011年に4.1%、金利が4.4%、そのまま100年好景気が続くという設定(p131)

    ・現在の年金積立金は200兆円あり、30年程度は保持可能と考えられる(p146)

    ・マクロスライドとは、物価上昇時において、統計上の上昇率から原則0.9%を差し引いて、引上げ額を決めるというもの(p148)

    ・1997年に基礎年金番号制度がスタートしたときには、社会保険庁が管理している年金記録は3億件、1997年1月時点で加入している1億件(支払い世代:7029万、支給世代:3065万は、基礎年金番号付与された(p153)

    ・1997年から10年かけて2億件中の1億5000万件が統合されたので、残りが5000万件となった(p156)

    ・2215万件は60歳未満であり、心配の必要はあまりない、2008年中に年金加入記録を通知したときに解決されるはず、ただし1991年から1997年までに親が国民年金に加入した場合には、子供が企業に就職すると別の年金番号が支給されるので問題となる可能性あり(p159)

  • 辛坊さんはわかりやすい解説と明るい口調なので好きなキャスターの一人。池上彰さんが2011年4月以降テレビの仕事を休むそうなので辛坊さんの活躍が期待できそうです。

  • 現在70歳の人は、支払額の8倍も受給する。
    公務員なら、夫婦で毎月50万円も受給する場合も。


    世代間格差を痛感しました。

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著者プロフィール

1956 年大阪府出身。早稲田大学法学部卒業後、讀賣テレビ放送に入社。プロデューサー・報道局解説委員長等を歴任し、現在は大阪綜合研究所代表。
「そこまで言って委員会NP」「ウェークアップ!ぷらす」「朝生ワイドす・またん!」「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」などのテレビ・ラジオ番組で活躍。近著に『風のことは風に問え―太平洋往復横断記』(扶桑社)、『日本再生への羅針盤~この国の「ウイルス」を撲滅するにはどうしたらいいのか?』(光文社)などがある。

「2022年 『この国は歪んだニュースに溢れている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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