阪急電車

著者 :
  • 幻冬舎
4.11
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本棚登録 : 9206
感想 : 1691
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344014503

作品紹介・あらすじ

電車は、人数分の人生を乗せて、どこまでもは続かない線路を走っていく-片道わずか15分。そのとき、物語が動き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 阪急電車に乗ると、ピカピカの床と毛足の長いシート、何十年も変わらないマルーン色の車体にお出かけ気分がさらに盛り上がります。

    宝塚から西宮北口までの阪急今津線を舞台にした短編連作集。どれも心温まるお話のなか、一番好きなのは『甲東園駅』。漢字がよめないけれど優しい社会人の彼氏と受験を控える高校生のお話で、自分らしさと人のありのままを好きでいる二人にほっこりしました。

    電車に乗る人の一人一人には人生があって、小さい子を連れて楽しそうだなぁ、とか、おばあちゃん病院に行くのかなぁ、とか、電車の中って無意識に人の幸せや健康を祈る空間なんだなぁ、と思います。

    宝塚から西宮北口の各駅で出てきた登場人物がその後どうなったのかは、約半年後の折り返しの西宮北口から宝塚でわかる仕組みになっています。
    さらにその後が知りたい!
    この本の登場人物たちがもっと幸せになってくれたらなぁ、と願わずにはいられません。

  • 大好きな有川浩さんの大好きな作品を、もう一度読み直しました。

    返り血を浴びながらも、討ち入りをやり切る翔子さんのお話は痛快すぎ。
    バカだけど誰よりも大切にしてくれる年上彼氏と悦子の話は甘々。
    品のないご婦人集団に売られた喧嘩を買う時江にも、加勢してしまうユキと征志にもスカッとさせてもらった。

    どの話も好きすぎて選べません。
    やっぱり最高でした。
    ああ、私も大切にしてくれる人を大切にする恋がしたいものです…。


    We don’t know what the passengers have their own stories.
    The train which carries many stories of passengers is running on limited rail.

  • 心がほっとあったまる!
    有川浩さんのお話はステキな人が沢山出てきて、すごく元気が貰えます。
    電車で恋が始まるなんていいな。憧れちゃう。
    電車乗りながら読んだらさらに幸せ。
    私も自分の人生をしっかり生きます。

  • タイトルは聞いたことのある作品でしたがやっと読みました!
    宝塚駅から西宮北口駅まで様々な視点で物語が進み、後半は折り返しで宝塚駅まで戻ってくるという構成でした。前半部分は「パピルス」という文芸誌で掲載していてその後後半部分を書き下ろして単行本にされたそうです。
    1駅ずつ様々な人の物語が描かれるのですが、それぞれの物語が何かしらの駅の物語と繋がっていて、「あ!この人あの時出てきた人だ!」と読んでいて楽しかったです。人間同士の繋がりがとてもあたたかく感じました。

    1駅ずつ分かれているので短編集を読んでいるようで読みやすいです!

  • 2021/06/17読了
    #有川浩作品

    阪急電車の往復で繰り広げられる
    たくさんの物語。
    登場人物たちが微妙に交錯しながら
    小気味良く表現され気持ちいい。
    癒しに満ちた作品。

  • 私にとって初、有川浩作品。

     電車内で、人間観察、私もよくやります。妄想もします(笑)
    たくさん他人がいるところほど、孤独を感じます。でも、たまに、優しい人に出会ったり、さりげない会話でほんわかすることもあります。イヤな思いをすることもあるけど…。
     今は電車にめったに乗らない私が、そんなこんなを思い出す作品でした。
     

  • 初めての有川作品。
    一つ一つのお話は短くて、あっという間に読み終わる事ができた。それぞれの物語はまさに列車のごとく、連結していく。改めて、電車ほどたくさんの人生がすれ違う場所もないと気づかされた一冊。一つずつの話しも面白かったが、電車の往復になぞって構成された作り方は趣向が凝らされている。折り返し点から前半の登場人物のその後が読める。
    個人的には、ごんちゃんの物語が好きだな。

  • 電車に乗ってるといろんな人がいて、その人たちの会話に耳を傾けることもあるかと思います。

    電車がきっかけの出会いがあり、行きずりの人からのアドバイスが、人生の後押しになることもあるかもしれません。

    阪急宝塚線の各駅でとまる短編小説ですが、登場人物たちは顔見知りでないにしろ、バトンをつないでいくような小説の運び方はさすがだと思いました。

    大阪人特有のオチのある会話も面白かったです。
    電車の中での出会い、ドラマもいい味が出ていて心が温かくなりました。

  • 初有川作品。
    かなり出遅れた感は否めないけれど、初めて有川さんの本を読んでみた。図書館戦争あたりから、売れてるな~とは思っていたけどなかなか手に取る機会もなく。
    考えてみたら図書館に行ってもいつもどの本も貸し出し中だったんだ。それほど人気作家なんだな、なるほど。

    生まれてこのかたほとんど関東在住。
    関西の文化はケンミンショーなどを見聞きして知る位。
    でもこの本、絶対関東を舞台にしたらあり得ないでしょう。
    こんなおせっかい(良くも悪くも)な人たち、都内の電車にはいないし!
    他人とかかわらないように知らんぷりしてる人ばっかり。
    どの程度リアルなのか分からないけれど、こんな素敵なおせっかいが日本にはまだ残ってるのなら捨てたもんじゃない。

    余談ではあるが、学生の時にライブで一人で大阪球場までいったことがある。歳がばれる(^_^;)
    アーティストの都合でどんどん開始時間が遅れ、このままだと始まって数曲で会場を後にしないと最終の新幹線に間に合わない。
    困り果てた私をたまたま隣り合わせた女性が「うちに泊まっていけば?」
    と誘ってくれた。見ず知らずのずいぶん年下の私を泊めてくれるなんて!
    ありがたく彼女の好意に甘えてしまった。翌朝早くおにぎりまで持たせて見送ってくれた。
    やっぱり大阪の人はあったかい。
    世の中捨てたもんじゃないです。

    • vilureefさん
      まろんさん

      大阪って憧れます!おおらかな感じがたまらん(笑)
      それに関西弁ていいですよね~。
      方言ていいなって思います。
      ちゃんと方言で書...
      まろんさん

      大阪って憧れます!おおらかな感じがたまらん(笑)
      それに関西弁ていいですよね~。
      方言ていいなって思います。
      ちゃんと方言で書いてある作品を読むとうれしくなっちゃいます♪
      2013/01/27
    • HNGSKさん
      vilureefさん。なんて素敵な思い出をお持ちで・・・!!ライブで知り合った方にいきなり泊めてもらうなんて、なんてソウルフル!!
      そうい...
      vilureefさん。なんて素敵な思い出をお持ちで・・・!!ライブで知り合った方にいきなり泊めてもらうなんて、なんてソウルフル!!
      そういった予期しない出会いを大切にしたいですね。
      私も「泊まっていきや」って、言える余裕を持つようにしなきゃです。
      2013/03/22
    • HNGSKさん
      vilureefさん、私は関西在住です。
      でも、いまだアメは常備していません(笑) 
      でも、関西では、自転車がこけたら、「あーあー、大丈...
      vilureefさん、私は関西在住です。
      でも、いまだアメは常備していません(笑) 
      でも、関西では、自転車がこけたら、「あーあー、大丈夫なん?」って、起こしてくれます(笑)私はそんなおばちゃんになりたいです。
      2013/03/25
  • このストーリー展開、好きです!
    たまたま居合わせたその場所が偶然とも必然とも言える。
    もっと若いうちに読みたかったなーと思わせてくれる、キュンキュン系の小説ですね。

    • yhyby940さん
      初めまして。「いいね」ありがとうございます。阪急電車は20年間お世話になりました。美しい沿線の景色、懐かしく思います。いろんな登場人物たちが...
      初めまして。「いいね」ありがとうございます。阪急電車は20年間お世話になりました。美しい沿線の景色、懐かしく思います。いろんな登場人物たちが、微妙に絡み合って素敵なストーリーが展開する。とても良い作品ですよねえ。映画も好きです。
      2022/04/29
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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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